第28話 レイプ未遂事件?

 「あっ、里美さとみママがこの前来た時、ほら、この家の近くに大きい公園があるじゃない、あそこでね、そう言うのが起きてるんだって。」

 「あー、そう言えば、公園に近付かない様にって、言ってた。」

 「公園って、青い葉っぱの森公園。」

 「そうです、その犯人をさがし出して頂きたのです。」


 「いやっ、それは警察の仕事で、探偵のすべき事ではありません、漫画や小説とは違うんです。」

 「警察は、・・・警察はさがしてはいません、被害届を誰も出していませんから。」

 「どうしてあなたに分かるんです。」


 「・・・その、私の大事な大事な大事な妹も、届を出してないからです。」

 「妹さんですか。」「はいぃ。私の可愛い可愛い愛しい妹ですぅ。」

 「その感じだとレズビアンなのかしら。」

 「ルイーズ、決めつけちゃダメだよ。」

 「そうですよぉ~、私はお二人の様にぃ~、可愛~~~い子が、だあ~~~い好きですよぉ~。」


 「じゃあ、血縁関係の妹さんではないんですね、あっ、僕のお嫁さん達にちょっかい出さないで下さい。」

 「・・・私は、妹が、襲われた恐怖心、状況を説明する恥ずかしさ、私との関係、そうした思いが、届を出させない様にしていると思っていました。」

 「違うんですか、襲われた事より、あなたとの関係を大事に思っての事では、まだまだ世間は、宗教の刷り込みの影響が強い、そうした考えを持た人の手で、色々な決め事がなされていますし、そちらの方が僕は納得いきますが。」


 「ええ、だから妹を説得したんです、人を好きになる理由も形も定まったものではない、一つであるはずがないって、教育も、科学も未発達の時代ではない、宗教から切り離して、理解する事も少しずつだけど進んでる、泣き寝入りはダメだって。」

 「私もあの人達きらーい、信じるのは勝手だけど、その人達の間だけにして欲しいわ。」


 「それで説得出来なかったから、と言う事ですか。」

 「理由が違ったんです。」

 「他に理由が無いように思いますが、・・・知人、・・・だったとか。」

 「・・・そうです。」

 「可笑おかしいじゃないでか、名前もわからないって、先程。」

 「確かに言ってた、でも、知った人なら、さがす必要なんてないわ。」

 「ドロシーの言う通り、依頼の必要、無いじゃないですか。」


 「・・・それが、妹は私が犯人だと、思っている様なんです、確かに何度か、そう言うシチュエーションでぇ~、襲った事あるんですけどぉ~、もうぅ~ぅ、あの子ったら、私だって分かってるのに、すっごい怖がっちゃってぇ~、・・・逃げまどう姿を見て追っかけてたらぁ、犯しちゃええええ、って、もうもう、すっごい燃えちゃってぇ~~~、その体をよじるのが、はかくて、もうううううう、壊しちゃええええええって、二人で繋がったらあの子、今まで見た事無いくらい激しくって、はあぁぁぁぁぁ~、本当に可愛いわぁ。」


 「ゆたかも、私達の事、そんな風に思ってる、壊しちゃえって。」

 「そっ、そんな事無いよう、只。」

 「「ただ。」」

 「ドロシーとルイーズが。」

 「「私達が。」」


 「もう~、余りにも可愛くて、ずーーーとひっついていたい。」

 「ゆたかのえっち。」

 「わっ、私もひっついていたい。」

 「あ~、私もう。」

 「有難う、ドロシー、ルイーズ。」


 「あのぉ~、ほんっと、仲良しさんですね。」

 「んん、んん、確かにそれだと届けを出す必要が、そもそもありませんね。」

 「只のろけてるだけよね、ねっ、ドロシー。」

 「そうねえ。」


 「だから、私じゃありません。」

 「いや、ご自身で襲ったって。」

 「今回、私じゃないんです、男の人なんです。」

 「そう言えば、どうして男だと、妹さんが、あなただと思ってると言う事は、少なくとも、その容姿ようしは女性ですよね。」

 「あの子の服に付いていたんです、女の私には絶対に残せない痕跡こんせきが。」


 ん、ドロシーとルイーズが、赤くなって、もじもじしてる。

 「どうしたの二人共、おトイレ。」

 「・・・ゆたか分らないの。」

 「何が。」「服に付いてた物。」

 「えっ、ドロシー分かるの、ルイーズも。」

 「・・・本当に分かんないの、ゆたか。」

 「お二人には解って頂けた様ですね、妻と言うだけあって。」


 「ゆたかが毎日、私達にくれるものだよ、ばかぁ。」

 「どうして言わせるの、あほぉ。」

 「「ふにゅっ。」」

 二人が両側で、僕の肩に顔を埋める。

 はて、毎日、二人に、・・・おっ。ぽん。


 「ふ~~~ん、毎日なんですか。」

 なっ、何ですか、お嫁さんです、新婚です。

 「何の事です、そうしますと、犯人は男、しかし、あなたに瓜二つ、双子。」

 「いえ、私、一人っ子です。」


 「えーっ、すると、あなたが言う犯人は、あなたの様な美人になりすまし。」

 「ゆたか、今なんて。」

 「今のは私も聞き流せない。」

 「さっきもいったでしょう、二人より美しい子はいない、これは、社交辞令しゃこうじれいと言うものだよ、だから怒らないで。」

 「えーーーっ、私、美人じゃないんですか、酷い、酷くないですかっ。」


 「いえいえいえっ、決してそう言う事は。」

 「じゃあ、依頼を受けて下さい。」

 「いや、それは、まだ報酬の話もしてませんし。」

 「お願いします、同じ事が起きたら、妹は、私と間違えてしまいます。」


 「ゆたか酷ーい。」

 「お話ぐらい聞いて上げようよ。」

 「分かったよ、ちゃんと聴く、だから二人にお願いがある。」

 「静かにしてる。」

 「違うよルイーズ、二人共も力を貸して。」


 「うん、助手よね。」

 「任せてぇ~。」

 「有難う、ん、何。」

 少し文化が違う様だ。ちゅっ。ちゅっ。二人と軽くキスをした。


 「じゃあ、少し整理しよう、ドロシーかルイーズ、書いてくれる。」

 「うん、私が書く。」「私は。」

 「ルイーズはドロシーの書く内容を確認して。」

 「おっけー。」

 「二人共、適当にお話してて、プロジェクターを持って来るから。」

 がらがら。僕は事務所を出た。がらがら。

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