浮気と鋼の精神

第19話 浮気には罰を

 「少し時間がかかると思うから、電話を待ちましょう。」

 パッチン。母さんが手を打った。

 「そうだわ、ドロシーちゃん、ルイーズちゃん、明日お買い物に行きましょう。」

 「ドロシーで良いですよ、里美さとみママ。」

 「ママ。」かあーさん、ルイーズを見て強要きょうようしないで。


 「里美さとみ、ママ、私もルイーズでいいですよ」

 「いいの。」「ええ、そう呼んでください。」

 「ルイーズ。」「はい。」

 「ルイーズ。」「はい。」

 「ルイーズ。」「はい。」「ルイーズ、構っちゃだめだ。」

 「ゆたかさんは黙ってて。」ひっし。また抱き着いた。


 「きゃっ。」「可愛いぃ~。」「嫌っ、お尻は。」

 「んん、何、この下着は、ゆたかさん、私の娘達にこんな物を着せてるの。」

 そこはいい訳できないなあ。

 「お金もないし、二人に選んで貰ったんだけど。」

 「きゃう。」ドロシーの胸に手を突っ込む。

 「ダメよ、こんなの、せっかくの形の良いおっぱいなのに、崩れちゃうでしょう。」

 「でもゆたかに買ってもらった物だし、結構気に入ってるし。」

 「ダメよ、今が大事なの、明日、お買い物行きましょう、ねえ。」

 「二人が良いなら、お願する、僕じゃどんなのが良いのか分からない。」


 「ゆたかさんも、あー、言いてるし、ねっ、行きましょう。」

 「二人共、嫌じゃなかったら、行って来てくれないかな。」

 「ゆたかがそう言うなら。」「じゃあ私も行く事にする。」

 「やたあーーー、念願の娘とお買い物、有難う、それにこのままじゃあ、ルイサとマーガレットに合わせる顔がないわ、じゃあ、明日ね、私も色々決めないと、10時ぐらいにおむかえに来るから、今晩はあんまり遅くまで頑張っちゃダメよ。」

 こくこく。真っ赤な二人は可愛いな。

 そして母さんも引き上げた。


 それから一時間ほどして、ルイサさんから電話があり、ルイーズが、ドロシーの髪を一本抜き、怪しげな事をして、完了すると、物置からルイサさんとマーガレットさんが出て来た。


 「ママ。」「エムおばさん。」

 「上手くいったわ、ルイーズ。」「そうでしょう。」

 「ドロシー、嬉しいは、いつでもこられるは。」「来るときは電話をしてね。」

 「ええ、心得ているは、新婚さんの邪魔はしないわ、早く赤ちゃん見たいもの。」

 「もうううっ。」「じゃあね、お茶会で。」


 「ママも来るときは連絡してね。」

 「はいはい、分かってますよ、じゃあ、パパ泣くわね。」

 「パパにもよろしくね。」


 その夜、僕は二人に責められていた。

 「ゆたか、ママの胸を見てたよね。」

 「えー、あれは間違いなく見てたわ、ルイーズ、罰を与えるべきかしら。」

 「そそっ、そうね、私もそう思う、・・・けど。」

 「他の女の人に目移りするなんて許せない、それがルイーズのママなんて絶対ダメ。」


 「そうなんだけどぉ~、ドロシーィ~、許さないの。」「許さないわ。」

 「そうなんだけどぉ~、許さないと、ちょっと大変かも。」

 「何が。」「婚姻の時に罰を与えたでしょう、覚えてない。」

 「・・・あっ、どうしよう、ルイーズ。」「気付くの遅いようぅ。」

 「ドロシー、可愛いよぉ~。」「はう、うっ、ん~。」

 「ルイーズ、素敵だよぉ~。」「きゃふ、・・・ふう・・・ん~。」

 翌朝、母さんを一時間ほど待たせ、僕が怒られた。

 二人は眠そうにしながらも、上機嫌の母さんに付き合って、買い物に出かけた。

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