歯磨きとおトイレと魔法使いの弟子

第9話 お礼の準備と歯磨き

 僕はご飯を食べて、紅茶を飲んで、やっと一息ひといきいた。

 「あー、お腹いっぱいだー。」横になりたあーい。

 ドロシーとルイーズがそわそわしてる。

 「・・・あっ、あのゆたか、お礼をしたいの、手伝って。」

 「ゆたか、だからね、このテーブルを片付けて、ここを広くしたいの。」

 「隣の部屋でも良いけど。」

 「ダメ、私も、ルイーズも、その、・・・いっぱい動くから、広くないと。」

 「・・・二人だからね、・・・凄いかも、・・・しれない。」

 「おっ、おう、分かった。」


 僕は紅茶や食料をキッチンへ持って行った。

 コタツもキッチンに移動させ、立て掛ける。

 テレビは壁掛けなのでそのまま、後、敷物。

 「ねぇ~、ゆたか、この敷物も、・・・汚しちゃうかもしれないから。」

 「でも、痛くないかな。」「大丈夫、上手じょうずにするから、心配しないでゆたか。」

 「そうなの、ドロシーがそう言うなら。」

 僕は敷物を丸めてテレビと反対の壁側に置いた。

 これでリビング兼ダイニングは、丸めて隅に寄せられた敷物以外はなく、ほぼ6畳の空間が空けられた。


 ドロシーとルイーズが僕の両脇に来て腕を取る。

 「ほっ、ほら、こっち来て。」「ゆたか、こっち。」

 部屋の中央に来た時。

 「そうだ、ルイーズ、歯磨きしないと。」

 「そうだよね、やっぱり、ゆたかも、歯磨きして。」

 「うっ、うん分かった、二人には買い置きの新しいのをちゃんとだすから。」

 そうして僕達は順番に歯磨きをした。


 「皆お願い。」そうドロシーが言うと、電気が明滅めいめつし、ドロシーの顔に影が落ち、やがて真っ黒になり、辺りから光と熱をうばう。

 しかし今回は、公園の時の様に、霜が降りる事は無かった。

 うーん、どうやらドロシーの顔のパーツが分離する時、エネルギーを必要とし、

 そして、元に戻ろうとする時は、余剰のエネルギーを、熱と光を含む電磁波に変えて放出している様だ。


 「よっ。」

 「僕は邪魔をしないよ、観察するだけだから。」

 「だっ、ダメ、ブリキもするの。」えぇ~、僕、普通で良いんだけどなー。

 「ガゥ。」「あぅーううっうっうっ。」

 「トト、吠えないで。」「わん。」

 「ねえー、ドロシー、その、・・・直ぐ本番で良いでしょう、ねっ。」

 「ルイーズ、・・・恥ずかしくないの。」

 「恥ずかしい、今もドキドキしてて、凄く恥ずかしい、でも、ゆたかには、見て欲しいの、・・・それから、・・・その、いっぱい感じて欲しい。」

 「ルイーズ、私も。」二人は軽くハグをする。 

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