第8話 汁だく

 ぴーぃ、ぴーぃ。ドロシー達の洗濯が終わった。

 お湯にかりたかったが、面倒くさくなってシャワーだけにした。

 僕の洗浄が終わったら、そのままお風呂の掃除をしてあがった。

 ドロシーとルイーズに洗濯が終了した事を教えよう。

 外に干すのか、乾燥機能を使うのか分からないし、何より女の子の衣服の取り扱いが分らない。


 この時期はまだ暑い、一人ならパンツだけでもいいが、今日はそう言う訳にはいかない。

 Tシャツにトランクスのパンツ、その上に短パン。

 食べ終わってたら、紅茶でも入れて、チョコでも出して、それから僕もご飯だ。


 かちゃ、きーぃ。テレビを見てるけど、内容分かるのかな。

 「ドロシー、ルイーズ、洗濯終わったけど、どうするの。」

 「うん、有難う、ルイーズ行こう。」「ゆたか、触った。」

 「誘惑ゆうわくに打ち勝ったよ。」「えーっ、つまんない。」「ルイーズったら。」


 「外に干すなら、隣の部屋の方にバルコニーがあるから、狭いけど、乾燥するなら、浴室に掛けといて、縮まない物で急ぐなら、洗濯機に残しといて。」

 「うん、ルイーズ早く。」「あっ、紅茶飲む、アールグレイしかないけど。」

 「飲む、お菓子も。」「ルイーズ、まだ食べるの。」

 「ドロシーも食べないと、これからすっごく激しい運動するのに。」

 「もっ、もうぉ~、・・・じゃ私も。」ドロシーが両手で頬を挟む。

 「分かった、行って来て、用意しとく。」

 すたすたすた。僕がキッチン側にそれて、二人が浴室の方へ向かった。


 二人の食べた容器をキッチンに移動させ、ティーポットにお湯を入れる。

 カップと板チョコとクッキーを出して、コタツ布団の無いコタツに持って行く。

 ポットのお湯を捨て、茶葉ちゃばを適当に入れお湯を注ぎ、これも持って行く。

 「ティーポット、ティーカップ、結構幅を取るなあ、いっぱいになった。」

 「できたよぉ~、浴室にお洋服を干したから、残りはそのまま。」

 「分かった、乾かしてくる。」「うん、今度は使い方教えてね。」

 築31年だけど、僕が入居する前にユニットバスを入れ替えていた。

 「機会があったらね、暑かったらエアコン入れるから。」


 僕は浴室に行き中をのぞく、着ていた服が全部干されていた。

 乾燥は時間かかるので直ぐにセットする。

 おかしいな、パンツが無い、じゃあ、洗濯機の中、ルイーズのあの黒い模様は何だったのか、確認しようかな。


 ごぽ。ドラム型の洗濯機を開ける。

 乾きを良くする為に衣類を広げないと、脱水したままだと上手く乾かないから。

 こっ、これがパンツ。ぱさぱさ。母さんのとはぜっんぜん違う。

 小さくて、白地しろじに、白っぽい花柄、きっとドロシーのだ、きっと。

 すんすん。うーーーん、やっぱり洗剤の香りしかしないな、うん確認OK。


 もう一つがルイーズ、と言う事になりますなあー。

 ぱさぱさ。やっぱり小さい、良くあのお尻がはいるなあー、うーん。

 あ~~、見えていたのは、この黒猫かあー、うーんなるほっどぉー。

 ちゃっ、ちゃんと洗えてるかな、これはその確認作業だ。

 すんすん。うん、洗剤だな、もう少し下の方はどうかあーなあー。

 すんすん。うーん、ざんね、洗剤だねっ、うん、ちゃんと洗えてる。

 ん、ブラが無い、ルイーズを背負った感じ、必要ない、と言うサイズでは無い感じだったけど、ふむぅー、まあ、僕的には良いけど、調査完了。


 僕は洗濯機の乾燥機能を稼働させた。

 やっと、ご飯が食べられる。

 ドロシーとルイーズは、テレビの正面に二人並んで座り、紅茶を飲んでいる。

 僕は邪魔にならない様、その横に座り、牛丼弁当のふたを開けた。


 「なっ、・・・んだと、お肉が無い。」


 「ちっ、違うの、私は止めたの、でもルイーズが少しぐらい分からないって。」

 少しって、一片いっぺんも残ってない。

 「ドロシーもぱくぱく食べたぁ~。」

 「それはルイーズが食べるから、私は保護して上げようと思って、私の処に。」

 「うん、なるほど、それで間違えて一緒に食べちゃったんだね、仕方ないね、まあ、しょうがもあるし。」


 「ねえ~、どうしてドロシーだけかばうの、私も。」

 「分かってる、ルイーズは、僕のお肉が迷子にならない様に保護してくれたんだよねー。」

 「・・・そっ、そうなの迷子にならない様に保護してあげたの、・・・そ、そしたら、なついちゃて、私の処が良いって言うから、・・・その。」

 「じゃあ、仕方ないないね、好きな人の処にいたいよね、うん、なら仕方ない。」

 「そうなのー、・・・御免なさい。」

 「気にしなくていいから、好きな人の直ぐそばに、誰だっていたいと思うさ。」

 「・・・そう、だよね、好きな人の直ぐそばにいたいよね。」「うーんもうっ。」


 おう、ドロシーが怒っていらっしゃる、まだピカソ風の配置、実に美しい。

 さて、食べよか、唯一の救いは、つゆだくのご飯が残っている事。

 いやぁ~っ、ここは自身をいつわる事無く、正直に言う。


 僕は、この後の『お礼』が楽しみなんだあーーーっ。

 まあー、まず、ご飯だ、体力勝負だからねっ。

 「色々と、いたーだきますっ。」

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