第4話視点A
あの日決断した日から私の心はさざ波のように揺れてます。
殺人。
このふた文字を考えた時言いようのない、底知れぬ気味の悪さが心の底から這い上がってくるのです。
それは私の心が弱いからなのでしょうか?
あなたの前からキチガイ女を消そうと決めたその時から、私の腹は決まってました。
実践も兼ねてホームセンターで買ってきた出刃包丁を逆手で握ると、あの女に見立てたそっくりな人形に向かい包丁を力強くひとつきいたしました。
それなのに・・・めい一杯人形に向かい刺したはずが、驚くほど刃が人形に入らなかったのです。
これは私の心が弱いからでしょうか?
でもこれは何も私の心が弱いだけではないと思うのです。
人形を刺して思ったのですが、包丁の刃はあまり鋭くはないのです。これは人を刺し殺すには全く不向きだと感じさせられます。
家畜を殺す専用のトンカチやミノが人間ようにあれば、苦労せずに殺せるのに・・・。無い物ねだりをしても致し方ないと思いますが、考えずにはいられません。
いけませんね。私が直ぐにでも行動を起こせばあなたとの幸せが手に入ると言うのに。
こんな思いを抱くのは私の心が弱いからでしょうか?
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