総括:明日の黒板 の意味

度々上がっていたので、語ろうと思います。



これは私が高校生の頃。とある事情で、卒業したあと、校舎に訪れることになったときのことです。


校舎の中はもぬけの殻でした。先生も春休みで、そのシーズンとなると、部活動もやってない。学校に関わる多くの人が休みで、誰も校舎に近づかない。そんな状態だったのです。


廊下はまだ床がひんやりとしていて、靴下で歩くには辛い。でも確実に春を含んだ日光が窓から差し込んでいて、教室は温かい。


そんな、お昼時でした。



教室の黒板は、あの卒業式の日から、変わっていませんでいた。


あれから何日たったのか。三週間くらい経っていたんだと思います。それでも、黒板はその時のままだった。卒業の時、クラスで団結して仕上げた寄せ書きのようなそれは、校舎から彼らが卒業をしていったその後も、こうしてその想いを移したままでいる。もう聞こえない彼らのざわめきを、そこに繋ぎ止めているかのように。


とかくセンチメンタルなことを言いましたが、そんな風に感じたのです。


生徒達がいろいろな出来事を味わって、卒業していく。

だけどその次の日も、またその次の日も。

黒板はその日の想いを描いたまま、教室で次の生徒達が来るのを待っている。



だから、「明日の黒板」。


簡単なイメージとしてはそうですね。夏男君が最後に黒板のメッセージを見て、飛行機を見上げます。彼の中では一つの恋物語が終わり(もちろん作者様によっては終わってない)、その教室から去っていきます。

けれど、夏男が黒板を通じて経験したその内容は、その明日も、ずっと黒板と共に残り続けています。夏男のその後の未来を、見守ってくれているのです。



とはいえ、今回は面白い作品を書くとかアイディアの募集が中心となりますから、ここらへんのニュアンスは人によって違くてもよいと思っています。


なぜ明日なのか、や、いろいろな考察をして下さっている方がいらっしゃったので、こんなイメージだったのかぁ、と感じて頂ければ幸いです。

(だったら違う作品名とかあっただろうとかいろいろご意見はあると思うのですが、そこはご愛嬌願います)

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