19.女子の力、大作戦!

 「「「「「「…………」」」」」」


 シノ、マナ、リーン、コトネ、アズサ、キョーコは静かに考えている。

 それは決して。


 「カンカンだったよ、看護婦さんが……」


 とサンタモニカから注意されたからではない、絶対ない。

 だが、そんな6人の知恵でもなかなか話が進まない、そんな時の事だった。


 「すいません、少し席を外させてもらうっス」


 アズサが緊張感に耐えかねてか、座っていた丸椅子から立ち上がり、部屋の外に出ようとする。


 「ん? アズサ、何か紙が落ちたわよ?」


 すると立ち上がった拍子で、ポケットから一枚の紙切れが落ちる。

 それは以前シノが、アズサの卒業論文を手伝う計画を立てたリーンを手伝った時に書いたもの。

 それをリーンは拾い、他の4人も興味深そうにその内容を眺める。


 「あの、これって使えそうではありませんか?」


 シノがある部分を指を指しながらそう口にする。

 それは『ブラックスライムについて』と書かれた所。

 そこを指さしながらシノは自分の考えを述べる。


 「ここに『傷口から侵入し、毒の体で身体を破壊する』と書かれていますよね? つまりこれを逆手にとって、薬草で覆われた身体で、体を治療する事が出来るのではないか?と思いまして……」

 「待ちなさいよ! 薬草がこちらの世界にあるとは限らないじゃない!」


 だが、リーンはそれに対しシノの意見に待ったをかける。

 しかし、シノは先ほどリーンに立ち直らせてもらったお返しとばかりに、言葉を返す。


 「おや、アナタはマナに言われたのでしょう? 『いつもはバカみたいに一生懸命してる癖に、何で諦めているの!?』って。 可能性が0でないのにもうあきらめるのですか?」

 「そんな訳ないじゃない! ええ、そうよ、諦めるのは性に合わないわ! やってやろうじゃない! 皆はどう思う!?」


 そして、リーンのその叫びに5人は静かに頷いた、それは彼女たちがその提案に乗ったという無言の合図とでもいうべきもの。

 そして……。


 「なら私が治療するわ、薬草が見つかれば、それを食べて、ローグさんを治療できる体に変化してやるんだから!」

 「ならば、私はキャンプ用に買って持ってこれなかった分の本の中に、植物に関するものがある、それを持って来よう。 それでリーンの世界にもある植物が無いか調べようじゃないか!」

 「なら、コトネちゃんの足はオイラがやるっス。 と言っても車は、外で仮眠しているローグさんから借りるっスけどね!」

 「じゃあ、金の事なら私に任せなさい。 私の社長力で、軽く用意してあげるんだから! それと、医学の知識があるものが立ち会った方がいいわね、病院の医師を一人、手配しておくわ!」

 「……私……応援する!」


 そしてリーン、アズサ、コトネ、キョーコの四人は素早く病室を後にした。

 それは皆、ローグを助けると言う一つの意志で……。

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