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「…………」
「……ねぇ、シノ。 何か手を思いつい……ぎゃあぁぁぁぁぁ!」
「少し黙ってください、アホなリーダーのリーン様、逆してアリーン?様」
「何よ、いきなりスタンガンはないんじゃないの! と言うかそのあだ名、一体何よ、何で疑問形なのよ!?」
「だってあなた、思ったようにいかなかったら、アリーン?って間抜けな顔で言いそうじゃないですか?」
「何よ! 失礼な事ばかり言っちゃって!」
先ほどまで暗かった病室は、輝くような雰囲気の明るさを取り戻し。
「ずるいっスよ、ローグさんを助けるのにオイラを仲間外れにするってのは無しっスよ。 どうせ先輩の命令に拒否はできないんスから。 大人しく手伝うっスよ!」
「私は兄の生活態度を改めさせなる第一歩として、体を治させなければいけなかったから、当然協力させてもらうぞ。 だ、だが決して兄の為ではないぞ、決して! 決してだ!」
「可愛い子たちが頑張っているのに、先生である私が立ち上がらない訳にはいかないわね! まぁせっかくだし、女の力ってものを世の男たちに思い知らせるのも悪くはないでしょ?」
その明るさにつられて、仲間たちもやって来る。
礼儀正しい姿勢で、にっこり微笑むアズサ。
腕を組み、堅物感が漂うコトネ。
両手を腰に当て足を軽く開き、不敵な笑みを浮かべるキョーコ。
そして。
「私も仲間! 私も仲間!」
小さな腕を高く上げ、手伝う気満々のマナの姿。
そんな女性陣は円を囲む様に集まると、手を中央に集め、リーンの掛け声とともに声を上げる。
「ローグさんを助けるために、私たちの力、見せつけるぞ~!」
「「「「おー」」」」
その声は病院中に響き渡るほどのもの。
そんな部屋の外では。
「すいませんねホント……。 ちょっと色々気合入りすぎちゃってるみたいで、ええホント……」
サンタモニカが怖い顔をした看護婦さんに対し、頭を掻きながらぺこぺこ下げているのであった。
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