14・コテージへ!

 八月中旬、ここのところ小雨がよく降るせいかジメジメした熱さに覆われた午後1時。

 キョーコの暗躍により、導かれし6人は、一人を除いていつもの格好をして、駅前に集まった。


 最初は他人をからかう余裕を見せていた癖に、最近はただのシャイな部分を持つツッコミ役と化しているローグ。

 口が悪いと言われていたのに、実はローグの事が大好きだったシノ。

 最初はダメ属性かと思いきや、実は真面目で努力家属性も兼ね備えていたリーン。

 パシリ属性は永遠に、アズサ。

 堅物クソ真面目を地で行くが、やっぱり料理で火曜サスペンス劇場を起こせる双璧、コトネ。

 何で真面目だとは料理が下手なのだろうと疑問を持つ、食いしん坊マナ。

 さて、そんな集合した7人の会話は。


 「あの……さいきんキョーコさんに電話番号教えたのは誰っスか……、すっごい怖いっスけど……」

 「と言うか、先生がいないのですけど、どうしたのです?」

 「おっさんが、なんか風邪ひいたかなんかで休むそうだ!って電話して来たぞ?」

 「妹ちゃん、そのバックは何?」

 「ふふ、リーン、良いところに目が言ったな。 今回、キャンプという事で、色々資料となる本などを持ってきた! まず《山の幸入門》に《焚火のコツ》といった基本的な事から《ド派手に料理しようぜ! サンサイズ13》や《おいでませ山男、正解した良い子には山男が山料理のコツを教えてくれるのです!》といった応用的なものまでビッシリだ! ただ、もうちょっと大きなバックがあれば、植物の本なども持ってきたのだが……」

 【 (*_*; 】(お腹すいた……)


 と彼ららしいと言えば、彼ららしい会話の始まりだろう。

 そして彼らは一通りの世間話を済ませると。

 ローグが運転し、シノ、マナの乗る車、そしてアズサが運転し、コトネ、リーンが乗る車の二台で目的の場所に向かうのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る