結局マナが喜んだため、早速工場とやらに行くことになった7人。

 そんな7人を、用意周到に用意された8人乗りの黒のバンが店の前に止まって出迎える。

 そして、それを用意した7人のうちの一人は。


 「良いバンだと思わない? 磨き上げられて光るボディ、そして内装は固すぎず柔すぎずを追求した最高の座席、そして何より……君のTバックと同じ黒い色をしびびびびびれる……」


 大げさに右手を動かし(余計な一言を加え)車の紹介をした、当然結果は右脇腹へのスタンガン。

 そんな姿に苦笑いするローグだが、ふと考えれば一体こんなバンをどこから調達したのか?

 それが気になったローグは。


 「このバン、どうしたんだおっさん?」


 とバンを指さしつつ質問する。

 その質問に対し、サンタモニカは胸を張り。


 「張り込み用の車両を勝手に借りてきた!」

 「…………」


 と親指を立てて、イイネとでも言いたげなポーズをとる、電気を脇腹から受けながら。

 そんなサンタモニカにローグは二重に呆れて、自然とため息を零し。


 「もういい、俺が運転するぞ……」


 サンタモニカをチラッと見た後、車の運転席にサッと乗り込む、そして他の5人もサンタモニカをゴミを見るような目でチラッと見ると後ろの後部座席に乗り込んでいった。

 ローグが運転席に乗った理由は簡単だ、スタンガンを受けた男の運転する車になんて乗りたくないのだから。

 それも、スタンガンで痺れているせいなのかブルブル震える右手を見ると、より運転させたくなくなる。

 そんな思いを知ってか知らずか。


 「あれ? 俺運転しなくて良いの?」


 助手席に乗りながら、サンタモニカは軽口にするが、ローグは当然それを拒否する。


 「おっさん。 スタンガンで痺れている体で運転させられるか! 俺たちはまだ死にたくないんだぞ」

 「俺が? ローグ君心配しすぎよ、俺が痺れている訳ないじゃない~」

 「……右手が震えてるぞ」

 「右手? あぁこれ痺れてるわけじゃないよ、ちょっと自律神経ヤッちゃってるだけ」

 「もっと運転させられるか! とりあえず、おっさんは案内してくれよ」

 「へいへい~、ならば股間センサーを使って美女のいる方向を……」

 「真面目にやってくれ……」


 そしてバンは静かに走り出し、工場へと向かうのであった。

 

 

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