6.不良刑事
1
「ところで、シノちゃんの気持ちに答えないのかい?」
サンタモニカからのこの一言を不意に受けたローグは何も言葉が出なかった。
そんな様子をしばらく眺めていたサンタモニカは続けて。
「おっさんに話してみなよ、楽になるかもよ?」
二ヤリと微笑みながら、普段の態度からは信じられない言葉を口にした。
だが。
「人の家を覗く不良刑事には言いたくないんだが?」
「それは
「市民を見守るボランティアって、女の下着をのぞく事や
「あれは見守る役得みたいなものだからさ……」
「おまわりさーん、ノゾキです」
「あのねぇ、そんな堅物だと人生大変だよ? 堅物だと俺みたいなナイスガイになれないゾ」
「おっさんみたいに、ユルユルなノゾキ野郎はダサいだろ?」
「俺は良いの、そのおかげで
「ホント、離婚すればいいのに……」
結局日ごろの態度が物を言う。
幸福な時間が終われと口にしながら苦々しい顔でローグは右を向く。
そして、そう右を向きながらも。
「と言うか、おっさん何となく分かってるだろ?」
そう問いかける、そして。
「そりゃあね」
サンタモニカは淡々とそう口にする。
こんな独特の二人、意外な事だが付き合いはシノより長かったりする。
そう、それは10年以上前から……。
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