4.とあるカリスマの華麗なる一日

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 ここは、とある二階建てアパートの一室。


 《もしも~血を流しても、貴方~の様に~、痛みなんて感じな~い~》

 「ん? 誰から……っスか……」

 「お寝坊さんですね~アズサ。 お店で待ってますよ~」


 パシリのカリスマの一日は早い。

 まだ日が昇る前の早朝、彼女の先輩であるシノからの電話で目が覚めたアズサは、寝ぼけながらも布団から上半身を起こし電話に出た。

 そしてカリスマは、ふとスマートフォンを耳から離し、寝ぼけながら時間を確認する。


 「って今まだ朝の4半っスよ! 何で今からなんスか! と言うか、一体何をやらせる気なんスか!」

 「え~、優しい優しい先輩の仕込みを手伝ってくれないものかと~」

 「こんな時間にいきなりお願いする先輩に優しさなんてあるんスかね……」


 一見、アズサがまともな事を言っている様に見えるだろう。

 だがしかし、落ち着いて考えてほしい。


 《これは、パシリのカリスマ故に仕方のない事態なのではないか?》


 と。

 例えばカリスマ性溢れる相手がいたとしよう。

 カリスマと言う光を放つ故に、一般人である我々が引き寄せられるのは普通ではないだろうか?


 また、例えばパシリオーラを纏ったパシリがいたとしよう。

 パシりたくなるのは当然ではないだろうか?


 更に例えば、色々とパリられてたお陰で、殆どの事をプロ並みに出来る後輩(パシリ)がいたとしよう。

 すると、もっと出来るパシリになって欲しいと願うのが先輩の優しさではないだろうか?


 つまり……。


 「えぇ~、それは私の愛ゆえに~」


 シノの言う通りである。

 それに答えるように彼女は。


 「じゃあその愛を持って寝かせてほしいっス……」


 と眠そうな顔と声で冗談を言うが。


 「窓をご覧ください……」

 「……すぐ店に向かいますから、スタンガンをこれ見よがしに見せつけるのは止めて欲しいっス」


 窓の外に見える素敵な笑顔の素敵な女性スタンガンを持ったドSな魔女の姿が目に入った瞬間、急いで支度し、店に向かうのであった。

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