「それでどうする? この子はどうする?」


 さて、リーンのリーダー素質の事は永遠に置いておいて、今は誰がこの子の世話をするのか?

 その疑問をローグは投げかける。

 だがこの言葉は、2人の女性達の短期間の争いを生み出す。


 「仕方がないですね~、私が引き取ります!」

 【 (*´ω`*) 】(わーい)

 「いいえ、この子はうちの子よ! シノの傍にいたら、毒舌によって真っ黒なスライムになっちゃうもの、なので私が連れ帰ります!」

 【 (*´Д`) 】(いやです)

 「リーダー素質に欠けるアナタに比べたら、何倍もマシですよ~」

 【 ('ω')ノ 】(同意見~)

 「何よ! スライムが何を食べるのか知っているの!? スライムの料理が作れるの!?」

 【 (-_-;) 】(ゴミは料理、違う)

 「ピザを食べていたから大丈夫でしょう~」

 【 (*´ω`*) 】(ピザ大好き~)

 「と、とにかく貴方に預けるより、私の所にいた方がマシよ、口の悪い人間にスライムの世話が出来るものですか!」

 【 ( 一一) 】(いやです)

 「商店街を歩く人に見境なく売りつけているアナタに、人がどうのと言えるのですか?」

 【 (; ・`д・´) 】(そ、そういえば……)

 「そ、そういえば……」


 そして「言われてみれば」と言いたげな表情を浮かべたリーンの一言によって、その戦いは終焉を迎えた。

 戦いは無常である。


 …………。


 「そういえば、この子の名前はどうするんだ?」


 さて、リーンよりシノが世話をしたほうが良いという雰囲気が永久的になりつつあった店内で、名前をどうするか?というローグの疑問。

 だが、この言葉は2人の女性達の(以下略)


 「名前何にしましょう~? マナなんてどうでしょう?」

 【 (*´ω`*) 】(マナ、良い!)

 「何を言ってるの! アルシティアが良いに決まってるわよ!」

 【 (*´Д`) 】(嫌です)

 「おやおや、リーンはリーダーとしての能力だけでなく、ネーミングセンスも無いのですね~」

 【 ('ω')ノ 】(同意見~)

 「でも、アタシは……」


 また、グダグダと闘いが繰り広げられる中、皿洗いが終わったアズサはローグの元にやってきてとある疑問をぶつける。


 「あの、ローグさん。 何であの子を引き取ろうとしないのですか?」

 「だって、あの子の服を買い行くとき、何か恥ずかしいだろう? 特に下着とか……」

 (意外とローグさん、初心なんだなぁ……)


 目を背け、頬を赤く染めて恥ずかしそうに言うローグを見てアズサは静かにそう思った。


 さて、そんな二人をよそに、名前はマナに決まった。

 四つん這いになり、悔しそうな表情のリーン。

 ふふふと微笑みながらリーンを見下ろすシノ、そして。


 「こ、これは……。 シノちゃんの下で英才教育をすれば、素晴らしい逸材に育つかもしれないな……」


 何故かワクワクしているサンタモニカ反面教師の逸材の姿が天井裏にあった。


 

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