「とりあえず。 リーン、お前この子の事、知らないのか? お前の知り合いのようだが……」

 「知らないわよ、私。 こんな人型になれる子(スライム)なんて、見たことないもん。 知ってたら言うもん!」

 【 (*_*) 】【 (ノД`)・゜・。 】

 「お、おい! 泣いているぞ! お前本当に知らないのか!?」

 「ほ、ホントだもん! 知らないもん! だから泣かないでよ、お願いよ!」


 カウンターには山の様に積み上げられた皿、その前に「ピーピー」と声を上げて泣く、ちびっ子スライム。

 そして、その横でオロオロする、常連の男とスライムリーダー。

 それは、いったいどうすればいいのか?分からない様子。


 (はぁ、全く仕方ないですね。 多分ですが、この子は……)


 そんな頼りない二人を皿を洗いながら見ていたシノは。


 「アズサ、ちょっと皿洗いお願いしますね~」

 「わ、分かったっス!」


 そう言って一緒に皿を洗っていたアズサに後の事を任せると、少女の為に声を上げる。


 「多分ですが、リーンのところからいなくなったスライムですよね~、アナタは」

 【 (ノД`)・゜・。 】【 (*´ω`*) 】

 「おおっと、そんなに嬉しかったですか? 自分の事を分かってくれて」

 【 ('ω') 】


 どうやらシノの言ったことは、当たっていたようだ。

 先ほどまで泣いていたちびっ子スライムは、うれしそうな笑顔を浮かべてピョンとシノに飛びつき、顔をスリスリと腹部に押し付ける。

 そして、二度目のシノの言葉を聞くと、顔をシノのお腹に埋めながらも上下にコクリコクリと何度も動かす。

 さて、そんなちびっ子の正体が自身の元から逃げたスライムと分かったリーンの反応は。


 「ソ、ソンナコト、ワタシ、シッテタワー」

 「なら目を反らすなよ、お前……」

 「メ、ソラシテナイヨ~……」

 「そう言ってる今も反らしているぞ……」


 (自称)スライムのリーダーとして、それはどうなのだろうか?そう思わざる態度だった。

 冷や汗を流し、棒読み、そして目を反らす、下手な嘘つきの三種の神器が見事に揃っている。

 それは当然【 (一一") 】という少女の冷たく疑う表情を作り出してしまうのであった。

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