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後に彼女の攻撃に対し、男は知り合いにこう語る。
「ええ、確かに私はあの時、マンホールに体重をかけられ、あのまま下水道へ落ちるかと思いました。 ですが、私は感じたのです。 ここで頑張ったら、そうもしかしたら、
(イタリア風に呼ばれる日本人男、38歳)
…………
「さ、流石に首がいたい……」
「ゴキブリ並みの生命力はありますよ~、サンタモニカは?」
「ご、ゴキブリって、ひ、酷いじゃない、シノちゃんさ~」
そして現在に至る。
サンタモニカは、変態的な力で、彼女の一時間にわたる攻撃を耐えきり、落下は免れた。
だが、その力には代償があった。
おかげで攻撃に耐え、マンホールからやっと出てこれたサンタモニカは、四つん這いした姿で汗をダラダラ、吐息をゼイゼイと吐き、体力の限界が見て取れる。
それをシノは、腕を組みニコニコしながらも不愉快そうな雰囲気を醸し出す。
そして、その様子を呆れた顔で眺めるローグは。
(いや、下水道から飛び出した時点で半分ゴキブリみたいなモンではないだろうか?)
と冷静に無言でツッコミを入れた。
更にその隣には。
(なんか商店街の人たちと交流してたら、シノはやっぱり怖いしモニさんが死にかけているし、何? 何なの!?)
両手に貰い物が入った紙袋を持ったリーンが、目を丸くして首を左右に間隔を置いて動かす。
その顔その仕草は、リーンが全く理解していないと感じさせるには十分な説得力があるだろう。
それに気づいた隣の金髪男は。
「はぁ……、なぁリーン。 お前、この状況が分かってないのだろう?」
とため息をつくとともに心配そうな声で、説明したほうがいいだろうか?という《優しさ70パーセント》と、根が真面目で素直な性格だから事件に巻き込まれないか心配だな……という《不安30パーセント》という気持ちを含ませ、リーンへの言葉にした。
そして、ローグから根が真面目で素直と評されたリーンは。
「うん、分かってない!」
変わらず目を丸くしたまま胸を張り、そんな《素直100パーセント》の答えを口にした。
そして、そんな彼女に《親切心100パーセント》でローグは状況説明を始めた。
…………。
その光景を見た後、男は後にこう語る。
「ええ、実に萌えてしまいました。 そのスライムの様に透き通った
(マンホールから飛び出して、黒焦げになった者、38歳)
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