異世界が人気な理由

生存し続けたいから強者に擦り寄る。


現代社会での強者は金持ちや権力者になるのだろう。


その証拠に、女性が結婚相手に望む条件として年収400万以上が7割を占めるそうだ。


https://president.jp/articles/-/20926


現在の労働総人口は6720万人を超えている。 性別も雇用形態も国籍も問わないでだ。


https://www.mhlw.go.jp/english/wp/wp-hw3/dl/j1_05.pdf



しかし、よくよく考えて貰いたい。 現在は実感が伴わない好景気に湧いているが、就労人口の4割が派遣社員をはじめ非正規雇用だ。 残りの正規社員で、結婚適齢期の男女で年収400万を超える人材がどれだけ残っているのだろうか? 有期雇用の人材で年収400万以上の人間はどれだけいるのであろうか?


https://www.nippon.com/ja/features/h00175/


おそらくごく僅かだ。 さらに国内の労働人口を担保するために、海外の労働力依存は中毒的に加速するだろう。 比例して外国人と結婚する日本人も増え、日本語と英語が共通語になり、我々創作者は外人も含めてウケるネタを考えねばなるまい。 そういった意味合いでは動画がよろしい。 言葉がわからなくても、ボディランゲージで理解できるからね。 将来の文筆家は海外でも流行る作品を生むことが最低条件になるかもしれないな。


人間は生き残りたい生物なのである。 現在の日本が危機的状況だと、誰しもが肌感覚で理解していると思う。 それは昨年の人気を分析すると見えてくる。 前述で動画に触れたが、テレビではナスD、YOUTUBEではディスカバリーチャンネルのエドやベアのサバイバルをテーマにした作品が台頭していた。 極端な例だが、危機的状況で生き残りたいという生存願望、誰の手にも届かぬ場所に行きたいと訴える果たされざる願望が人気という名の妖怪になったのではないだろうか? 私にはそんな気がするのである。


我々は生存と絶滅の選択肢を選ぶ局面にいる。 これからは国籍も言語も民族性も溶け合って違う大きな基準へと変わっていく。 エヴァの人類補完計画のように、国や日本人の個性が失なわれる時代になるのだ。 嘆かわしいが、誰にも止められないことだ。


おっと、話が逸れた。 私の悪い癖だ。 話を「生存したいから強者に擦り寄る」に戻そう。


人間は庇護を求める生き物だ。 無論私もそうだが、安全な傘の下で意を示したいのだ。 では、強者が弱者を庇護する条件は何か? 自らが強者であろうとすれば、保護する弱者は自らに利する者を選ぶだろう。 その通り! 強者は組み込む弱者を選別したいのだ。 弱者の時間を奪い、搾取することでキャッシュや利益に変えるのだ。


マザーテレサ的な存在でも、書籍や講演会で報酬を得ている。 現在ならYOUTUBEに広告張っているかもしれない。 そして、我々弱者が心の清い人の話に感銘を受けるために、時間という大事な資産を提供してしまうのだ。 こうしたことを批判するのが社会主義国だが、民主主義と違うのは、国家が選択肢を狭めることで国民の時間を国家が管理するという考え方だ。 民主主義が金を主体に考えるのと違い、社会主義国は国家を主体に考える違いだ。 悲しいかな我々はいずれかの枠組みでしか生きられない。


だからこそ、なろうやカクヨムで異世界が人気なのだろう。 だからこそ、サバイバル動画が人気なのだ。 非日常に夢想し、現実から逃れたい切望なのだろう。 実生活で夢を持てるならばヒューマンドラマが人気になるし、逆ならばSFや突飛な設定なものがウケる。人気は世相という意識体が形を成した妖怪だ。 その妖怪は世界が向かう方角を決める水先案内人になる。 どこに向かうのかは誰も知らない。 我々は潮流を読み抗えない中での漂い方を自ら決めねばならないのだ。 嫁や旦那が「パートナー」になり、お互いが働き、信頼のもと支えあうのもありだろう。 未婚を貫き、誰よりも働いてビジネスライクな愛人を多く持つのもありかもしれない。 


所詮、人生なんて死ぬまでの余暇みたいなもんだ。 自分の時間は自分のために使う、私はそういう考えだ。 自らが自らをクリエイトしていると思って死ねたら幸せだと提唱したいのである。 


そして今、私は戦慄していることが一つあるとお伝えしたい。 それは「生存し続けたいから強者に擦り寄る」から、「金を持っている女性経営者に庇護されたい」と転じ「力ある女よ、私を選べ。 私は誰から見ても典型的な弱者であるぞ! アクセサリー感覚で保護し、自らの権威を誇示するが如く養うが良い!」と結ぶはずだったのが、蓋を開けたら大幅に変わったことである。 意外なほど真面目に書けてしまってビックリしたが恐れずに発表してみよう。 いやはや、創作というのは作者本人でもどうなるか分からない。 だからこそ文章は面白いのだ。

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