コンペの要項を読んだら泣けた。


 カクヨムと魔法のiらんどがコンペを行うというバナーを見たのでクリックしてみた。大賞を取ったら作家デビューさせるらしい。



 ほほう、悪くないではないか。と思いながら、要項を読み進めていくと、「ジャンルは問わないから泣かしてください」「主人公はオタクだオタク。オタクもってこい」「ミステリーだけど、学園モノなんだからね!」とあった。



 ふむふむ。俺の作品でエントリーできるものは……うん、ないね。今から書かなきゃならないってことか。



 挑めそうなジャンルと言えば「泣ける」。ふと思い浮かんだのは、チャゲと石川優子の「ふたりの愛ランド」。チャゲアスのchageがサングラスを外してヒゲをそり、アイドル?と組んで「あいあいあい愛ランド~」と歌っているのを思い出した。



 日本を代表するデュオのひとりで、サングラスに髭面といった強面のchageがだ。つぶらな瞳をぶら下げて、あのハイトーンで「あいあいあい愛ランド~。ふーたーりー夏しましたぁ!」と、黒を撒き散らしているのだ。



 チャゲアスでデビューしてたのに……よっぽど生活に困っていたんだろうな。ヤーヤーヤーとかSAY YESで売れなかったら、chageも大変な目にあってたのかなぁ。中国スターのアンディ・ラウが、多額の借金を払うために便器のCMをやってたみたいなもんかな。


 もしそうなら理解できる。ジャンルは違うが、同じ表現者としてchageの苦悩が分かる。分かるよchage。



 俺も日の目を浴びずに、物書きでメシを食い続けようと思ったら、テープ起こしとかテレビの書き起こしとかをし続けるしかないのだから。運が良ければ有名人の自伝とかをゴーストで書いて、立石あたりの立ち飲み屋で「あの本は俺が書いたんだ!」って、若者から冷酒をねだっている未来が見える。



 chageはアイランドに挑み打ち勝った。俺はアイランドを諦めて勝負を降りた。アイランドの壁の高さとchageの苦悩を思うと涙するばかりだ。



 とりあえず書くか。現場からは以上です。

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