第4話給料日七日後の第七兵舎での結末

「ふっふっふっ」


ついに化け物が現れ


3回殺された。


首ちょんぱ2回からの死なないように20回ぐらい刺された。


妄想です。


「26回ですよ、30を目指したんですが。出血が多すぎてそこまででした」


妄想です。


「まったく、しかも2発も躱すなんて。相変わらず可愛げがありませんね」


妄想なんです。


「そろそろ、あなたのアイドル、アンさんを放置するを止めてくれませんか?」


残念ながら現実でした。




「ふっふっふっ」


「そこからかよ、このドSメイドがっ!」


振り出しに戻った。


「ご褒美タイムです!」


今度は首がつながったまま、後ろからハグされた。そして、凶悪な武器を突きつけられた。動けない。


「ご、ご用件はなんでしょうか?」


男なら大喜びのシュチュエーションだろうが、本質を知れば残念な世界もあるのだ。


「ご褒美タイムです。私のための」


ほらな。


「それにしても、想像以上のチョロインでしたね。リィウェル様は」


チョロインってなんだよ? というより、お前の差し金だろうが。


「ご存じない? 最近、新たに解読された黒の古文書の一説にあるんですよ。まぁ、詳しくはリィウェル様の名誉のために黙っておきましょう」


黒の古文書とは、旧王国時代の遺物であり、王国語とは違う言語で書かれた書である。近年解読が進み、様々な知識を王国にもたらしている。


「それにしても、差し金とはあんまりではありませんか? 私は本当ことをリィウェル様にお教えしただけですよ。仕事以外じゃほぼ外出しない引きこもり貴族が珍しく外出する時につけるルージュは誰かさんのプレゼントだとか」


さらにぎゅっと強く抱き締められ、ハァハァと熱い吐息が耳にかかる。


「しかし、リィウェル様も次はどっちにやきもちを焼くんでしょうね」


もう帰らせてください。無理だろうけど。


「無理ですねぇ。仕事ですから」


「いい加減、心を読むのをやめろっ」


最悪だ。リィウェルはおまけで、こっちが本命だったのか。でも、こいつが仕事として出張ってくるなんて何事だ? 完全に、お嬢様の付き添いで遊んでいるだけと思って油断していた。


「ここはひとつ、穏便に」


「ええ、確実に仕留めさせてもらいます」


そして、俺の意識は途切れた。

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