第5話 模擬通学(電車編)

======天野駅======


バスを降りて、

「ここが最寄り駅…なんもない。」


……と思った、だけにしようとしたけど、声に出てた。


「…やろ。なんもないんよ。」


「…コンビニもないんや、、」


「この辺で買えるのは自販機の飲み物くらいやな」


時刻表に目をやった。


「えっと、電車は…6:03発…か…。

次は、……7:58!?」


「そーやよ。6:03発の電車に乗れんかったら、1限は完全に遅刻や。」


うっわぁぁ、これから先が思いやられる…

ちゃんと起きようと心に誓った。


切符を買って電車を待った。


『まもなく、2番線に6:03発普通金原行が到着します。黄色い線の内側でお待ち下さい』


======電車内======

二両編成の前の車両に乗った。横座りだ。

車内には僕ら以外に人がいない。


「何分くらいで金原駅に着く?」


「んーー、1時間くらいかな。」


「へぇー………え"?!」


つまり1時間も暇なわけで、

1時間も彼女と一緒なわけだ。


そんなことを考えていたら、彼女はまた本を読み始めた。


…あ、本持ってこればいいのか。暇潰しになるし。高校生の頃は部活ばっかで全然本読んでなかったしなぁ。あと、勉強道具とかもいいかも。テスト前に二人で勉強しながら登校とか!?…いい予感がしてきたぞぉ~笑



「…け…くん、…きて…!

こー…く…!つい……!」


なんか聞こえる…。


「…んが!?」


「着いたよ!降りんと」


「え?!もしかして寝てた?」


「うん。はよ降りよ」


======金原駅======

おおおお!!駅って感じじゃん!!

コンビニあるしちょっとした飲食店もある!

都会の駅には到底劣るけど、天野駅に比べたら…良い!


「なにそんなに興奮しとんの。乗り換えだからはよ行くよ。」


「あ、うん」


僕らは改札を出て、違う路線のホームへ向かった。ここからまた40分ほど電車に乗るのだ。切符を買い、列に並んだ。


現在7:05。電車は7:16発。


この駅はそれなりに栄えていて、この時間でも人は結構いる。


電車が到着し、席に座った。


「これからこの時間で生活するの大丈夫そう?早起きとか。」


「あぁ、多分ね笑。だらだら生活するより健康的だし。」


「大学の時間割がどうなっとるか知らけど、理系だしきっと1限なんて毎日あるんやろうね」


「まあ、しょうがないか!自分からこの道選んだんだし。


あ、そういえば、聞きたかったんだけど、なんで機械工なんかに入ろうと思ったの?」


「うーん、女子が苦手だから、かな」


「え、そんな理由だけでよく入ろうと思ったね。そのために理系に進んだの?」


「まぁ、そうかもしれんね。実際、数学とか理科は好きだし。」


意外だ。と思った。

女子苦手なんだ。とも。


『次は、笠中、笠中です。お出口は右側です。ドアから手を離してお待ち下さい。』


======笠中駅======

ここは大学の最寄り駅。ここら大学まで直行のバスが出ている。大体15分くらい。


「やっと最寄りに着いた!バス停はどこ?」


「あっち。」


バス停に向かった。さすが大学のスクールバス。便の数が多い。


一瞬都会に戻った気分だ。


10分ほど待っていたらバスが着た。

210円の後払い。


休日にも関わらず何人が大学生が乗っていた。研究室とかかな?

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