4.龍成の実力

 準決勝、第2試合の前、休憩の時間。


「アホ妖狐!俺の妹に本気出してどうする!」


「いや、ごめん。つい、熱くなっちゃって……。」


「……。ハァ、妖狐。もし決勝で当たったら、覚えておけよ!」


「分かってる。その時は恨みっこなしだからね、龍成。」


「漓流、一応妖狐を叱っておいたからな。」


「お兄ちゃん、私そう言ったの気にしない性格だし、カードゲームぐらいで、泣いたりしない年齢だよ?」


「……。そうか、漓流。」


(でも、心配してくれて「ありがとう」、お兄ちゃん。)


「あと10分で準決勝第2試合を始めます。

 繰り返します……。」


「げっ、あと10分で始めるのかよ。悪い、

 漓流。俺、自分のデッキ調整しないといけないから、また後でな。」


「……分かった、お兄ちゃん。」


 あっという間に10分は経過し、試合本番。


「よう、爆。お前と戦うのは初めてか?」


「そうだな、龍成。お前と戦うのは初めて

 だな。」


「さて、準備はいい、二人共?」


「いつでも、導狐さん。」


「準備完了ですよ。オーナー。」


『アー、ユー、レディ?バトル』


        『ゴー』


「俺のターン、ドローはない、手札のカードを1枚コストに置き、1コストでプレイ、

『竜調者ーミサキ』をポゼッション! 能力を

 発動デッキから1コストのドラゴンモンスター戦場に出す。『骸冥龍ミデス』。そして、いくぞ!1コスト『ミデス』に、1『ミサキ』をアクセル。ゴー!アクセルポゼッション!来い!

 2コスト『骸冥龍デッド』。そして能力発動。墓地からモンスターを復活させる。再び来い、『ミサキ』。そして『ミサキ』の能力。デッキから、『骸冥龍ウィスト』。そして『ウィスト』の能力発動!コストを1つ増やす。2コストの『ウィスト』に、1コスト『ミサキ』を

 アクセル!来い『骸冥龍セクスト』! これでターンエンド。」


「俺のターン、ドロー! 1枚をコストに置き、1コストで、『爆精アイオギス』を召喚!

 そして、行くぞバトル『アイオギス』で、

『デッド』に攻撃!」


「『デッド』の能力発動! 相手ターン中に

 アクセルポゼッションをする。」


「? 何の意味があるんだ。」


「行くぜ!2コストの『デッド』に3コストの『セクスト』をアクセル!

 ギアチェンジ、オーバーアクセル、ソニック

 ブースト!

 来い! レジェンドアクセルモンスター、

『骸冥龍デスプルトン』!

 そしてお前、と言ったな。」


「あぁ、俺のモンスターは破壊されるがそれをトリガーに能力が発動する。相手モンスターを1体破壊する。」


「悪いが、お前のデッキと、俺の『骸冥龍』

 デッキは相性が悪い!」


「……、何故そう言い切れる。龍成。」


「一つ、お前のデッキは破壊をトリガーに

 能力を発動する系統だと言うこと。

 二つ、俺の『骸冥龍』は、相手のデッキを削る系統のデッキだと言うこと。」


「……、ほう。」


「そして、破壊された『デスプルトン』の

 能力発動!このモンスターが破壊された時、

 このカードのコスト×墓地のモンスター分、

 相手のデッキトップを墓地に送る。」


「なっ……。」


「合計は、……『35』枚だ。」


「ウソ……だろ。」


「更に、モンスターが破壊された時、呪文

『デス・コール』をコストなしで発動する。

 破壊されたモンスターを1体復活させる。対象は『デスプルトン』!」


「……ターンエンド。」


「俺のターン、ドロー!俺はコストにカードを置き、バトル『デスプルトン』で、ライフに

 アタック。」


 LP6→5


「そして『デスプルトン』の能力発動!この

 モンスターが破壊した数×2枚デッキトップを墓地に送る。」


「デッキが0……。」


「俺はターンエンド。」


「俺の、ターン……。俺の負けだ。」


 WIN 神鳴 龍成


「さぁ、龍成。次は私とのバトルだよ。」


「あぁ、分かってる。妖狐。」

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