第23話 燃える海

 土地のガイドの話だと、この砂浜から燃える海が見られるという。

 遠く海を見晴るかすと、水平線に漁り火のような炎が点々と浮いているのが見えた。


「なんの火かね?」


「残り火です。このまま見ていればわかります」


 そのまま眺め続ける。日が暮れ、海に日が没する。

 そのとき水平線が眩しく輝いた。火柱が上がり、引火するように炎が水平線を走っていく。


「日はああして没するのです」


 夜になった。

 水平線が送り火のように燃えている。

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