第20話 生首草

 土地のガイドの話だと、この草原に生首草が生えているという。


「たくさん生えているな」


 草原一面に人の生首が生えていた。まさに黒山の人だかりである。ひとつひとつに目鼻のついた生首が、うっすらとした笑みを浮かべながら風になびいている。

 遠くにこの草を刈っている人々がいた。彼らは大きな鎌で次々と草を刈っていく。ガイドが言う。


「草の毛をカツラに使うのですが、たまに本物も混じるそうです」


 私は聞こえないフリをした。

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