第8話 水中花
土地のガイドの話だと、この湖に水中花が咲いたという。
「見事だな」
透明な湖面の下に沈む赤い花がある。それは金箔のように薄い花弁を蓮華の如くに大きく広げた美しい花だった。
「これは死の花なのです」
ガイドが言う。
「湖に生き物がいないでしょう」
この花が全部食べて養分にしてしまったらしい。だから不純物のないこの湖は透明なのだそうだ。
「美しいとは罪なものです」
血のように赤い花を見ながら私はその言葉にうなずいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます