第3話 巨人の家

 土地のガイドの話だと、この近くに巨人の家があるという。


「というか、あちらです」


「おお、でかい」


 探すまでもなく黒い森の茂る山脈の向こうに、その家は建っていた。

 その壁は地平の果てまで続き、見上げる高さは遥か雲を越えている。扉のノブですら高過ぎて霞んで見える。


「それで巨人は?」


「あまりの巨体に頭に血が上らなくなって死にました。あれが遺体です」


 ガイドが手前の山脈を指差す。

 よく見ると山にすね毛が生えていた。

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