魔術公国エメドレアについて
✧ 魔術公国エメドレア[Emedorea]
エメドレア公国、通称エメドレアはフィンデルの北方、旧ベルジュ伯領に位置する君主制国家。首都はメフォラシュ。レリアとオリアの最古の神殿を有することと、優秀な魔術師を多く輩出する名門魔術学校アルムゼルダで有名。
≫ 年表
契歴元年 大精霊の“楔”の出現
1308年 魔術学校アルムゼルダの発足
1341年 ベルジュ伯領、「エメドレア」と改名
1661年 フィンデル王ライナスにより公国領として認可
1892年 ガムラン三国軍事連盟の成立
1893年 第一次イシュリア・マルク戦線
1894年 フィンデル、ネルザス、バレンダンによる軍事同盟の成立
1903年 第二次イシュリア・マルク戦線
1907年 北方戦争勃発
1908年 北方戦争終結
【物語中の出来事】
1884年 ヴェイル誕生
1890年 ヴェイル、“不死の魔女”と出会う
1900年 ヴェイル、生き人形を作る
1904年 ヴェイル、エメドレアへ入国
1905年 フレイセル、衛士隊に入隊・ヴェイルと出会う
1907年 北方戦争勃発・フレイセル出征
ノフィエリカ、ヴェイルに弟子入りする
ミルテ、ヴェイルに引き取られる
≫ 歴史
600年ほど前、空前の考古探求の流行により、片田舎のベルジュ伯領にも学者や探求者が多く流入した。当時この地を治めていたのはベルジュ伯アルムゼルダで、後の世に「賢者」と呼ばれるほどの熱心な考古学者でもあった。彼の声がけで集められた人々の働きによって、ベルジュ伯領はわずか十数年で一級都市を擁する領地として発展していった。
考古探求の流行自体は半世紀ほどで収束したが、ベルジュ伯領周辺の賑わいが絶えることはなかった。同地にはアルムゼルダが出資した魔術学校が創設され、それと同時にベルジュ伯領は「エメドレア」(古代語で「真実の都」の意)と名を改め、中立国として独立した。その後1661年にフィンデル王ライナス7世によって公国領として認可される。
北方戦争においては同盟側にも連盟側にも与することなく事態を静観していたが、連盟と密約を交わしていた隣国イシュリアから侵攻を受け、これに応戦する形で戦禍に巻き込まれることとなる。戦争終結後も傷は癒えず、イシュリアとの国境は閉ざされたまま、断交状態が続いている。
≫ 政治
元首はベルジュ公爵で、ベルジュ家の当主が代々継承することになっている。公王は政治的権限を有するものの、法に支配され、実質的な国家運営はアルムゼルダ魔術学院の代表者である六賢人と各行政区から選出された議員30名による。
≫ 軍事
現在、エメドレアは軍隊を有していない。アルムゼルダ魔術学校の衛士たちがいわゆる警察にあたり、およそ150名でエメドレア全体を警備している。
衛士隊は大半が魔術師であり、魔術兵装を自在に操り一騎当千ともうたわれる戦力を有する。しかし兵装の数は北方戦争を境に年々縮小しており、防衛能力の低下が危惧されている。
≫ 国際関係
西方のフィンデル王国とは古くから国交があり、天然資源と技術貸与の見返りとして多様な物資の融通を受けている。また、北方のイシュリアとも友好関係にあったが、北方戦争で対立し、現在は国交断絶状態にある。南北国境線で睨み合う同盟と連盟に挟まれ苦しい立場にはあるものの、中立状態を貫き続けている。
≫ 行政区分
首都でありアルムゼルダ魔術学校があるメフォラシュを境にして、北部をノルデン、南部をゾルデンと呼び、それぞれに8つの基礎自治体が存在する。選挙時にはノルデンとゾルデンで分けて議員を選出する。
≫ 地理・気候
東西10km、南北20kmの非常に狭い、山がちの国土を有する。最大標高は、ゾルデンにあり国境線ともなっているイェリド山(2431m)。内陸国であり、西はメイ川を挟んでフィンデルと、北はイシュリア、東はネルザス、南はバレンダンと接している。
気候はやや肌寒いものの一年を通して一定の温度を保ち、季節の変化が大きくない。降水量、積雪量、日光照射量いずれも並みであり、イェリド山からのふきおろしがあるものの風は暖かく、とても過ごしやすい。このため静養地として選ばれることが多く、自然も多く保養されている。
≫ 経済
産業は魔術道具やそれに関する技術が8割を占める。内訳は精密機械や医療、建築であり、魔術工芸品などもよく知られている。また、全国的に霊晶石が出土する地域でもあり、天然資源の宝庫でもある。これらをフィンデルやバレンダンへ輸出し、生活必需品や食糧などを両国から輸入している。自給率はさほど高くなく、土壌の改良などが続けられている。
≫ 交通
国内の公共の移動手段は路面鉄道が中心で、いたるところに駅が存在する。メフォラシュ周辺では学生たちが走って飛び乗る姿が散見され、一種の風物詩となっている。
ノルデンにはフィンデルからメフォラシュを経由しネルザスへ抜けるドロール鉄道が走っており、国外から鉄道でエメドレアを訪れるための唯一の経路となっている。
≫ 国民
エメドレア人という種別は存在せず、フィンデル系が5割、ネルザス系が2割、バレンダン系が1割を占める。残り1割は移民、そしてごくごく少数であるが、ベルジュ家の流れをくむベルジュ系が住んでいる。ベルジュ系をエメドレア人とする声もあるが、混血が進んでおり、一部の貴族主義の主張に止まっている。
≫ 文化
アルムゼルダ魔術学校に代表されるように、魔術大国や学術大国と評されるほど学究がさかん。アルムゼルダ魔術学院の他にも多くの教育機関が存在し、識字率は高めである。貴族層が抱える使用人についても教養が求められ、どれだけの才子才女を養っているかが一種のステータスとなっている。一方で戦災孤児や移民といった身寄りのない人々への教育状態は決して良いとは言えず、読み書き計算すらおぼつかないことがあり、格差は激しいと言える。
年に二度、春と秋にレリアとオリアの目覚めを祝うミュール(七日七晩の大祭)がある。ミュールでは死者も祭りに加わるとされ、春には復活し、秋には再び眠りにつくと信じられている。
≫ 観光
→アルムゼルダ魔術学校
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