怖い話が続くのでお布団で隠れます。

樹がなぜ市葉の事をここまで再現出来たかというと、あのインターハイの観戦の時、俺が怪我して養生している合間に、あの馬鹿は、キャラ制作の取材の為、いろいろ交渉材料を用意して神代姉妹に写真を撮らせてもらったようだ。姉の魁里は食べ物関係で釣られた思うが妹の魁里の場合は宗助の隠し写真を渡したら写真どころか姉のスリーサイズを勝手に暴露したようだ。なんて薄情な妹なんだ・・・・・・

魁里よりも樹に鉄槌として一蹴りを加えることでこの件は一旦終結した。



「いたたたたたたたた・・・・・・・・なにも本気で蹴ることないだろ?」

「自業自得だろうが・・・・・・・このド変態野郎が」

「別にお前しか見てないからいいじゃないか。・・・・・・・それに胸や陰部の調整は市葉ちゃん達の顔を隠しながらやってたから犯罪ではないぜ」

そういう問題か?ここまで開き直ると逆に清々しいな。

というかこの発言をそのまま市葉本人と伯父さん達に聞かせてやりたいぜ。

普段怒らない伯父さんでも鬼のようにぶち切れそうだよなぁ。あの人昔はヤンチャして、その上親バカだから、なにされるか分からんぞ。まぁ、今回は初犯だから胸の内に収めて報告しないけど・・・・・・






「それよりどうだ。ちゃんと似てるだろ。いやーーーーーー足りないアイテムソフト内にはないから課金して集めたんだから苦労したぜ」

「そんなことで課金をしたのか。随分金持ちだな」

「うるせぇ。それより評価はどうなんだ?」

「うん。確かに市葉本人がネットに入り込んだくらいのクオリティで逆に不気味だ。というか声はどうやったんだよ?市葉に似てる声優さんなんてこのゲームにいるのかよ」

「そんなのこうすれば楽勝だぞ」




樹はドヤ顔を晒しながら、一時的にこのゲームの設定に入り、このイチハの声の元であろう『おっとり』というキャラのボイスを俺に聞かせた。

うん。この段階では市葉本人には程遠いな。




次にこのサンプルボイスをPCをまるで天才ハッカーが如くカチャカチャと打ちながらEnterキーを押すと・・・・・・




『よろしくお願いしますご主人様。今日も一日頑張りましょう』

なんと市葉本人の声を再現していた。いやいやあの時声を聞いただけこれだけ似てるの凄くね?

そういやこいつのパソコン技術はハッカーレベルに上手いんだった。突然の後付けみたいな設定だからすっかり忘れてたわ。





「どうだ。すごいだろ?それよりもこのままエッチシーンまで行こうぜ。最初のエッチシーンはイチハだからストーリーすっ飛ばしてやれば二分も掛からないぞ」

「お前マジで訴えられろ!!!」

こいつの頭がおかしい思考に強引に押されたので仕方なくこいつのノリに付き合うことにした。

市葉と言ってもこいつが作り上げたキャラだからやるのは抵抗があるが、三次元でしかも別人物と割り切れば大丈夫だ。

乃希亜さんこれは浮気じゃないから分かっててくれ。




チカチカ

「あれ電気が?」

「どっか近くに雷落ちたんだろ?」

とりあえず樹の言う通りスキップ機能を使って進めようとする直前遠くから聞こえる雷鳴と共に電気がチカチカと点滅していた。

それに加え大雨のせいか気温が夏と思えないくらい気温が低くエアコンをしたままだととても寒く感じたので片手でエアコンを止め、窓を開けて再開した。

それが恐怖の前兆だと知らずに・・・・・・






樹の言う通りスキップ機能を使って適当に先送りにし、場所は夕暮れの誰もいない空き教室に二人っきりというありきたりのシチュエーションだ。





イチハ『はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・・・ミヤコぉ・・・・』

窓に映る夕暮れの背景を背にイチハは顔を火照らせながら机に座り、顔を赤くさせながら、パンツを脱ぎ、股をいじっていた。うん、この行為は俗にいうあの自慰行為だ。しかもその流れる甘ったるいBGMがさらに甘いムードを引き立てていて、イチハの画面腰から響く吐息とともに甘い声が画面越しから響いていた。

何度も言うがこの市葉は、ゲーム中で作った姿です。





イチハ『あぁ・・・・・・・んぁぁ・・・・・・そろそろ、欲しいですぅ』

「はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・どうだ。みゃこ?興奮するだろ?」

「ああ、確かに・・・・・・・声はエロいが・・・・どうも気まずくて直視できんから興奮できん。というか、なんでお前はいつの間にか人の部屋でズボン脱ごうとしてんだこの野郎」

「すまん。BGMのせいでつい反射的に」

なんで自分が作ったキャラで俺より先に興奮してるんだよ。というか・・・・・・・・マジで欲情するの止めてくんない?

もし俺の部屋で汚い股で生成されたカルピスジュースこぼしてみろ。その場で窓から放り出すぞ。

改めてズボン履いてる樹の変態行為を警戒しながらさらにシナリオを進める。

画面のイチハはいつの間に制服を脱ぎ、本人が恐らく絶対着ないであろう派手めブラジャーを晒して、完全に行為直前の状態であった。




イチハ『ゆっくり・・・・・・・脱がしてくださいぃぃぃ。今火照ってあまり動きたくないんですぅ・・・』

「みゃこそろそろ、イチハちゃんのB地区が解禁するぞ。〇輪の色間違ってたらすまんな」

「なんで、俺は市葉の裸すでに見た前提で言うんだよ?」

「そりゃ、親戚で幼馴染だから、小さい頃一回くらいは一緒にお風呂入ったりするイベントあんだろ?」

「あほかよ」

そんなエロゲやアニメみたいな展開あるかよっと言いたいところだが、実は、幼稚園、小学校の低学年には市葉と魁里と伯父さんの家で何回かあるんだよなぁ。

と言っても断片な記憶しかないくらい昔だからな。魁里はまだしも市葉は覚えてないはずだろう。







イチハ『はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・どうですか?あたしの・・・・裸・・・その姿ミヤコしか見せませんよ』

「うぉっ!!!」

昔の記憶を浮かべようとした間に画面の方のイチハも上半身裸を晒していた。

予想以上の張りのある胸のボリュームにピン立った乳房にスポーツ少女とは思えないニキビ一つないきれいな肌・・・・・・・ってゲームキャラだからそんなのないか。




樹がイメージで構想したイチハの裸なのだが、まるで盗撮をしたかのように、実物の市葉と似ているようにクオリティが高かった

そのせいかも知れないが顔を赤くなってしまい目を逸らしてしまった。





「おいおいなんで赤くなってるんだよ。さては改めてイチハちゃんに惚れちゃったか?」ニヤニヤ

「うるせぇ・・・・・なんでもねぇよ。ちょっと暑くなっただけだよ」



いかんいかん。なんでこんなんで欲情するんだ俺の馬鹿!!!二次元のヒロイン(特に妹属性)に惚れるなんていつもの事だが、今回は実物の従妹に似てるだぞ!!!こんなの惚れたら市葉の見る価値が変わって俺の青春に影響を及ぼすぞ。

樹には悪いが一旦切りあげた方がいいかも・・・・・・・




プルルルルルルルルルルル

「!!!!!」

突然の携帯電話の着信で俺だけではなく樹も飛び上がる。乃希亜と思いスマホを見ると非通知着信で自然と冷汗が流れていた。

本当ならその怪しい非通知は取るのは避けたいのが、少しでも俺の周囲に孕んでる怪奇現象を解きたいために少しでも情報が知りたいと思ってる。

そのただならぬ異変を察した樹はさっきまで淫猥な音が漏れ漏れだったパソコンにイヤホンを繋ぎ音を塞いでいたくれたので、部屋の隅に移動しその怪しい非通知の着信にゆっくりと電話を取る。






「もしもし・・・・・・・」

『・・・・・・・・・・・・・』ざーーーーーざーーーざーーーー

電話をろうとしたが、相手はなにも答えることもなく無言で聞こえるのは外に響く雨音だけだった。

それが余計に恐怖を引き立ててとても怖いんだけど・・・・・

どうする一応返答するか?とにかく相手の出方を知るために動くしかないな




「あ、あの・・・・・・もしもし聞こえてるんだろ?聞こえてるのなら返事をしろよ。お前最近俺やね・・・・・・・いや公方さんにいやがらせをしてるんだろう。この際ハッキリ言う。もしお前が人間ならば今すぐ止めてくれ。でなければ、こちらもそれ相応の対処法をする必要がある。それがいやならちゃんと公共の場で姿を現し、謝罪をしてくれ。熱意しだいでは今までの事を水に流してやる」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

くっ、それでも返事はなしか・・・・・・こんだけ人に迷惑をかけておいて無言のままかよ。もしかして今後のターンでも電話をしては無言続きで、俺の反応を見て笑ってんのかよ。ざけんなよ!!!例え相手が姿ない幽霊でも関係ねぇ!!!!この先俺の彼女に手を出すってのなら容赦をせんぞ。





「てめぇ!!!!!さっきから黙ってんじゃねぇよ。言いたいことがあんならハッキリと!!!!」

「うわっ!!!ビクッた・・・・・」

イチハ『あっ~~~~~~~♡・・・・んっんっ~~~~~~~みやこぉもっと来てください!!!!気持ちいいですぅ♡』

え・・・・・・・今なんか喘ぎ声らしい声が聞こえたんだが・・・・・・振り向くと嫌な予感は的中した。なんと樹のアホがイチハのエッチシーンをイヤホンで聞いてる中、先ほどの驚きでプラグが外れそのピンクの声が部屋中に響き渡り、勿論電話越しの相手にも筒抜けだった。





「すまん。みゃこやっちゃった!!!」

「やっちゃった!!!!じゃねぇお前なにを・・・」

『ユルサナイ』ブツッ

ツーーーーーツーーーーーツーーーーー

最後聞こえたこの世のものとは思えない背筋が凍るほどの低音ボイスと同時に電話がきれた。そのせいで先ほど樹を蹴っ飛ばそうとする動力が一気に失せ、電話のツーツーツーという音がしばらく離れないくらい極度の恐怖を襲い、スマホを落とすくらいに脱力してしまった。













「おい、みゃこどうしたんだよ・・・・おい!!!!」

「あ・・・・・・・・・ああ、すまんついボーーーっとしていた。気にすんな」

「いや、気にするだろ?鏡見てみろ。ヒくほど真っ白だぞ!!!!!もし、さっきの電話のやりとりが俺のせいならちゃんと責任とるからな」

「樹・・・・」

ピンポーン






「!!!!!」

樹の激励で少し不安が和らいだ矢先不穏なインターホンが鳴り響いていた。

その不気味な音に寄り再び明かりはチカチカと点滅し俺達二人は情景反射に玄関の扉に合わせるかのように目を向けた。




恐怖は俺に安息の暇を与えないほどヒシヒシと背後に迫っていた。


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