樹さんまた変な事をお兄ちゃんに教えようとしてます

二日後、今日はバイトが休みなので俺は腐れ縁の樹を収集することにし、久々にエロゲ雑談もかねて俺の身に起こる怪奇現象を相談することにした。

今日は何が起きるか前提か樹が来た後に、エアコンが要らないほどの冷風と同時に大雨が降りだしていて、さらに怖くなったが、親友にすべてをぶちまけばスッキリするだろう。





「ふぅぅん。なんだか良く分からないけど、ストーカーされたのか・・・・・お気の毒だな」鼻ほじほじ

「うるせぇ!!!!人の家で鼻くそほじるな」

「ぐぼらぁ!!!ありがとうございます」

特に理由がある暴力が樹を襲い、俺の部屋の壁にめり込むほどぶっ飛ばした。

まったく人がどんだけ怖い目にあったか知らない癖に呑気なやつだ。




あの怪奇メールが送ってきた後、俺は様々な怪奇現象が起こったんだぞ。

まず外出中に誰かにつけられた感じがするし、バイト中もざーさん達と接すると、俺のロッカーから、めちゃくちゃ気持ち悪い長い黒髪の日本人形が入った箱が入ってきて、その後にざーさん達の顔に赤いバツ印で塗りつぶされた写真をメールに送られて来て、その上メールの内容に『警察に相談したら呪う!!!』と脅迫されたり、おまけに仕事の合間まかないで作った料理がなぜか塩っぽくなるしと散々だぞ。




俺がこんな目に合ったのは絶対あの心霊スポットに入ったせいだ。

企画したYouTubeを一発ぶん殴りたかったが、金の欲しさに仕事した俺にも責任がある。

企画後にお祓いしてもらったが一応花沢神社あたりでもう一度お祓いを依頼するか。

ん?いや、待てよ。俺だけお祓いするのもなんかあれだよな。一応寧々やざーさん達もお祓いを頼んだ方がいいか?

寧々によるとあのいたずら以降は、なにもないとまるで他人事みたいにサラッと流したな。それにざーさん達も雰囲気的になにも変化が見られないようだが、もしかして、俺に関わる女性が被害に合ったのは最初だけでそれ以降は、俺に集中砲火って事か?それはそれとしていいが・・・・・・・いやいや良くない良くない。これから乃希亜と温泉旅行だから、なんとしても解決しないと・・・・・






「いててててて、そんなに困ってるのなら姉ちゃんに頼めよ」

「アホか。姉ちゃんは怖いものが苦手で戦力外だ。今家にいない時点で分かるだろ?もしこのことを話して姉ちゃんになにかあったらどうするんだよ」

「このシスコンめ。じゃあ俺ならどうなってもいいのかよ?」

「お前ドMなんだから女の悪霊に殺されるのは本望なんだろ。だから俺と呪いを変わってくれ」

「ドMの定義思っくそ間違ってるんですけど・・・で、九頭竜には相談したのかよ?」

「・・・・・・・・・・・」

図星を突かれ自然と横に向いてしまう・それを見た樹は『まじかこいつか?』と言わんばかりにあんぐりと口を開けていた。







「まさか、言ってないってことはないよな?お前ら付き合ってんのに隠し事とか冗談だよな?」

「あほか!!!!こんな危機的状況な時に乃希亜に相談して巻き込まれたらどうすんだよ。格闘タイプがゴーストタイプに勝てるわけないだろ」

「そんなにキレるなよ。どちらかがあくタイプなら九頭竜は確実に勝てるぞ。というかポケモンで例えるの見ると案外余裕に見えるな」

「やかましいわ」

樹とのいつもの漫才をしたおかげでなんとか落ち着くことができた。

思えば、昨日あたり直接会ってないが、電話でやりとりしたところ、あいつはな二ごともなかったかのように普通な感じだったな。ただ一つ気掛かりなのは、姉ちゃんを含めて異様に関わった女性とどんなことをしてたか、聞きたがってたな。

まぁ、犯人が女の人って事だから、少しオーバーだけど、恋人に心配してくれて俺はとても幸せ者だと思う。

今日もまた声優の仕事があるけど、今日は寧々と一緒の仕事場だからなにかあったらお互いカバーしてくれるだろう。






それにこっちもこのままネガティブ状態になるとさらに事態が悪化にする可能性があるから、樹のような馬鹿で能天気でいるのも悪くないな。

ついクシャっと笑いながらも久々にエロゲ談議に入った。







「で、今回はいいのを持ってきただろうな?」

「たったったたら~~~~~~『ジンオウガクエン』」

まるで某ロボットアニメの青猫ロボットのような声で取り出した。

確かコレって自分でVRヒロインを作る学園ゲームだよな。

シナリオは確か交通事故で死んだ主人公は、神様によってインターネットの奥深くに

魂だけを復活させて、神様の使命でなにもない電脳空間で自分だけの学園を作れと頼まれ、『人王』という創生する力を託されるんだよな。

その力は人は勿論街も作れるから思い通りの学園ドラマが作れるようだ。

実際このゲームで作られたVRはゲーム実況のVチューバとしての利用やSNSでの画像投稿などできるようだ。

なるほど、この間のコミケ帰りの樹がたくさん同人誌をお土産に見せたのはこのためだったのか。アレは全部VRキャラ作成のための資料。つまりこの為だけにコミケに向かい、宗助のインターハイの帰宅後ずっと、家に籠って作成しやがったな。

そこまでの気力あるなら宿題しろよ。




「・・・・・・・・・・・・」

「なんだこの嫌そうな顔は!?見てもないのに俺の娘たちの評価を下げるな」

「見てなくても分かるぞ。どうせ、お前の性癖にあった頭がおかしいサディスト女ばっかりなんだろ?誰もスプラッターハウス化した学園なんて行きたくねぇよ。行くとしたら皆殺し覚悟でショットガンとガトリング装備で突っ込むわ。俺死にたくないもん」

「なんでバイオハザード感覚で特攻するんだよ!!!!ちゃんと見てから感想言えよ」

樹の必死の頼みでパソコンを開き嫌々やることにした。

ちなみに主人公の名前は俺と同じ都と勝手に俺の名前を入れている。

そこが一番腹立たしいが我慢してプレイするがさすがVRってだけで従来のイラストとは違い立体で人が街中で動き回っている。

さてとホラーになるか恋愛になるか・・・・・・・運試しに校舎内に入るか・・・・・

その時ヒロインの声が響いてきた。




ミクニ『おっそーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!ミヤコ。アンタなにやってんのよ!!!』

登場したのは見る感じ茶髪ツインテールのありふれたツンデレヒロインのようだ。声も聞き覚えがあるツンデレエロゲ声優のようで、俺の声を呼んだのは音声合成システムを使って樹が俺の名前を入れて呼ばせてるようだ。




合成システムのせいか若干発音がおかしいがエロゲの声優さんが、俺の名前を呼ぶのはとても嬉しいがヒロインの設定がテンプレ過ぎてがっかりだぞ。資料を買う意味がないくらいガッカリだ。

それに加えヒロインの名前が気に食わない。




「・・・・・・・・なんでヒロインの名前が俺の姉ちゃんの名前なんだよ」

「設定ばかり考えて名前は考えてなかったんだよ。別にお前の姉ちゃんを攻略するわけじゃないからいいだろ?」

言いわけないだろう。エロゲやギャルゲのヒロインの名前が身内なんてやりにくいぞ。

例えばお気に入りのヒロインとイチャイチャする場合、そのヒロインの名前が自分の母親だとどうなる?妄想する時母親の顔が浮かんでゲームする気がなくなるぞ。それくらい気まずくなるの考えろや。

まぁ名前以上にワンパターンすぎるヒロイン、これ以上やっても無駄な感じがするのだが・・・・






「本当に面白くなるのかコレ?」

「お楽しみはこれからだからよ・・・・少し待てよ」

耳元から囁くネットリした声をぶん殴ろうと思ったがあえて我慢してシナリオを進める。主人公がツンデレヒロインと一緒に教室を入ると次のヒロインが出てくる。

アレ?この黒髪のヒロインなんか見たことがあるぞ。




イチハ『おはようございます。ミヤコにミクニ今日はいい天気ですね』

「へ?」

そのボイスの聞き覚えがある性質で俺は二度見する。この見たことがある声質に見覚えがある前髪に特徴あるサイドテールにたれ目の眼鏡女子間違いない俺の幼馴染の市葉そのままだった。




「おい樹どういうことだよ。このイチハってキャラ声も見た目もどっからどう見ても市葉そのまんまじゃねぇか!!!!肖像権で訴えるぞ。この野郎!!!!」

「いてててててててて!!!!おい急に胸倉を掴むなよ。声も外見だけじゃねぇぜ。スリーサイズも再現したぞ」

「もしもしポリスメン?」

「だーーーーーーーーーーーー!!!!!本当に警察に電話するんじゃねぇ!!!」

警察に電話しようと全力で止められた。くそっもうすぐで逮捕できたのに。

とりあえず樹の話を聞くのが先決だ。通報はこの後だ。



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