やだぁ怖いよぅ・・・・・
『ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・・・・どこにいる
ううううううのぉぉーーーーーーーーーミヤコくぅん』
『ちょっと待て!!!!なんなんだよ。お前は、サッサと元の場所に戻せよ!!!!!』
『・・・・・・・・・アイシテル』
『なんだって?』
『アイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテル・・・・・・・・ミヤコ君大好き・・・・・他の女んは渡さないワタサナイワタサナイワタサナイワタサナイワタサナイ・・・・・』
止めろ・・・・・・・来るな・・・・来るな。俺はお前みたいな悪霊より乃希亜の方が・・・・
『ヒトツニナロウヨ・・・・・・』
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「!!!!!!!」
はぁ・・・・・・・・はぁ夢か。まったくなんちゅう夢を見ているんだ俺は・・・
気づけば俺は全身汗だくになっていた。それほど怖い夢を見たってことだ。
汗のせいか部屋のひんやり伝わるエアコンの風が俺の皮膚を突き刺し急に肌寒くなってしまう。
夢の中にいた赤い服の女、顔は黒髪で隠れて分からないが間違いない。昨日アウラさんに呼ばれてきたあの潰れた中学校に出る赤い服の女教師の霊の影響なのだろう。
噂だとその霊の生前は、明るい教師だったが、些細な嫉妬が原因で生徒からひどいいじめを受け自殺をし、その死後いじめの主犯格を次々と不審死をしとうとう廃校にさせた悪霊のようで、その都市伝説はその界隈では有名なようだ。
それで噂だと深夜0時が一番出現する時間帯なので、本当に出るか検証するため、企画者であるホラー系YouTuberとアウラさんと合流し、深夜0時になると俺は裏方に回りカメラに映るアウラさんを撮影をしながら回ったのだが結局何も起こらず変な空気を出し、一応報酬を貰って終わったのだが、その翌日、まさか夢であの女が出てくると思わなかったよ。
まぁ・・・・・夢の中だから大丈夫だろ。
それに、俺が夢の中で見たあの幽霊はヤンデレ気質ぽかったから都市伝説のあの女教師の自殺理由と違うし、別件だろ。
すぐに忘れていいはずだ。と安心したら大きくくしゃみをしてしまった。
「はっくしょん」
「マネージャ大丈夫かしら。まったくさっきからうなされていい迷惑だわ」
「俺はもうマネージャじゃねぇって」
くしゃみをした直後寧々が無表情で少し暖かめのタオルを投げていた。
ん?寧々?なんでこいつがここに・・・・・・っていうか今気づいたけどここ寧々のマンションじゃないか?
そして、外の景色を見るとすっかり夕暮れの茜色に染まっていた。
そーーーーーーーーいえば、今日は寧々の頼みで明日ここに来る若手俳優とその友達一向にケーキを振舞う為に俺がケーキ作りを寧々に教えようとしてたんだったな。
昨日の疲れがたまったせいか記憶があやふやになってたが、段々と思い出してきたぞ。
なぜそうなったかの言うと理由は簡単、寧々の声優のプロフィールをネットで調べるといい。すると、趣味はケーキ作りと書かれれているのだ。
勿論当の本人はケーキなど作ったことはない。
これは寧々自身が知名度を上げるために適当に上げたものだ。
このことは、当時のマネージャーや松村さんに注意を受けることになったが、当時の寧々は、人気を上げるために手段を選べない性格だったので、男子が好きそうな女性の趣味を考えた結果、ケーキ作りだと思ったようだ。
だが、それが墓穴を掘ったようで、番組で共演したお菓子好きの若手俳優にお菓子作りを教えてくださいと強引に迫られたようだ。
最初は丁重に断ったのだが、熱心さに根負けし今に至るのだ。
その証拠に俺が独学で調べたケーキのレシピと完成品のケーキを散乱していた。
とりあえず眠気覚ましの為に俺は近くに会ったを口にする。
うん。寝る前に一度食べたが、見た目は崩れているのに対し中身結構いけて、とても初めて作ったとは思えないくらいの出来だった。
というか、思えば寧々の料理を食べたのこれが最初だったな。
マネージャだったときは、新曲制作してたから寧々のご飯は食べる機会はなかったが、おやつとはいえなかなかの美味だったから、姉ちゃんのお土産として持って帰るかな?
「わたしの失敗作を食べてなんの嫌がらせかしら」
「失敗作って言ってもなぁ。味はいいから大丈夫だろう。俺の女友達なんてこれ以下の見た目で味が最悪のやつがいるからそれよりマシだ」
「まったく貴方は・・・・・・・・女性ってのは味もそうだけど見た目を見ることも大切なのよ。こんな崩れた廃墟みたいなケーキ、見るだけで食べる気が失せるじゃない。だから、料理が上手な貴方を呼んだんじゃない。わたしに恥をかかせるつもりかしら」
「料理が上手ってお前、言っとくけどこれでもデザート類は皆無で、初心者みたいなものだぞ」
それに唯一ケーキを長く作った機関と言えばバイトで厨房に居た時に店長に教えられただけで、俺はそれを独学にアレンジしたもんだからプロには到底及ばないはずだ。
「これが初心者の作るものかしら?わたしの行き付けの喫茶店の日替わりケーキと比べて劣るけれど充分店に出せるレベルよ」
そう言いながら寧々は、俺が作ったケーキを無表情に食べていた。
いやいや、そのセリフとその顔じゃまったく褒めた気がしないんだけどぉ。
「今更だけどなんで俺を頼んだんだよ。さっき言ってたお店の店長さんや顔見知りのご近所さんに教えればいいだろ?」
「その手もあったのだけど、あの店のレシピを知ってまで作る気になれないわ。なぜならレシピを知ったら、わざわざ家で作れて、店に来る必要がないじゃない。それにわたしが知ってるケーキが上手いご近所さんは、夏休みで家に帰ったわ。だからマネージャーの仕事が終わって暇そうな貴方を呼んだのよ」
暇そうって言い方!!!これでもこの後バイトがあるんだぞ。
って言いたいところだがさっきまでうたた寝してた身分だから言い訳できない。
「ところで、マネージャー・・・・・・ううん。この場合大河クンって言えばいいのかしら?今まで名前で呼んだことないから緊張するわね」
確かにマネージャーの期間が終わったからな。寧々は俺をどう呼べばいいか迷ってるようだ。
ファンならば推しに○○君と愛情的に呼ばれると、歓喜するのだが生憎ファンでもないし、さらに素を知ってる身なら何と呼ばれてもいい。
「うん。いいんじゃないかな。別にお兄ちゃんって呼んでもいいぞ」
「お兄ちゃん・・・・・これでいいのかしら」
ドキッ
うぉい!!!なんで急に超甘々ボイスで放つんだよ。
ファンでもないのに一瞬興奮したじゃないか。これが日本を代表する若手声優か・・・・
「ねぇ、どうしたのお兄ちゃん。もっともっと寧々に甘えてほしいな♡」
加えて女優でもあるから、先ほどの無表情の顔から一風変わり妹のような顔つきをして接近して・・・・・隣のソファーに座ってくる。
つーーーーかめっちゃ乗り気なんだけど、これ演技だよね。演技と言ってよバーーー二ィ!!!!
「ちょっと待て待て。これ以上来ないでくれ!!!俺には乃希亜というものが・・・
「なに、興奮してるのかしら・・・・馬鹿みたい」
「え・・・・・・」
「演技よ。少しからかっただけで大げさね」
俺が本気で抵抗するのを見ると急に冷めた表情をしてるんだけど・・・・
演技とかそんなの分かるか!!!!お前常に本心見せないから本気だと思ったじゃないか!!!
「たく、脅かしやがって。普段冗談とかいうキャラじゃないのに・・・」
「そうね・・・・・ある意味貴方に出会ったお陰でいろいろ変わったのよ」
迷惑と言っても根本的に否定はしない。本気で感謝してると思っていいのか?
「ところでお兄ちゃん・・・」
「それで呼ぶのは止めろ」
「みーくん」
「猫かよ!!!!」
「チン〇スDT」
「仮にも女優が下ネタぶっこむんじゃねぇ!!!!誰の受け売りだコレ?ざーさんか?ざーさんなのか?」
「フフフフフ面白いわね」
これまた俺のツッコミを見て演技関係なく少しほほ笑みながら楽しんでるんだけど、嬉しい反面なんだか複雑な気分だ。
「じゃあ改めてみーくん」
「結局これで行くのかよ!!!」
いや、別に呼んでもいいよ。けど、人前では遠慮してくれたらありがたいな。特に乃希亜がいたら修羅場になる・・・・・・・・・ってなんで俺は浮気男みたいな思考になるんだ?別に女友達になんて呼ばれても浮気なんてならないだろう。
ただしダーリンは除いて。
「最近乃希亜さんの様子はどうかしら?」
「乃希亜?乃希亜ならいつも通りだけど、それがどうしたんだよ?」
「・・・・・・・・・・・そう、ならいいわ。気にしないいで」
??なんか一瞬だけ俯いてなにかを考えてるようだったけど、なんなんだアレ?
ものすごく気になるぞ。
そう思った時、寧々はスマホを見る。
「ごめんなさい。今日は上がってもいいかしら今までケーキ作りに没頭して現マネージャとの打ち合わせを忘れていたわ。今から折り返して電話するから、この練習品のケーキは好きなように持って帰っていいわ」
「あ・・・・・・・」
そう言うと寧々は忙しそうな感じで隣の部屋に入りカギを締めていた。
・・・・・・・・現マネージャってことは、あの時のストーカー未遂の人か。
結局元の鞘に収まったようだな。
どうやら俺はお邪魔なようだし言われた通りこの場を後にし、外に出る。
先ほどの冷風と一変、今度は蒸し暑い温風が一気に来てしまう。
この暑さならドライアイスを入れたとしてもケーキは少しばかり傷んでしまうな。
こんなことならクーラーボックスでも用意すればよかっ・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
「!!!!!」
タッタッタッタッタッタッタッタッタッ
なんだ。突然背中が突き刺さるほどの視線は・・・・・・
その方角の方に向けると誰かが非常階段に走りながら逃げて行った。
ホンの一瞬の事で分からなかったので顔は見えなかった。
たくっ、なんなんだよ。ストーカー騒動なんてもうお腹いっぱいだっつぅの!!!!
肩で息をし、扉を閉めると、再び寒気が走った。
「!!!!!!なんだこれ・・・・・」
『クボウネネユルスマジ』
扉の方に目を向けると、扉にはA4用紙のプリント用紙が扉の真ん中に張られていて、そこには身の毛もよだつ血のような赤色でその一文が書かれていてさらにはなんかの土が扉の隣に山のように積まれていた。
まるでなにかの墓でも完成させたかのように不気味だった。
もしかして、この土山って寧々の墓じゃないよな?
え?ちょっと待てあのストーカー騒動は終わったはずだろ?なんでまた・・・・・・
ブブブブブブブブブブブブ
「ひっ!!!」
突然のバイブ恩でさらに恐怖する。スマホを見ると一件メールが来た。
どうせいたずらメールかと思ったがその件名にさらに衝撃が走る。
『誰その女?』
なんだよ。なんで俺の名前を知ってんだ。それになんだよこの匿名メール。
不気味ながらもさらに本文を開く。
すると数時間前に俺が寧々とこの玄関前に映ってる画像だった。
さらにその本文では『アナタハ永遠二ワタシノモノ・・・・・・・』
と書かれていた。
それを見た瞬間とてつもない吐き気が襲った。
え?え?もしかして今度は俺がストーカーされたのか・・・・・・・
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