さぁ応援に行きますよ

「ちょっとぉ!!!困るよぁ!!!勝手にホテルを抜け出しちゃぁ・・なにかあったらどうすんのぉ」

「すみません!!!」

あれから、あのホテルに実質的に一泊した俺達はタクシーを使って宿泊ホテルに帰ることにした。勿論一時的に行方をくらましたことはことは撮影スタッフを含めお偉いさん方にこってり絞られていた。幸いにも姉の姉の内定先であるこの出版社の取り消しや撮影予定は狂う事はないが、もうこんなことはないようにと言いだしっぺのアウラさん共々頭を下げ反省文を書くことで終息した。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その後なにもかも解決し、姉に対してのモヤモヤが晴れた俺は、ホテルでの食事を終え、あまり使わなかった個室に別れを告げ、本土に帰る本土に帰り宗助達がいるインターハイ会場に向かう。

港に着くとこんな俺の為に姉ちゃんやアウラさんを始め俺を撮影したスタッフ陣やお偉いさんをも見送りに来てくれて、このバイトの謝礼の明細書を貰った。




お・・・・・結構入ってるな。




「それじゃ・・・・一足先に帰るよ。姉ちゃん達」

「おい、本当にもう帰るのかぁ。姉ちゃん寂しいぞ」

「永遠に会えないわけじゃないからそんなになく必要ないでしょ」

ちなみに姉ちゃん達はまだ撮影があるようで少なくとも夕方には撮影を終了しここから出るだろう。まぁそれでも他にも予定があるだろうから、宗助のインターハイを観戦するのは難しいようだ。




「はは・・・・相変わらず演技は継続してんだな」

「当たり前だ。卒業するまではこのキャラでいてやるぞ・・・・なぁ、あそこに着いたら宗助の事を頼むぞ・・・・」

「分かってるよ」コツン

お互いに拳をコツンと合わせ俺はフェリーに乗り、しばらくすると出航し始めており、俺はふとデッキから港の方に目を向けると、姉が大声でラブコールをしていて完全に他の客にも丸聞こえだった。




「都ーーーーーーーーーーーーー!!!!!愛してるぞーーーーー」

「ちょっそれはないんじゃない?」

な・・・・・・なにやってんだ。この馬鹿姉!!!なんでこんな公の場で弟に愛の告白するんだよ。ブラコン以前に羞恥を覚えろよ。

その相手は俺だと思われないように、目立たないようにやり過ごしていた。




はぁ・・・・いろいろあったが次は、宗助だな・・・・

今日は剣道大会の一日目である開会式なのであまり急ぐ必要はないので俺は、事前に神代家にこっちに来ると連絡を入れた。



そして、数十分後に本土に着き、お次は港近くのターミナルに乗り換え、インターハイ会場近くの駅場まで連続に乗り換えることにする。

実家や神代家にそれまでの交通費は貰ったのだがここまで連続で使うと交通費は馬鹿にならなくましてや夏休みで満室状態なので余計に体力が使う。




「ふぅ・・・・・ようやくついた」

時間は正午になり、やっとこさ、インターハイ会場の最寄りの駅前にたどり着いたので、俺は駅の売店で買ったアイスを片手に向かえが来るのを待っていた。





「オカシイな・・・・そろそろ来るはずなのに・・一向に来る気配がない」

「セイッ・・・」グサッ

「ぐあっ・・・・」

突然尻から走る激痛により悶える。どうやら俺はカンチョーをされたようで、振り向くと、ニヤニヤと笑っていた魁里の姿があった。




「か・・・・・・・魁里てめぇ!!!」

「ふふん。都クン、油断大敵で隙だらけですよ☆」

「言い残したことは、それだけか悪いが俺は今、すんごく機嫌が悪いんだ!!!」

「へーーーーーーそうなんですかぁ~~~~~どんだけ怖いか。かかってきてください☆返り討ちにしますから」クイクイ

「言ったな!!!この野郎」

「はいはい、貴方達、じゃれ合うのはこの後にして、さっさと乗ったら」

「あ、お母さん」

魁里に攻撃をしかけようとすると、叔母さんに止められた。後余談だがあいつとじゃれ合ったことなんて一度もないからね。むしろその逆だ。

その中断でガッカリしながらも言われた通りむかいに駐車している神代家のワゴン車に乗りそこで運転席にいる伯父さんに挨拶した後これから宿泊する旅館に泊まるため一旦荷物を降ろした後、インターハイ選手が集結する宿泊施設に向かった。




ちなみに俺は魁里と同じ後ろの座席で座り魁里のちょっかいを隠れて受けるのだが、あまりにも疲れたためすぐに熟睡していた。






「到着。都クン、起きて」

「うぁ・・・・・ここか・・・」



伯父さんの呼びかけで俺は起きてワゴンを降り、宿泊施設につく。どうやら伯父さんは事前に市葉と宗助を呼んで、調子はどうか挨拶をしに来たようだ。するとその目先には、一葉だけがおり俺達を見るとこっちに向かってきた。のだけど・・・・・・あれ、市葉の着ているジャージの胸のあたりがすっごく揺れてんだけどおかしくね?





「あ、・・・・・・・お父さん達、こっちですよーーーーーー」

「ちょ、ちょ、ちょ・・・・・ちょっと待ってください。姉さんすっごくおっぱい揺れてますけど、ブラはどうしたんですか?」

「ブラ?さっきまで練習の時汗ばんでうっとおしいかったんで洗濯に入れました。というか、逆にいらないです」

「いらないってなんだ?お前、今の状況分かってんのか・・・汗だくノーブラ巨乳JKなんて思春期の男に見られたら一発で獣になるんだぞ。それをわきまえて行動しろ」

「そうですよ。そのドスケベ状態の姉さんはマジでやばいですよ。一言で言うと淫獣です。R18禁です。いますぐブラをつけることをお勧めします」






「別にいいじゃないですか?あたしは都に会えただけで・・・・・嬉しいですし」にこっ

そ・・・・・そんな顔で俺を見つめるなよ・・・・・」




「いや、市葉。いくらなんでもそれはない。お前には妹以上に常識を教えたつもりがなんでこんな間が抜けた性格になったんだ。お父さんが説教するからそこに正座なさい」

「え!!!!な・・・・・・なんでですか?」

ガミガミ



流石の穏やかの伯父さんでもこれには堪忍袋の緒が切れて、公共の場の前にもかかわらず説教をしていった。我ながらえげつないと思ったが自業自得だ。



・・・・・・・あれ宗助はどこ行った?





「なぁ市葉、宗助はどこ行った?」

「え・・・・・宗助君も連絡したんですか?あたしが来たときはまだ来てなかったですよ・・・・・・・って噂をしたら来ましたよ」

市葉の言う通り宿泊施設から遅れて宗助が出てきて俺達のことを見るとこっちに向かってきた。





「やぁ、お待たせ随分待たせたね・・・・・」

「宗助遅いぞ・・・・・・どこい・・・・・げへっ・・・」

話の途中魁里に足蹴りされ、真っ先に宗助に駆けつけやがった。

この悪魔め・・・・なんでもかんでも蹴るなよ。



「宗助先輩こんにちわ。今日はいい天気ですね。後これ選別ですけどクッキー食べてください」

「あ・・・・・・ありがとう魁里ちゃん。後で、食べるね」

クッキーだと?そんなの俺貰ってないぞ・・・




「あ、都クンもクッキー欲しかったんですかぁ?なら明日作りますよ。貴方が好きな真っ黒なクッキーを・・・」

「いいや、いらない。お前のクッキーなんて死んでもごめんだ」

「ええーーーーー遠慮しないでいいのに・・・」

「はははははは、相変わらず元気だね君達、本当にうれしいよ。じゃ僕はこれで・・・」

そう言うと宗助はほんの少しであっただけで逃げるかのように宿泊施設に戻ろうとしている。




「待ちたまえ宗助君、良かったら今晩なにか一緒に食べに行かないか」

「おじさんありがとうございます。ですけど明日公式戦があるんで、無駄な食事はとりたくないです。いくなら僕抜きでお願いします」

「そ・・・・・そうかね」

「ではまた・・・・明日僕の姿をしっかりと見てくださいね」

「ちょっ待ってください宗助先輩~~~~~~~~」

そう言うと宗助はそそくさと中に戻っており、魁里はそれを追いかけた。おそらくそこで再び練習をしてるようだろう。




宗助の様子はいつものような振る舞いなのだが、なにか闇を抱えてる感じがした。今のあの調子じゃ、姉ちゃんの件いえないな・・・・




あと、もう一つ気掛かりなことがあるんだけど宗助の足、なんか歩き方少しおかしくなかったか?いや・・・・きのせいだよな・・・・





その後魁里からLINEが入り夕食はいらないようで、今晩はそのまま近くのバイキングで食べることになったが・・・・・市葉は相変わらずの大食いで、店頭にあるものをほぼ食らいあげ、とても明日インハイに参加する姿勢には見えなかった。

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