お姉ちゃんの撮影に付き合うことになりました 2

バスに降りた俺はまずホテルにチェックインと荷物を置くことになるのだが、ここで早速問題を起き、片手にビニール袋を持ちいつでも吐く準備をしている姉ちゃんと撮影スタッフはもめていた。というかただの我儘だ。


その内容は、姉ちゃん達が泊る部屋は、各二部屋のツインベッドでなのだが、本来アウラさんと一緒になるのだが俺と変わってくれと言う事だ。

ちなみに突然来た俺の部屋代と言うと今回手伝いを兼ねてきてくれたので働き次第でここの料金を払ってくれるようだ。



「ちょっと待って!!!なんで弟一緒の部屋じゃないんだぁ!!!ふざないでくれ!!!」

「まぁまぁ美国ちゃん落ち着いて落ち着いて」

「これが落ち着いてられるか!!!私は、弟がそばにいないと眠られな・・・・・う・・・・・吐きそう」

「美国ロビーで馬鹿みたいに騒いで内でほらいくよ」

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。私はどうしても弟と一緒に寝るんだ。それが駄目なら一生ここにいるぞ!!!」

なら好都合だ一生ここにいてくれ。




どうやら姉ちゃんの我儘はしばらく続くと思った俺は呆れてトイレに行こうとするとトイレの前では、同年代のモデルさんがなにやら観光客と思われるちょっとチャラそうな金髪お兄さん達に絡まれていた。




「ねぇ君達可愛いね。もしかしてモデルさん?もし終わったら一緒に夜の街にでーとしない?」

「いやです・・・」

「嫌なわけないでしょ?俺イケメンだよ?そんなの断るって選択はないっしょ・・・」

「もし、嫌ならほら、君の携帯取っちゃうよ・・・」

「か・・・・・返してください・・・・」

「だーーーーかーーーーら返してほしいなら後で落ち合う事にしてよ。さもないと捨てるか?個人情報漏らしちゃうよーーーー」

ハハハハハハハハハハ

ホテルのど真ん中でなに脅迫まがいのナンパをやってんだか・・・・見たところ知能が小さいチーマーだな。ここは従業員を呼んですぐに解決・・・・





「漏らしてもいいなら・・・こ・・・」

「せいやーーーーー」

「ごへっ!!!!」

「洋平さん!!!」

その直前に突然の神風が吹き荒れると、姉ちゃんがいつの間にかこっちに向かってきて、出会い頭にナンパしてきた洋平と言う主犯格の顔面にドロップキックを直撃し、壁に激突させ気絶していて、取り巻きはすばやく担いでいた。





「くそっ!!!!覚えてろよ」

そのセリフ完全に雑魚が言いそうなんだけど、仕返しするのはやめとけ今度は死ぬから。

そう思うと、解放された二人は半泣きの状態で姉ちゃんに向かって頭を下げていた。




『美国先輩ありがとうございます」

「気にするな・・・当たり前の事をしたまでだ」

「しかし、よく分かりましたね」

「私は感がいいからな。少しでも嫌な予感がすれば自然と体が動くんだ」

「どうでもいいけど、調子は戻ったのか?」

「わ・・・・・・忘れてた・・・・トイレに行ってくる」

その発言で姉ちゃんは再び青ざめ、トイレにしばらく籠っていたがしばらくすると酔いが治ったようで仕切り直しに貸し出ししたビーチに向かい撮影が始まる。




そこでモデルさんは一旦待合の個室でメイクの準備をしその間スタッフは動くのだが俺の仕事内容は主に、機材持ち及び設置とモデルさんのための飲料を買って来るという、以前寧々と姉ちゃんの番組撮影の時にやった時と少し似たような内容なので、焦ることなく準備をすることができ、しばらくするとメイクを終えた姉ちゃんが下着の上にパーカーを着てやってきたところで撮影が始まった。




「はーーーーい。いいよMicuniちゃん!!!」

波打つ浜辺にカメラがとられる音が響きわたっていた。姉ちゃんは今撮影用の今年旬であるセクシー水着を着ており、その状態でカメラ慣れしたポーズをして周囲を魅了していた。顔を見るとメイクか調子が戻ったか分からないが完全に調子が戻っており、加えて色っぽい表情で腋を見せていた。




「Micuniさん奇麗・・・」

隣で憧れの眼差しで後輩のモデルが小さく呟いていた。すでに俺は慣れてるけど、改めて見ると姉ちゃんの身体つきって大人びて無駄にセクシーだもんな・・・・




チラッ

っていうかなんさっきからで撮影中なのに俺の方を見てんだ?

そんな視線を向けて俺が欲情すると思ってんのか

あの馬鹿姉は・・・・

俺はそのうっとうしい視線を避けるために、姉ちゃんから離れ別の場所で取ってる居るアウラさんの方に向かいなにか手伝いがあるか向かおうと浜辺を歩く。




「ん?」

そんな中浜辺から少し離れた場所にこの撮影会の主催する出版社のお偉いさんがなにやら深刻な顔をし日陰の中で電話をしていた。

そしてしばらくすると電話を終え、一旦撮影が中止になってカメラマン達は集まった。






「どうしたんですか?緊急事態って」

「それがさぁ・・・・・実は君達がここに来る一日前に、男性モデルがこの島に来て、それで現在別の場所で君達と同じように撮影をしてるんだけどさぁ・・・・そのモデルの一人が撮影直前に大けがして出れないんだってさ・・」

「大怪我?なんでまた急に?」

「こっちも分かんないのよ。ただ向こうのマネージャーによるとさぁ、そのモデルの子どうやら、自分の雄姿を見せたい為にサークル仲間と一緒にここに来たんだけど・・・・朝、君たちが泊る予定のホテルに寝坊して一緒に撮影場所に向かう途中に、野蛮な女に顔面足蹴りされて意識がもうろうとして今病院に治療してるわけ」

え・・・・・・朝、ホテルで知らない女に足蹴り・・・・どこかで見たことがあるような。

後輩モデルの二人もなにか察したように目が合ってしまい震えてしまう。




「それでその子、名前は洋平というモデルになったばかりの新米なんだけど心当たりある?」

その被害にあった男の画像を見るとモロついさっき出会ったあのナンパ男だった。




「心当たりある」

「さぁ、知りませんね・・・」

いやいやいやいや・・・姉ちゃんは思いっきり知ってるだろ?なんで誤魔化してしらを切ろうとしてんの?これが大人のやることかぁ!!!!




「あ・・・・そうだ・・・今現状ではモデルが一人足りないんですね?」

「ああ・・・・・後一人若い子がいれば・・・・」

「なら・・・・うちの弟を代理でやってみませんか?」トン

はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!何言ってんだこの姉は!!!!




「ちょっと美国それはいくなんでも、都君可哀そうだよ」

「大丈夫だ。うちの弟ならなんとかしてくれるはずだ。それでいいですか?」

「う~~~~~~~んとりあえず頼めるか。都君」

「え~~~~~~~~~~」

「安心してくれたまえ。とりあえず保留と言う形だ。後の編集で君を雑誌に載せるか考える。まぁ君の場合は顔もそれなりの美形だから雑誌に載る可能性はあるな」

「よかったな。我が弟よ。その雑誌。私らが取ってる雑誌の姉妹誌だぞ。うまくいけば姉弟で表紙を狙えるぞ!!!!」

「いや・・・・・流石に表紙は難しいかな・・・」



「よ・・・・・よかったですね都さん・・・素人がモデル誌に載るのは珍しいですよ」

「安心したまえ、ギャラの方はちゃんとはずんでおくから・・」

俺・・・・まだ一言もやるって言ってないんだけど、それどころか期待の眼差しが集まって断り辛いんだけど・・・・




その後俺は、急遽バスで男性グループの撮影陣に連れられメイクと指定の夏服を用意され俺までも撮影させる羽目になり、この日の日程丸々は男性陣に付き添うことになり予想以上に神経を使い、どんな撮影をしたかまるで覚えてなかった。










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