さぁお縄についてください
「うっ・・・・」
「カーーーーーーット!!!大丈夫かい。寧々ちゃん」
「おい、寧々!!!」
突然のカットで制作人をはじめ俺も寧々に詰め寄った。
どうやら先ほどの、寧々が演じる桜のアクションで上級生から逃げる時二階校舎から落下のシーンでの撮影をとる時のこと、事前にマットを敷いてるとはいえ、勢いよく飛び降りたことによって受け身が取れず頭から落ちたせいで頭部を怪我したようで、立ち上がろとするとふらつきを見せていた。
「何やってんだよ。だから俺はこのシーンはスタントマンに任せろって言ったんだ」
「大丈夫よ心配しないで・・・・しばらくしたらなお・・・」ガクッ
「ちょっと・・・・寧々ちゃん」
突然の出来事で俺は、どうすることもできなかった。先ほどのストーカー問題に加え寧々の事故・・・・完全に運が悪すぎる・・・
その後、寧々はこの廃校内の保健室跡の休憩室にて休むことになった。見たところ外傷はなくただ頭を打っただけなのでしばらく休んだ方がいいと言われたのだ。
スタッフの中には病院を連れてみてはと言われたが本人は少し休んだ方がいいと言われたので様子見することになった。
寧々の事故によって撮影に多少の狂いがあるがスタッフ陣は寧々の目が覚めるまで他の出演陣の撮影を優先することになった。
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主役の寧々が失ったスタッフ一同が必死にこの炎天下の中引き続き撮影が入る。早朝から始まった撮影も正午を過ぎており、寧々がいない間にも着々とシーンはとれており、今日の撮影も残すところ寧々の出演してるシーンまで残っていた。
勿論この事態はスタッフだけの機密で、校舎外の見学者は知られてないが、彼らは姿が見せない公方寧々に時間が経つたびに疑問に覚えていた。
その寧々も依然一階の保健室跡である休憩室にて休んでる。このは廃校ではあるが一応、町内のイベントや最寄りの中高が行事に利用する場所なので電気はは繋がっているのでクーラーは、全開に使え冷えていた。
今この場所には療養している彼女以外誰もいない文字通り無防備だ。
スッ・・・・
そんな中、入り口から音もなく何者かが扉をゆっくり開け中に彼女以外に誰かいないか警戒しながら侵入している。勿論、その正体は都ではない、いやそもそも都をはじめ信用できるスタッフならば、まずノックするのはずだ。
そうでなければ、彼女以外に誰とも接触を避け個人的に寧々に興味があるもののみだ。
その男は、ジリジリと彼女が寝てるベットに迫りこみ、声をかけようとする。
「寧々・・・・寧々・・・・私だ・・・・返事をしなさい・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・やっぱり打ちどころが悪かったか・・・・とにかく話がしたい・・・・顔を見せなさい・・・」
そう言いながら布団から手を取ろうとするとそこにいたのは、寧々ではなかった。
それは、そこにいるはずもない男である大河都だった。
彼はまんまと獲物に引っかかった不審者にバッと布団を投げつけた。
「な・・・・・・・・」
「引っかかったな不審者・・・今度こそ逃がさねぇぞ・・・」
布団をぶっかけられた不審者は懸命に顔を隠しながら逃げるように、入ってきた扉に逃げようとするのだが、その前には、美国と乃希亜という、決して相手をしてはいけない二人の竜と虎が立ちふさがっており、彼女らは喧嘩腰の態度で首や指の骨をポキポキと鳴らし戦闘態勢に入っていた。
「ひ・・・・・」
あまりの威圧で不審者は腰を抜かし、体を震わしていた。
そんな戦意喪失な相手に二人は、高らかとポーズをとる。
『さぁ、お前の罪を数えろ!!!』
(さぁ、地獄を楽しみな・・・の間違いなんじゃないのか)
仲が悪く見えて息があったように見えるがその背後の都は、そのさわやかな発言に対し二人から漂う殺意の気配が強く見えたようでその二人が暴走する前に止めようとするとすでに遅く殺戮は始まり、取り押さえられた。
こうして不審者を捕まえられたのは都達の作戦のお陰だ。
話は少し遡り、都が寧々をストーカーしてきた犯人がこの現場にいることを確認すると、すぐにそのことを乃希亜、美国、寧々を空き時間に呼び出して作戦を練っていた。
その策とは、まず寧々が次の撮影・・・つまり二階からの飛び降りのシーンでわざと怪我をしたという演技をすることだ。流石プロの演者だけあって、周囲を騙すことができ、一時的に保健室に向かったのだが、部屋内にスタッフがいないことを感じると俺と寧々は真っ先に入れ替わりし寧々は都のブカブカのワイシャツを着て別の部屋に待機し、乃希亜はその不審者が保健室前に来る間死角がある場所にて身を隠していたのだ。
そしてその作戦の通り不審者は、美国姉ちゃんが休憩に入ってる間に動いて、罠に引っ掛かっていたのだ。
「どう終ったかしら?」
そして頃合いを見て、寧々がブカブカのワイシャツ姿に訪れており、その不審者の男は未だに顔を見せないように自ら地面をこすりつけていた。
その姿を見て軽くため息を流し、呆れた顔を見せていた。
「もういいわ二人共、彼を、解放して・・・・・・まったく、誤解を招く、監視の仕方をしたものね・・・・・・・・・ねぇ、元マネージャ?」
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