エンディング 親しき友
樹の暴行でようやく一週間が過ぎ謹慎という実に退屈な期間が過ぎ、俺はようやくこの月曜日から再び学校に登校出来、しかもこの週は一学期最後なので、午前授業のみでこの数日さえ耐えれば無事に夏休みを迎えるだけだ。
俺は職員室にて謹慎の時にて課せられた課題と反省文を提出し、生活指導の山垣から適度な指導を聞き流す。どうやらその話には俺が期間中無断で外出された事は報告はなかったらしく恐らく涼浦はこのことを黙ってくれたのだろう。
そしてなんとか解放され、担任から謹慎中に渡せなかったテスト結果は渡される。
その結果を見ると、中間と比べたらいくつか成績が上がってるようだ。恐らく彼女が出来た効果なのかな・・・・・・まぁどちらにしてもこれから夏休みに向けて幸先がいいぞ・・・・
そう顔を浮かべながら職員室にて、乃希亜がずっと待ってくれていた。
「おう・・・・・・・終わったのか」
「ああ・・・・それじゃあ行こうか」
「ああ・・・・・いいけどよ、それよりお前なんだその気色悪い顔は・・・・」
「気色悪いって・・・あのな・・・先週渡されるはずだった期末の結果だよ・・・・見てみるか・・・」
「おう・・・・・ってお前、この問題何度か教えたのになんで間違えてんだよ!!!」
「なんで・・・・そこを先に見るんだよ・・・・普通点数を先に見るだろ?」
俺はいつものように普段は乃希亜に頭が上がらない状態だ。
つい最近あいつの事を抱きしめて口づけをしたが、普段の行いと言えば互いに名前呼び以外は普段とは変わらず、登校中はただただ口数が少なく、ちょっと短気な女の子でありそして・・・・俺が一番好きなエロゲ声優・・・・それはこれからも変わらないだろう。
そして気が付くと俺達は教室前に立つ。やく一週間ぶりの教室だ・・・・
あれから涼浦とざーさんの中はどうなったかは知らない・・・・頼むから前の日常に戻ってくれよ。そう願いながら一歩前に進んだ。
「おはよ・・・・」
「はぁ!!!!なにアンタ超ウザイんだけど!!!さっさと死ねば!!!」
この声は、涼浦の罵声・・・まさかまだ仲直りしてないのか!!!
「死ねってなんだよ。なんでお前みたいなビッチに俺の寧々様コレクションを貸さなければいけないんだよ」
「なに?寧々様コレクション?ちょーキモイんですけど、いいから言われた通り明日中に持ってくるし・・・・でないとアンタの席うちらが使うから・・・」
「ふざけてんじゃねぇ・・・・さっさと俺の席から離れろビッチ女が~~~」
・・・・・・なんか樹の席で涼浦と樹が珍しく口論になってんだけど・・・・
普段の涼浦なら樹のような格下相手は基本無視ってるのにどうなってんだ。
「お~~~~~~~~いみゃこ助けてくれ~~~~~~お前も涼浦になんか行ってやれ!!!」
とりあえずこいつの暑苦しい見るのが嫌なので謹慎解除早々に顔面チョップを食らわし地に沈めることにした・・・・
「フン!!!!」
「ぶげぇら!!!ありがとうございます!!!」
「よし、いい反応だ。できれば謹慎になるとこもこういう反応が欲しかったのだが!!!」
「・・・・お前ドSか・・・」
お前が本来望んでいることなのにどの口が言ってんだ?
「と・・・・・とにかく聞いてくれよ。みゃこ・・・・涼浦が・・・・」
「あっ・・・・・・大河君・・・・おはよう」
「おう・・・・・みんなすまなかったな・・・・」
「それにしても、お前今回の件教頭に見られたらしいな・・・・ありゃ謹慎になってもしょうがないわな」
「ホントホント・・・・またあの馬鹿のせいでしょ・・・」
「木野原もっと自重しろよ・・・」
「なんで、俺被害者なのにそんなに責められるのですかね・・・・やっぱ俺よりこいつの方がイケメンなのが理由なのか・・・・」
「それは関係ないと思うぞ」
樹の話を聞く途中クラスメイトが次々と俺に群がっており、どうやら俺の事を心配してくれたようだが・・・・なぜかついでに樹ディスりが聞こえるのだが・・・・
それはともかくイケメンいうな・・・・・・
「・・・・・・・・ところでなんでさっきからなにがあったんだ?いい加減に教えてくろよ」
「それだよ。それ、聞いてくれよ。涼浦のやつが俺の大事な寧々様コレクションを要求するんだよ。でないと俺の席がこいつに独占されるんだぜ?ひどいだろ」
「別にいいじゃねぇか?夏休みまでもう少しなのに・・・・」
「そういう問題じゃねぇ!!!」
「ふっくっだらねぇな・・・・・」
「あっ九頭竜お前まで、そんなこと言うのかよ・・・」
「あのなぁ樹、後学だから教えてやる。憧れは理解から最も遠い感情だよ・・・・」
「なんで愛染風にいうんだよ。なんならお前の辰巳ノアコレクションを滅多滅多にしてやろうか!!!」
「んだとてめぇ!!!そんなことしてみろ。ただじゃおかねぇからな!!」
「ひぃぃぃぃぃぃぃっぃぃ。なんで九頭竜がブチ切れるんだよ」
そんなの決まってるだろ!!!お前が辰巳ノアの本人をディスってんのに決まってんだろ。樹が九頭竜に絞められるところを高見の見物で見る。
「オラァァァァァァァァァァ!!!」
「おい、みゃこ助けてくれ・・・お前のお望みのものなんでもやるから助けてくれ!!!」
「あまり弱ったらしい言葉を使うなよ・・・・・強く見えるぞ・・・」
「だから、愛染風に流すなよ!!!最近ハマってるのか!?」
流石に可愛そうになったので乃希亜に止めるように説得することにし、その後乃希亜は無言で元の席に戻った。
「みんなーーーーおはよーーーーー」
「おはよーーーーざーさん」
その騒ぎの後、ざーさんが教室に入りみんなに元気よく挨拶する。そして真っ先に涼浦の方に向かった。
「おはよ・・・・・ギンカ」
「ああ・・・・ところでさぁ咲那・・・・アンタにも言ってくんない。木野原のバカがその公方寧々のCD貸してくれないんだよね。あいつと仲がいいアンタなら説得できるっしょ」
「そういう事で、木野原君、あるものすべてーーーーーちょーーーだい」
「なんでお前もこいつの話に乗るんだよ。っていうかお前らこの前まで中悪くなかったか?」
「さぁ・・・・・・何の事だか?ギンカと私はずっと仲良しだもんね?」
「ちょ・・・・暑苦しいから・・・離れろし」
どうやらざーさんはいつも通りの陽気な姿に戻り勢いよく涼浦に抱き着かれても、言葉だけは否定してるがそれでもなんの抵抗もないから完全に仲が良くなおりしているようだ。
「別に・・・・優子にその声優のCD渡す中なんだからいいでしょ。もしかして、優子の事が好きだったりして」プププ
「な訳ねぇだろ!!!」
お前言ってる割には顔赤くしてるぞ・・・
「大体なんで涼浦が寧々様の事を興味もったかそれが知りたいんだよ。なんの理由もないのに貸せるわけないだろ・・・・」
「実はここだけの秘密なんだけど、ギンカってば今月の深夜ドラマでMicuniさんが寧々さんと共演するの聞いて、改めて楽曲聞いてみると興味が湧いたんだって。それで優子にそれを言ったら、木野原君が持ってるから、借りたいんだってさ・・・いいでしょ」
「そんなこと言われてもな・・・・・・・・・分かったよ・・・カバー曲、キャラソンを含めて明日持って来てやるよ。そんでいいだろ?」
「OKなんとか堕とせたよ」グッジョブ
「・・・・・・・」グッジョブ
どうやら無事に了承を得るとを確認すると互いにガッツポーズした。どうでもいいけど、落とすの文字、誤字ってんぞ・・・・
「ふぅ~~~~~」
「ざーさん。改めておはよう」
「おはよう大河君・・・・・・あの・・・・ありがと、私のせいでいろいろ助けてくれて・・・・いろいろ借りが出来たね・・・」
「借りとかそんなん言うなよ・・・・俺は当たり前の事をしたまでだ・・・」
「大河君・・・・・・」
ん?なんだ・・・・そのエロゲのメインヒロインが今にも告白しそうなメス顔は・・・・
「大河君・・・・す・・・」
す・・・・・なんだ?頼むから好きって言うなよ・・・・・目の前に最愛の彼女がいんのにそれを受け取れるわけないだろ!!!
「す・・・・・・」
「悪いな!!!!俺には、乃希亜という最愛の彼女がいるからお前の告白は受け入れない!!!」
「?????何言ってるの?終業式が終わったらクラス全員で、お疲れ様会するんだけど、回転寿司にするか、ギンカんとこの下宿先の居酒屋でいくか聞いてるんだけど・・・」
「お前・・・す・・・って最初に言ったはずじゃ」
「ごめん・・・・私寿司が大好物だからまっさきに行ってしまった。申し訳ない」か・・・・・・・勘違いしてしまった・・・・・・これは非常にハズイ・・・・
黒歴史確定だ・・・・
「大河てめぇ!!!」
乃希亜も顔を赤くして俺の事を睨んでいるんだけど・・・・というかクラス全員もニヤニヤと顔を浮かべるな。これじゃ恥ずかしすぎて俺明日から学校に休んでしまうじゃないか・・・・
「あれれれれれれれ・・・・大河君・・・・さっき九頭竜さんの事下の名前で呼んでたけど、謹慎中なのも関わらず二人の仲はそんなに進展したとは思わなかったなぁ」ニヤニヤ
「待ってくれ!!!今のはなし!!!」
「さっそく、九頭竜さんとどこまでしたか教えてくれないかなぁ・・・・」ニヤニヤ
「な・・・・・・何の事かなぁ」
「じゃあ九頭竜さんにその質問を変えよっか・・・」
「へ・・・・・・」
「お願い教えてくれたら、こそこそこそこそ」
「ば・・・・・・馬鹿野郎!!!何言ってんだ・・・・あいつとはキスまでだ文句あっか!!!」
「ハイ堕ちました~~~~~みんなイエーイ」
乃希亜のやつざーさんに何を吹き込まれたんだ?急に顔を赤くしてボロはいたぞ・・・・
てかざーさんのやつそれを聞いてかクラス全員にハイタッチしてHR始まる前からお祭り騒ぎなんだけど・・・前にもまして、テンション高くなってないかこれ・・・
「はぁ・・・・・・・・・相変わらず、楽しませてくれんね・・・・親友」
「涼浦・・・」
一瞬あいつはざーさんの陽気さに一瞬だが笑っており、その後は、ざーさんを止めようとしたが結局下ネタ発言であっという間に玉砕したのは言うまでもない・・・・
凸凹な二人だけど・・・・・・あいつらはこれからどんなことがあってもその友情は切れることはないだろうな・・・・・
その証拠にざーさんと涼浦のカバンに新しく買ったとされるおそろいのお守りがチラリと見えた。このお守りがこの二人を守ってくれるだろう・・・・
そう微かに思えてしまう自分がいた。
fin
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