世界のエロゲーマーさんは、おにいちゃんでもドン引きです

「俺、貴方の事務所の社長の知り合いで、頼まれて探しに来たんですよ。こんな所でなにをやってたのですか?もうすぐイベントが始まりますよ?」

「俺に質問するな!!!!!」

「は・・・・・・・」

「おお・・・・・仮面ライダーアクセルデスねーーーーー」

何言ってんだこの人?仮面ライダーアクセルの女体化かな?っというか、これに対して俺はどんな反応をすればいいんだよ?

ウケてるの隣の外国人だけだぞ・・・・・




「なんで、反応しないのかしら・・・・・・仮面ライダーは知らないのかしら」

「知ってるけど、突然やられても困惑するだけですよ・・・・・」

「そう?道理でこれをやるとこの外国人以外はヒいてる理由は分かったわ。ご忠告ありがとう」

あ・・・・・この人絶対友達がいないタイプだ・・・・・・





「さて、話は戻るけど、もうすぐイベントが始まるって話だったわね。それは携帯の電源が切れてたから連絡できなかったのよ」

「そうですか・・・・・では・・・・・」

その前に一ついいかしら?貴方、失礼だけど、初対面で名前を言わずに随分の物言いね。せめて名前と誕生日と年はいくつか教えてくれるかしら?」

そういうアンタこそ初対面なのに上から目線だな・・・・・これが国民的アイドルの実の顔か・・・・・

まぁ芸能関係の仕事だから無理に好印象を取らなければ仕事減るから当然だよな。




「え?大河都で高校二年の17で、誕生日が5月5日だけど?」

「貴方、わたしと同じ高校二年だったよね?もっと上だと思ったわ。っというか・・・・大河って?どこかで・・・・・」

「その知り合いの大河ってのは、貴方が最近ドラマで共演することになったMicuniの弟ですよ」

「Micuni?ああ・・・・・聞きもしないのによく自分の弟の事についてを話してるモデルさんね。その節はどうも・・・・」フッ

なんで鼻で笑ってんだ?姉ちゃん・・・・・・普段俺の事をどんな風に話しているんだ?

そしてお互いの顔見せが終わると彼女は周囲に正体がバレないように素早くサングラスとマスクをした。周囲を見ると、現時点で気が付いた人間はいないらしい。

っというかこんな服装でプライベートを過ごすなんて、いくら顔が良くても間違っても芸能人はなりたくないな・・・・・




まぁうちの姉ちゃんもそこそこ有名だけどマスクとかはしないけどあれは、恥とかそういうの気にしない大雑把な性格だからな。それゆえ姉ちゃんがやらかさないか、いつも心配に感じるからな・・・・・本当九頭竜以上に爆弾を持ってるからなあの姉は・・・・・



「ヘイそこのクールガール達?くだらねぇ話いいでござるか?生憎こっちが先客デースからミーの話聞いて欲しいデースよ」

あっすっかり忘れてたわこの変態Tシャツを着たオタク外国人。しかもそれだけではなく、日本語が慣れてないかメチャクチャな言葉使ってるな・・・・

出会って数秒でこのキャラの濃さ・・・・・アニメとかゲームでいうと下手すると主要キャラの良さをかっさらってそうな名脇役だな・・・・




「日本語は・・・・・ボチボチ喋れるようだな・・・・・英語にしとくか?」

「No!!!!日本語でOKだよ~~~~~~~」

今のセリフどこかで聞いたことあるぞ。さすが世界のアニメオタク。アニメの知識は俺以上だな・・・・・





「ミーはスイスから来た、ダニエルと言いまーす。ミーこれからアキバのフィギュアショップで萌えフィギュア買いあさりますヨー。知っていますか?『堕姫』ってエロゲーのヒロインの、高貴お嬢様のオーク○○○責めの〇〇腹フィギュアを買いに行くのデース。いやぁあの原作の名シーンを再現するなんてニッポンはHENTAIの国デース。堕姫程早々飽きないほどやりこんだエロゲはありまセーン」

しかも俺が知ってる最低のリョナゲの堕姫の事まで・・・・・というかそのゲームにそんなシーンがあったなんて知らなかった。まさかアレをクリアしたというのか?や・・・・・・・やったさすが、外国人エロゲーマ。




学生が出来ないことを平然とやってのける・・・・・・

そこに痺れないし・・・・・・・・憧れないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ




「オッホン。くだらない話をしないでなんとかしなさい」

「わ・・・・・・分かりました」

マスクで顔を隠しているもののそれでもうっとおしいそな感じの声色をしていたので俺はダニエルと名乗る外国人に的確にアキバに行くためのルートを教えることにし、外国人はメモ書きで熱心に覚えようとしていた。見た感じ理解した顔をしていた。

俺は、そのついでに土産屋に向かいダニエルに、適当にTシャツを自腹で購入しそれをプレゼントし、奴が着てるハレンチTシャツの上に着させることにした。これなら捕まるリスクは減るだろう。突然のプレゼントでダニエルは感涙していた。








「おお・・・・・ニッポン人は親切デースサンキュー少年」

「それはいいけどさ。あのさダニエル?アンタが今着てる下のTシャツ・・・・・アレ下手したら捕まるぞ」

「オーーーーーーー対〇忍シャツゥゥゥゥゥゥ。ついうっかりしてましたーーーーーー」

いくらなんでもうっかりしすぎだろ。俺が忠告し仲なかったらアキバどころか警察署行きだぞ。





「サンキューデース。ボーイ・・・・・もしかしてボーイも幕クロに行きますか?」

「なんでその事を・・・・」

「そこのアクセルガールも先ほどの電車内で幕クロのイベントに行くと言ってましたし、そのガールの知り合いだからそうだと思いマシターーーーーーー実はミーも昨日、そのイベントを十分に楽しみましたーーーー」

そう言いながらダニエルは嬉しそうにリュックから昨日イベントで買った『幕末クロ』の土産品を嬉しく見せていた。





「ホンとニッポンは最高の国なので、母国に帰ってもまた行きたいと思いマース。これ、お礼の品でござんす。また会いましょーーーーグッバイ!!!」

その外国人はリュックの外側に付いているエロゲキャラの缶バッチ二つを俺達に渡し、明るく去っていた。ちなみにその渡された二つは俺がご存知のエロゲのキャラの妹ちゃんと黒髪アイドル声優のヒロインのキャラデザだった。




「ふーーーーーー言ってしまったようね」

ダニエルが去って行くと、公方寧々は肩身が外れたように思いっきり深呼吸をしていた。どうやら彼女も俺とどうようにあの外国人に振り回されたようだ。

その予感は的中し、この後事情を説明される。どうやらマネージャーから逃れた後に駅内をふらつくと先ほどのダニエルに捕まえられ、アキバへの場所を案内して欲しかったようだ。断ろうとしたが、必死に土下座をしていたので、仕方なくアキバまでの案内をしたようだ・・・・

けど、困ってるのなら初めから駅員を呼べばよかったと思うけどな。





「けどなんでまたこんな大事な時にどこかふらつこうとしてたんです?」

「土産で買った酢昆布が切れていたのよ。わたし仕事始める前は、好みの酢昆布を摂取しないと落ち着かないのよ。それなのにあの新人マネージャーと来たら、前のマネージャよりも時間時間とうるさくて、コンビニに立ち寄る暇を作ってくれなかったよ。だからトイレに行きたいと嘘までついたのよ。それであの外国人に着いていって適当な駅に降りて店で酢昆布を買おうと思ったのよ。で、貴方がなんとかあの外国人を対応してくれたおかげで酢昆布を大量に買えたわ」

彼女は、先ほど大量購入した酢昆布が入った袋をブンブンと振り回して愚痴をこぼしていた。俺はとりあえず、多分いらないと思うがダニエルに渡された缶バッチを渡す。




「とりあえずあのダニエルって人に渡されたバッチ要ります?」

「要らないわこんなもの好きにして」

やっぱり断れた。





「それより今貴方スマホ持ってる?時間は何時?」

「え~~~~~~と10時25分・・・・やばい・・・・トークショーまで30分だ・・・」


「ええ・・・・・不味いわね。今からタクシーまで・・・・・振り切るぞ」

そう、アクセルの名言をこぼした後、有名アイドル声優は大胆にも俺の腕を引っ張り片方の腕で俺のスマホを借り、タクシー乗り場まで、スマホを片手に事務所に連絡しながら、全力疾走する・・・・



俺は、その光景をかつて九頭竜と知り合った日、一緒に警察から逃げようと一緒に走っていたことをふと思い出しながら、あの我儘アイドル声優の言う通りに行動することになった。

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