キャラ崩壊です
「なぁなぁギンカさーーーーーいい加減さぁ俺らと一緒に来ない?感のいいお前ならこの取引うけるよなぁ」
「へへへへへへへへへへへへ」
「ざーさん。なにがあった?」
「大河君!!!」
俺は、ざーさんから後から届いた場所にたどり着くと、見るからにチンピラらしき連中3人グループが涼浦達を囲って強引に掴もうとしているようで、周りの客たちもその光景を目の当たりにしているが、『何見てやがんだと』威圧してくるので助けにいける度胸が見えなかった。
背後に九頭竜が俺の背後に重ねてるかのように俺の袖を掴みながら影に隠れているが絶対に触発されると確実に殴りこみそうな雰囲気を強く握りしめられた袖の力で感じることが出来た。
その時中央にいるサングラスをかけた男が俺を見た途端になにかを気づいた。
「あれ、お前確かあん時ギンカんとこにいた。野郎じゃねーーーか。偶然だな。もしかしてギンカに呼ばれたりとか?」
「ちがう・・・・・ってなに触ってるし?気色悪いから離れろ」
その男が俺と話してる間にどさくさ紛れて涼浦の尻をさすったらしく、それを反発して右手を振り回したところ軽く躱して腕を掴んだ。
「おーーーーーーー怖!!!!相変わらずの生意気女だ。益々壊したくなる・・・・」ボソッ
「くっ・・・・・・」
「おい、お前らこんなことしていいと思ってんのか。ここで大声だしてもいいんだぞ。そうしたらすぐここに店員が駆け込んでくる」
「ちょっと大河君・・・・」
「まぁ落ち着けよ。俺だって無駄に騒ぎを起こしたくない。その為に協力してくれよ」
「何を言ってる?」
「お前・・・・ここにいる地味目な振りして無駄に元気な女、こいつ花沢神社んとこの娘だよな。実は俺さその神社んとこの近くで住んでるんだよな。もしここで従業員を呼んだりしたら、何しでかすか分かんないよ~~~~~」
そう言いながら男はゲス顔をしてこっちを向ける。そんな時従業員らしき人間が声をかけてくる。
「ねぇ君達なにしてるの?なんだか穏やかじゃないね」
「いえすんませ~~~~ん。大したことないんで・・・・・お構いなく」
「そう・・・・なるべく静かにね・・・」
そう言いながら従業員は安心だと思い込みさっていた。おいちゃんと見ろよ。無能従業員と思いたいがざーさんを人質にされちゃどうすることできない。だから涼浦達もざーさんを守る為に静かにやり過ごしていたんだ。
そしてその男は食い入る目で俺の後ろにいる九頭竜に目をいこうとする。ヤバイ・・・・非常にそれは不味い。
「ねぇそこの・・・かーーーーーのーーーーーじょ!!!そうだよ。君だよ君!!!可愛いね。今からお兄さんとお茶をしない」
「・・・・・・」
「ねぇそこの男より俺と一緒にいた方が楽しいよ」
その男はさらに目の前にいる俺を押しのけ不運にも九頭竜の目に留まり命知らずか横髪を払い右頬を触り口説いていた。髪型を変えイメチェンをした影響かどうやらこの男どもは目の前にいる女の子をかつて巷で騒いでる九頭竜とは知らないようだ。正体がバレずによかったのだが、それでも普段の九頭竜ならこの状況ならまず手が出てるだろう。
だが今の九頭竜はそれに対して唾を強く呑み込み・・・・行動する。
「こ・・・・・・・・困ります。け・・・・・警察呼びますわよ・・・・貴方達」おどおど
「へ・・・・・・」
その普段の性格とは裏腹になんだか弱々しい雰囲気のお嬢様風のキャラに変化していた。これには俺を含めて涼浦達は絶句した。
「へぇ・・・・いい声してるじゃん・・・それにいいからだ・・・・・コホンそうじゃないな・・・・お嬢さんどうかな?」
九頭竜の今のよそよそしい態度がタイプなのか・・・・男はチャラい見た目を整えて紳士的な態度をとっており、それに対して九頭竜は目の前にスマホをだす。
「今・・・・・警察に連絡しましたわ・・・・・今のうちに逃げればいいと思いますよ」
「へぇ・・・・それで俺達が動じると思ってんの?もし呼んでみたら・・・・あそこの花沢神社の娘のとこん家襲っちゃうよ・・・」
「そんなこと、ハッタリでしょう・・・・見た感じ貴方達は半端な人間でそんなことができません。恐らく群れてれば巨勢を張れるけど個人になるとなにもできないはずですわ。その証拠に、わたくしが今初めて出会った時からずっと手が震えてるじゃないですか・・・・」
九頭竜は、優秀であってかこの状況でも関わらず静かに分析していて男達の図星をついた。
そして見抜かれた男は赤っ恥をかいたように顔を赤くなり九頭竜に殴りかかろうとした。
「調子に乗んなよーーーーーーーークソアマーーーーーーーーー!!!」
「ふっ・・・・・・・・キャアーーーーーーー」
だが九頭竜はそれを避け、すかさず相手を持ち上げ、これまたらしくない怯えた声を上げながら背負い投げをしていて、周りから正当防衛だと思わせるように演技をしていた。
そして、倒れた男にこれでもかと追い打ちをかけるように、頭部近くに本性の片鱗を見せるかのように強く足を踏み込んで、男に恐怖を煽った。
男は先ほどの威勢の良さとはうって変わりビクつきヘタレ出していた。どうやらこいつは、ちょっと怖い目を与えると弱くなる、チンピラになれないただのチャラ男でしかなかったようだ。
「今のは、正当防衛ですよ・・・・・わたくし怖がりだからその足がうっかりとその顔を踏みつけるかもしれないですよ」
「ひぃ・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「おい待ってくれよーーーーー」
九頭竜は、演技をしながらも、静かな声量でそう言い残すと男は怖い目をあったようで身体中を震えだし、逃げ帰っていて、取り巻きと思われる男もついてくように逃げていた。すると周囲で物陰で隠れていた周りの客はパチパチと拍手をしていた。
その後はその騒ぎについて改めて従業員からありのままを話し、事件を公にせずに先ほどの男達の顔を確認し出入り禁止にすることで話は終息した。
ちなみに九頭竜が警察に連絡をしたというのは、男達の気を逸らすための口実だった。
涼浦はあの男と前からの知り合いで、性格上ざーさんの家に仕返しをしないと考えたが、それでも心配なので、念のために姉ちゃんに連絡して、かつてあの男に返り討ちにあったその二の舞として男達にもう一度厳重注意するようだと怒りながら連絡を切った。
せっかく内々定貰ってドラマの撮影も決定したからあまり目立った行動を慎んでくれと内心心配する自分だった。
そして従業員からの質問責めを終わり俺達は解放され、改めてざーさん達にお礼を言われる。
「今日はありがとう大河君。九頭竜さん助かったよ。優子ってばずっと泣きそうだったから心配したよ」
「うん・・・・あたしはそんな・・・・」
「いや俺は何もやってない・・・・礼なら九頭竜に行ってくれ・・・・・」
「・・・・・・・」ムスッ
「ほら銀華、何時まで不貞腐れてんの?いい加減現実をみなよ」
「ちょっと蓮、話せよっと・・・・」
少し離れた場所で涼浦は腐っていたが立野に無理やり連れられ九頭竜の前に立たされていた。すると決心したかのように顔を横にむきながら目の前に先ほどクレーンゲームでとったとされるお菓子の詰め合わせを渡そうとする。
「これ・・・・・・やるよ。言っとくけど感謝はしないし・・・・別に助けてくれと思ってないから・・・」
「いらねぇよ、んなもん」
「いいから受け取れって。うちの虫が収まらない」
「・・・・・・分かった」
涼浦はさらに腕を伸ばし九頭竜にお菓子を押し付けると、九頭竜は素直に受け取った。まだわだかまりがあるが、これって和解したことになるのだろうか・・・・
この光景を見るとざーさんは例の話題を口にした。
「良かったね。二人共。さぁそれはそうとして、さっきの九頭竜さん、どうしたの。らしくない口ぶりして、もしかして大河君に仕込まれたとか」むふふふふふ
「ちげぇよ・・・・何勘違いしてやがんだ。あれはだな・・・・大河と・・・・お前らと静かに日常生活をしない為にとった行動だ。っていうか花沢その顔止めろ。なんか腹立つ!!!」
「わたしらも驚きだ・・・・あの九頭竜さんが喧嘩もしないでこの場を収めるなんて・・・」
「ホンと・・・・あの時は暴力沙汰を想像してたから」
「お前ら普段からオレにどんな印象を持ってんだよ」
「フフフフフフフフフフ・・・・アハハハハハハハハ」
「涼浦?」
あいつは突如としてなにかが抜けたように、笑いだし九頭竜を指をさしながら腹を抱えていた。
「九頭竜~~~~~~~~ホントッあれなんだよ~~~~~~マジウケんるんだけどwwwwwwww。なにそのわたくしとかですわとかどこかのお嬢様かよwwwww」
「てめぇなに笑ってんだゴラァ!!!ですわ♡とか言ってねぇだろうが!!!!」
「ですわ♡wwwwwwホントギャップが違うわ・・・・・・ハハハハハハハハハハ。マジ笑いが止まらん。それ今すぐにでもばらしたいんだけど」
「てめぇもし、ばらしてみろよ。その時は覚悟しろよ」
「じゃあ頭を下げて『お願いしますわ♡』とお嬢様風に謝ってよwww。そしたら改めて考えるけど・・・」
「クソが!!!!!だからてめぇには、明かしたくなかったんだ」
あ・・・・・あの時九頭竜があのサングラスの男の前で強く唾を飲み込んだのは、演じる決心じゃなくて普通にその演技を涼浦の前でやるか決心するときのものか・・・
まぁともかく九頭竜と涼浦の対立はまだ終わらないが、前と比べて温かい感じがするのはなぜだろうか・・・
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