テスト地獄は終わったのになぜかご立腹です
三日間に及ぶ重苦しい期末テストもようやく終わりクラス全員は開放的な空気になっていた。さてと・・・・・
「ん~~~~~~~~やっと終わったーーーーーーこれでやっとエロゲができ・・・・・」
「セイヤーーーー」
「ぐはっありがとうございます」
とりあえず教室にまだクラスメイトがいるのも関わらず大声でエロゲ発現する空気読めないアホにコッソリとクラスメイトをかいくぐり、一発背後から飛び蹴りを食らわすことにした。運よく樹より前の席のクラスメイトは起点が利いて俺が背後に来るときはすでに避けてたので思いっきり蹴りやすかった。
「おい、なにすんだよ。みゃこ?ねぇ先生今の見ましたよね。明らかにいじめですよこれ?」
「俺は何も見てない・・・・」
「・・・・・ダディ?ナズェミテルンディス・・・・・・・オンドゥルルラギッタンディスカーーーーーー」
「まずお前とわたしは親子なんかじゃない・・・」
悲惨なオンドゥル語をクラス中に響かせながら静かに先生は去っていた。確かに先生方から見れば親しいもの同士がからかい程度に人蹴り入れる描写だ。無論これはひ弱な男子や女子に食らわすといじめに見えるのだが樹みたいな見た目だけ体力がありそうなやつにはいじめには見えない不思議さがあるのだ。
そう思いながら俺はこっそりと樹に厳重注意をしようと・・・・
「アンタとオレウァ仲間じゃ・・・・無かった・・・・・ソンナ・・・・ソンナ・・・嘘だ・・・・・・ウソだドンドコドーン~~~~~」
「いい加減にしろよ・・・」
っていうかいつまでもオンドゥル語続けてんだよ。エロゲばらされるよりこっちが恥ずかしいわ。
「(お前何回も言っただろ?教室にエロゲ発現するなと・・・・仲間の俺まで恥ずかしくなるだろ・・・・)」ひそひそ
「(別にいいじゃねぇか?お前のせいでとっくにバレてるよ)」
そっか・・・・・もう俺らがエロゲ趣味ってのはもうクラス中には駄々洩れだったな。余計な事をしたな・・・
俺は樹に謝ることにしこのままHRを過ごすことにした。今日はテスト後はそのまま帰宅なのでまず九頭竜に一緒に帰ろうとする。
「なぁ・・・九頭竜?こんなことを言うのもなんだけどこのまま一緒に帰ってもいいのか?お前の仲の良かったグループどこか行く気だったぞ」
「ああ?あいつら確かこの後アニ〇イト言った後に、スポ〇チャ行くって言ってたな。オレも最初行くの誘われたけど、お前が寂しいそうな顔をしてるから一緒に帰りなよってニヤニヤと拒否られたんだよ。どうしてくれるんだよ」
「俺そんな顔してったっけ?」
「してたに決まってんだろ?オレもお前の顔一瞬だけ見てたけどふざけた顔しやがって、一発ぶん殴りそうになったぞ」
確かに九頭竜がそのグループと話してる時に、じっと見てたのは否定しないぞ。あれはあのグループがテストでいい結果が出したことを現わしたように清々しい顔をして勉強を教えてくれたお前にお礼を言ってますます親しくなれたことに嬉しく思えただけだからな・・・・・最初は九頭竜の事怖がってたのにえらい違いだったぞ。
さて、九頭竜と一緒に帰るのはいいがこの後どうするか・・・・バイトにはまだ時間あるし・・・・そうだとりあえず・・・・・
俺は突如思いついたひらめきで内緒である場所についていこうとする。
その場所は・・・・・
「ちっ!!!!」
「どうした九頭竜?さっきと比べてえらいご立腹だけど・・・」
「どうもこうもねぇよ!!!!ここ前来たゲーセンじゃねぇか!!!」
そう、俺がついてきたのは、以前九頭竜と一緒に入ったゲーセン前だ。どうやら九頭竜はこの場所はこの場所が気に入らないような感じだった。そういやここは最初に涼浦と因縁が生まれた場所だったな。そのせいか先ほどから殺気を出してるかのようにオーラを放ってるんだけど・・・・
確かにギャルゲやエロゲではデート場所を短い期間で同じ場所に連れてくと好感度が低くなるとは聞いてたけどこうも現実に起きるとは・・・・
「まったくバリュエーションが少ねぇな!!!もっと驚く場所に連れてけよ・・・」
「例えばホテルとか?」
「ホ・・・・・・・・・ホホホホホホホホホホ・・・・・・・・ホテ・・・」
まずい。冗談半分で言ったのに、九頭竜の純情ネットワークがエラーを起こしてオーバーヒートを起こしてしまったぞ。俺の計算が正しければ後数秒後で意識を取り戻り怒りで我を忘れて突っかかってくるぞ・・・・・はい
「て・・・・・てめえいきなりなに言いやがんだ。彼氏とはいえ殴られねぇと気が済まねぇようだな!!!」
はい予想通りと来たもんだ。不良は止めたというのに、この調子だと下手すると逆戻りになる心配があるな・・・
幸いこのことを予想してかゲーセン裏の人目が付かない路地裏に来て正解だった。場所が場所だったら即警察がくるな・・・
「悪い悪い。軽い冗談だ・・・・」
「くそ!!!この次は気をつけろよな」
「相変わらずの性格・・・前と変わらないな」
「当たり前だろ。人がそう簡単に変われると思うなよ?」
「てか・・・・前から思ったけどさ、俺と正式に付き合って以降ちゃんと不良と喧嘩しなかったよな?」
「当たり前だろ?お前との約束破るわけないだろ?」
これは目を見るとどうも嘘をついてるような感じはしないな・・・・・おっとこのまま目を合わすとあいつ照れるから逸らすか・・・
「お前がちゃんとしたこの髪型のお陰でなんとかバレなくなったからな・・・」
「そんな単純な・・・・・・じゃあもしそれでもバレたらどうするんだ?」
「それは・・・恥ずかしいけど・・・・奥の手で誤魔化す」
「なんだよそれ・・・・」
「うっせぇな・・・・・なんだっていいだろ?せっかくゲーセンに来たんだから行くぞ」
「おい・・・・・待てよ・・」
そう言いながら話を逸らしゲーセンに入った?奥の手・・・・どうも気になるな・・・
ゲーセンに入ると俺はなんとか九頭竜に追いつきそこで偶然目がついたのはクレーム前で、しかもその景品は今流行りの『幕末クロニクル』の人気キャラである水着沖田総司ちゃんフィギュアじゃないか・・・・そういや今日からプライズとして出されていたのか・・・
ソシャゲ版では低課金勢ならなかなか手に入れない代物をこうも目の前に用意されるとは・・・これはやるしかないな。
「九頭竜、すまん。あれやっていいか・・・・」
「フン・・・・それくらいオレが取ってやるよ」
「いやいいよ。自分でやった方が楽だ・・・・」
九頭竜はなにやら自身ありげにクレーンゲームの前に立ち何枚かコインを入れ、静かにクレーンを動かせる。
十分後・・・・・・
「クソが!!!!なんで取れねぇんだよ!!!」バンバン!!!!
「おい、バカ、何やってんだ!!!!」
「うるせぇ話しやがれ!!!」
九頭竜は鬼の形相で我を忘れてクレーンゲーム機のガラスを今でも粉砕しそうな勢いでゆさゆさと揺らして、姑息に景品を揺らして落とそうとしていた。
どうや五分の間九頭竜は二千円を消費しても一向に取ることが出来なかったのだ。
気持ちは分かるがこれじゃ絶対出禁待ったなしだ。
「落ち着けよ。お前ゲーセンはよく行くんじゃないのか?」
「あ?確かに行くけど、主に格ゲーやスロ、パチが主流でそれ以外はやった事ないんだよ!!!」
じゃあなんでさっきは自信ありげな顔を見せたんだ。もしかして取りやすい配置だから、自身を持ったのか?甘いんだよな。その配置こそが店員が仕向けた罠なんだよ。
俺は一度店員に元の配置に戻すように頼み、今度は俺が挑戦する。
う~~~~ん俺の計算が良ければ500円を入れれば行けるか?
そしてさらに五分後~~~~~
「よっしゃーーーー沖田総司ちゃんゲットだ」
「・・・・・・・・・・・」ピリピリ
うわぁーーーーーーオレがすんなりとゲットしたらさらにムスッとして口をきいてくれない・・・・
これ以上九頭竜が爆発しないようにゲーセンは諦めるか・・・・
まだ、他にも取りたい景品が気になりながらも諦めようとした時・・・・
「あれ?大河君ここに来るなんて偶然だね」
「ざーさんそれに涼浦も・・・・」
『ちっ!!!!!』
偶然ざーさんと涼浦が、クレーンゲーム前に出くわしていた。そして九頭竜は涼浦の顔を見ると今でも殴りかかんと言わんばかりに、メンチ切っていた。
頼むからこれ以上俺の彼女を刺激するのは止めてくれ!!!
「どうしたんだお前ら?」
「いや・・・・だって今日、プライズで夏限定のチョコ菓子のパーティーセットが設置してるからギンカ取って貰おうと思って、ちなみに優子と蓮も別所だけどいるよ」
「聞いてねぇよ・・・」
「いやーーーーーそれはそうとテストは地獄だったね。私は、バカだからずっとギンカに手厳しい教えて来て・・・・・これが勉強中、エロ画像見ないようにスマホを没収されたから最低だよ・・・」
「いや最低なのはお前の頭だ・・・・」
それはそうと呑気に俺ら話していいのか?その隣のお前の友達、九頭竜と無言のまま火花散らしてるんだけど・・・・・
「ほら、ギンカ、いつまでも九頭竜を睨んでないで頼むよ」
「はぁーーーーーマジ憂鬱だわ。なんでこんなタイミングであのクソヤローの九頭竜がいるし?テンションだだ下がりなんだけど・・・・
ざーさんと涼浦とはとりあえず何事も無かったように別れる。途中涼浦の暴言がクレーンコーナー付近に聞こえそうなので俺は九頭竜をさっさと別の場所に連れてくことにした・・・・
はぁ・・・・・今日は厄日だな・・・・
その後俺達は、コインを購入しスロットコーナーで適当にプレイする。
九頭竜は元ヤンは偏見かも知れないが、スロットをしてる姿が不思議と似合ってるな。で、様子はというと、スロットの方が連続で当たり続きなので、嬉しく思い機嫌が徐々に戻りつつあった。
ふぅ~~~~~起点を利かしてここに来て正解だったな~~~~~
ブルルルルルル・・・・
あれ、ざーさんからLINEが入ってる?どうしたんだ?
『大河君、まだ、ゲーセンの中にいる?今大変な事起こってるから来てくれない?』
俺は嫌な予感をしながらも、ざーさんの元に向かおうとする。
「すまん九頭竜、ちょっと用事があ・・・」
「花沢のとこだろ?オレのとこにも来てる。一緒に行くぞ」
「多分大したことないからお前はスロットやってろ。今いいとこなんだろ?」
「馬鹿野郎。そんなくだらねぇことよりも、友人を助けるのが最優先だろうが、どうせ大方涼浦が問題起こしたんだから、あいつに恥をかかすチャンスだ」
そう九頭竜は、コインをこのまま放置し、ざーさんが指定する場所に向かうことにした。
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