ここまでされては教えるしかないようですね

休み明けの七月最初の月曜日、その日はいつものように早く電車に乗り九頭竜の家から寄る。九頭竜とは一昨日の図書館のやり取りが最後だったから二日ぶりの再会だ。熱々の時期の俺達は本当なら毎日会いたかったのだが、昨日九頭竜は事務所の仕事で会う機会がなかったからな。なんせ声優とかアイドルの仕事はテスト期間にも関わらず予定が挟んでいるのだからしょうがないことだ。




九頭竜は相変わらずぶっきらぼうな態度を取っているのだが、それに合わずちゃんと俺の手を握って登校してくれるからツンデレ感があるから嬉しく感じる。これならいつ名前呼びが変わってもおかしくないな。

九頭竜が名前呼びになんの抵抗がない時間が来るのを待ちながら楽しみに待ってることする。





そんな新しい世界を楽しみにしようとしてるさなか、教室で樹が俺と目を合うと突然土下座をしており、その姿勢は無駄に綺麗だった。





「都様、どうか一生の願いを聞いてください」

「断る」

「まだ、何も言ってないのだけど」

その体勢見て分かる。どうせ休み中はエロゲのやりまくってたからテスト勉強やってないから一緒に教えてくださいってことだろう。その見え透いた頼みに俺は軽くため息を吐いた。




「お前、確かこの前の金曜日、リア充に教えるなんて嫌だととか後それに加えて俺の九頭竜が頭悪いって馬鹿にしてなかったっけ?」

「俺の九頭竜・・・・フフッ・・・・お前きょ・・・・・教室でなに言ってんだよ」

九頭竜さん恥ずしいのは分かりますけど途中ににやけ笑いはやめてくれませんか?言いだしっぺの俺までにやけてしまう。




「そこをなんとかお願いします。もしここで赤点をとったら、安楽と理想な期間の夏休みに追試で学校に行かなくなってしまう。そしたらお前困るだろ?」

「俺は困らないぞ」

「そんなこと言うなよ。今月の下旬には寧々様のライブに行く予定でチケットお前との二人分買ってあるんだよ」





「お前が追試で行けないのは勝手だ。だがそうなると誰が一緒に行くと思う?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・万丈だ」

「いや、万丈いねぇだろこの学校?」

「三年に卓球部女子の万丈先輩がいるだろ。あの付き合いたい女子ベスト3に入るナイスバディの先輩といつ知り合ったんだよ?」

「お前、オレがいんのに、知らずに他の女と仲良くなってんのか」ゴゴゴゴゴゴゴ

「九頭竜さん、とりあえず静かにしてくれ・・・・」

お願いだからあのアホの言葉を間受けにするの止めてくれない?お前がいんのに他に好きな相手なんていないのは冷静に分かるだろ。





「そもそもなんで、この二日間勉強しなかったんだよ」

「30分はしたぞ」

「それはしたとは言わない」

「それが・・・・本当はやるつもりだったんだけど、この金曜日に発売されたエロゲがあるんだよ。それ、どうしても欲しかったから深夜販売で即買いして二日間やりこんでてたわ」

「まったくお前って奴は・・・・つーか先週ってなにか面白いエロゲってなんかあったっけ?どうせゲテモノ好きのお前だから大したものじゃないだろ?」

「チッチッチ今回は良作だぜ。『臨海戦士リナ』ってものなんだけど、魔法少女ものの〇姦ゲーだけど、触手プレイがいいんだよ」

「魔法少女に触手なんてありがちじゃねぇかよ・・・・」

「いや、オッサンが触手プレイされるぞ」

「誰向けだよ。こんなの半分ホ〇ゲじゃねぇかよ・・・・」

やっぱりこいつはアホでドM過ぎる。なんとかしないとな。






「分かった。とりあえず教えるよ。九頭竜と一緒にな。お前大丈夫か?」

「ええ~~~~~九頭竜とか~~~~~」

「あ?文句あんのかよ?言っとくけどこっちもお前に教えるのなんか嫌だ」

「言っとくけど俺より九頭竜の方が頭いいし、お前の実力を見てから最良のテストを作ってくれるから効率いいぞ」

「本当か・・・・・俺こういうガラが悪い奴好きじゃな・・・・・」

「んだとゴラァ!!!てめぇもう一遍言ってみろ!!!!」

「ひぃぃぃぃぃご勘弁を~~~~~~~」

アホの失言で火に油を注ぎ九頭竜はブチ切れ乱闘待ったなしだから俺は九頭竜を抑えることにし、双方をなんとか説得することにした。






そして昼休みに入りさっそうと昼ご飯を終え、午後の授業も近いので宗介を含むいつもの三人と九頭竜達で勉強をすることにした。なんせテストまで後二日に迫ってるから必要な空き時間は無駄なく使うことにし、まずマンツーマン指導で俺と宗介、九頭竜と樹が担当することにする。




「宗介、相変わらず社会だけは覚えがいいな」

「はははははは、それしか能がないけどね・・・」

前の中間と小テストを含めると社会はいいが、他は半分くらいで、一番やばいのは数学だな・・・・・確か前の中間も数学は41点の赤点ギリギリだったしそれに加え今まで大会が近いから勉強をおろそかにしてたのか・・・・

まぁ宗介もテスト期間中は剣道を中断して勉強をしてるから平気だと思うがもし最悪な事態になったら俺の責任だ。




「とりあえず、昼休みだから全部の教科を見ることできないがもし、ヤバかったら俺の責任だ許してくれ!!!」

「ってなんで都が謝るの。ちょっとみっともないから止めてよ・・・・・」

宗介はわたわたとした表情を見せて、より一層色っぽく見える。

俺が九頭竜と付き合って、イチャイチャしてたばかりにお前の事をしばらくほったらかしてすまない。罪滅ぼしに俺はやさしく教えてやるぞ・・・・・


「都・・・・・なに近いよ・・・・」

「黙れよ・・・・・テスト近いから黙ってろよ」顎くい

キャー!!!!

ん?今、歓喜な叫びが聞こえたのだが・・・・俺は冷静になり周囲を見渡すとなんかクラスだけではなく廊下越しで他のクラスの女子ががニヤニヤとこっちを見てるんだけど・・・・・



「やっぱりね・・・・・大河君と沖君ってそんな関係だったんだ」ひそひそ

「うわ~~~~~~~萌え~~~~~~今年のコミケはこれをネタにしよう」ひそひそ

「イケメンとイケメンの危険な恋そそるね~~~~~~」ひそひそ

「正直大河君は九頭竜さんよりこのカップリングが似合うな」ひそひそ




何考えてるんだこいつらは宗介が美少年+男の娘属性だからってそういう感情を得てはならない。あくまで友達なんだしまいてや俺には彼女がいるからそういう気を起こすつもりはしないぞ。っていうかコミケのネタにしようとした奴出てこい。徹底的に注意するぞ。




「こいつら~~~~~~」

「あははははなんか勘違いされたね・・・・」

「お前そこは怒るべきだろ」

周囲の腐女子達のせいで変な雰囲気になってしまった。この状況九頭竜には届いてるのかな?俺は恐る恐る樹の席にいる九頭竜に目を向ける。






「おい!!!!てめぇさっきから間違ってばかりじゃねぇか!!!やる気ねぇならぶっ殺すぞ」ドカァ!!!!

「うわぁぁぁぁぁぁぁ殺される~~~~~~」

九頭竜が突然ブチ切れ、樹の机を倒れない程度にぶっ倒れると樹は、悲鳴を上げながら逃げていった。っていうか毎回思うけどあいつ九頭竜を怒らすのが得意なんだな。ある意味才能だ。





「おい、九頭竜なにがあったんだよ」

「すまん・・・・全問不正解はまだ許せたけどこいつの不真面目そうなくそったれな顔を見てたらついイライラして感情が爆発してしまった」

「理由はどうあれ樹を探すぞ。もし樹の状況を教師たちに見られ、状況を説明されたら、下手したら退学だぞ」

「それはまずいな・・・・」

俺は一度宗介の勉強を中断し、樹を探すことにした。頼むから変な誤解は起こさないでくれよ。





だが以外にもあっさりと見つかり、廊下を飛び出して数メートルの二階に降りる階段付近で樹は見つかったのだが予想以上な光景を目のあたりにする。

それは樹が同じクラスの那智田にラブコメ的な突撃が原因か双方激突し倒れこんでる姿を発見した。



俺はすかさず二人に声をかけるが、双方とも頭を打ったりとか下手な外傷もなくお尻を打っただけで良かったのだが、一言言わしてもらいたい。




これもしかして樹のラブコメ展開発動中ですか?

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