図書館は静かにお願いします
やり過ぎたイチャイチャで姉ちゃんに追い出された俺達は途中近くのコンビニで九頭竜に金を貸してもらって俺はコンビニ弁当とコーヒーを、九頭竜も適当にコンビニ弁当とジュースと大好きなチュッパチャップスをに買いテーブル席で適当に談話した後に図書館に移動する。
道中、図書館の道のりが遠くもうすぐ7月になろうであってか昼間の猛暑がきつく、コンビニでずっと過ごしてた方が楽に感じていたが、九頭竜はその暑さにも関わらず、先ほど変更したポニテが、夏の日差しと似合っていて魅力的な絵になったのでそれをバネとして頑張ろうと案内した。金髪ポニテっていいよね。
そしてその気合でなんとか近場の図書館につき早速室内の冷房を感じたところで早速席に着く。中に入ると他の学校でもこの時期は同じく期末テストであってか俺ら以外の中高生がいて、なかには見るからにガラが悪そうな黒ギャルヤンキーも片手に教科書を持ちながら勉強してるようだ。
その黒ギャルがらしくない姿になんとなくしばらく見てると九頭竜が俺の袖を伸ばし正気に戻ると俺達は適当に座り教科書等を出す。
姉ちゃんに追い出され俺は何一つ持ってなかったが九頭竜に貸してもらったおかげで俺は静かに勉強する。とは言っても俺は九頭竜からは、苦手な要素はなさそうだから、教えることはあまりないと一蹴され、今やってるのは、とりあえずテスト範囲の暗記の為の書き取りといった実習のようなものだった。
くそ~~~~~無駄に真面目であってかテスト期間前に授業に習ったところの予習、復習をなりげなくやってたことが仇になったか。
樹みたいなアホの脳みそだったら今頃九頭竜に勉強を教えて貰うというイベントがあったのにもったいないな~~~~~
で、対する九頭竜は何をしてるのかというと、カバンからA4用紙を取り出し教科書
を開き、以前仲良くなったオタクの女子グループのみんなに個別の模擬テストを作成してるようだ。しかもそれはご丁寧に一人一人に苦手だと部分の問題を考えてオリジナルの答案を作っていたのだ。
どうやらそれを休み明けに渡すらしく、丁寧に仲間の苦手を克服しようとしているのだ。
その為思いっきり集中して答案を考えてるので話をする空気ではなかった。
完全に蚊帳の外とされた俺は一人寂しく書き取りをしてる中、無意識に先ほど目に入った黒ギャルヤンキーに視界に入る。そいつは見る感じ他に相手がいなく一人だった。それゆえか余計に気になってしまう。
別に好きとかいう感情ではないがこういう孤独で物静かにやってる姿が以前の九頭竜に似てているが故につい懐かしく感じたのだ。
「おい!!!!」
「うおっ・・・・」
突然の響く声で俺はびびりながら目を向ける。見ると九頭竜は自分のポニテをフルフルと揺らしながらなにか気に食わない感じな目つきをしている。俺何か悪いことしたかな?
とりあえず俺は、周囲に迷惑になったかも知れないので軽く頭を下げ九頭竜に耳打ちする。
「どうしたんだよ。図書館では静かにしろよ」ひそひそ
「さっきからお前の事呼んでたのに無視するおのが悪いだろうが。黒ギャルをさっきから夢中だったから注意しようとしたんだよ」
「うっ・・・・やっぱ見てたのかよ」
「当たり前だ。お前は意識してないかも知れないけど軽く5分くらいは見てたぞ」
「すまん九頭竜。そんなに見てたのか・・・」
「すまんじゃ済ませねぇだろ。目の前に彼女がいんのになんで他所の女を見てんだよ」
「妬いてるのか・・・」
「な・・・・訳ねぇだろ。ちょっとムカついただけだ」
それを世間的に妬いてると言うんだけどな。まぁ何はともあれ九頭竜にそこまで心配されるとは俺はどうしようもないな。
俺は九頭竜に余計な誤解を生まさないようになぜさっきのヤンキーを見てたのかとりあえず説明すると、なんとか納得したように見えた。
「なるほど、あの女がなんとなく昔のオレに似てたから見ていたということか・・・・」
「昔というかごく最近だけどな・・・」
「うるせぇなそこまで説明しなくても分かるんだよ。で、お前は前の姿が良かったのか?」
「なわけないだろ。今のお前が断然好きだ」
「なら気にすんなよ。お前が愛してるのは昔より今のオレだろ?」
「ああ・・・・・そうだな。すまんな九頭竜・・・」
「チッ・・・・・分かったお前がうじうじとしている理由。それだよ。なんで付き合ってしばらく経ってるのに未だに苗字呼びなんだよ」
あっそういえばそうだな。今まで普通に苗字で呼んで違和感なかったけどそろそろ下の名前で呼んだ方がいいかもな・・・
「じゃあ乃希亜って呼ぶわ」
「・・・・・・・・・・・・」かぁぁぁぁぁ(無言の疾走)
あ・・・・・呼んだとたんに顔を隠して走りながら出て行った。たく図書館は静かにしろって言ったのに・・・
俺は一度教科書等を置いて九頭竜の後を追った。
外を出ると自販機前に恥ずかしくなった自分の顔をガンと押さえつける姿を見かけ声をかける。
「乃希亜・・・・なぜいきなり逃げるんだよ?」
「バカヤローーーーーー!!!!いきなり名前で呼ぶんじゃねぇよ!!!!!」
その時俺の袖を掴みかつてない声量で叫ばれ俺は耳を抑えた。顔が赤いのももちろんだけど呼吸も過呼吸になりそうなくらいに荒いぞ。
たくっ名前で呼んだだけでどんだけ恥ずかしいんだよ。
「落ち着けって外とはいえ、図書館は前だから静かに・・・・」
「お前はそれしか言えねぇのかよ。まったく名前を呼ぶなら呼ぶって前もって言えよな。こっちだって心の準備があるんだよ」
「そんなもんか・・・・でどうするんだこのまま続けるのか?」
「いや・・・・しばらくはいつものように苗字呼びでいいだろう。それでしばらくして二人きりでいいムードになった時に再び呼ぶことにしような・・・・だからその時まで楽しみに待ってくれよ」
九頭竜は俯きながらそう呟いた。まったく普段は強気なのにこういう時はいつも弱気だな。そこが好きなんだけどな・・・・
「後さ九頭竜、提案があるんだけど俺の名前は以前のように苗字でいいからな・・・」
「あ?お前だけずるいだうが?ちゃんと名前で呼ばせろや・・・都」
「それなんだよなぁ・・・・・俺の名前知っての通り女っぽい名前だろ?親がつけた名前だけど、小さい頃はその名前でからかわれた時期があるんだよなぁ」
「だけど、木野原とか沖とかは普通に呼んでるだろ?」
「樹の場合はみゃこだから曖昧な表現で呼ばれてるからマシだ。宗介の場合は昔は否定はしたが、あいつは強情だから意思をまったく曲げずに呼んできて最後はあいつの泣きそうなつぶらな瞳でしかたなく呼ぶようにしたんだ」
「さらっととんでもないこと言ってないか・・・・」
「とにかく、時期に慣れるかもしれんが都みやことは今のところは呼ばれたくないなぁ」
「分かったよお前も強情だな。じゃあミヤってのはどうだ?」
ミヤか・・・・・悪くないな。っというかこれが一番妥当だな。
「悪くないな・・・じゃあ俺は今度からお前の事乃希亜たんと呼ぶわ」
「ぶっ殺すぞてめぇ!!!!」
当たり前のように却下された。まぁ冗談はさておき、今はお互いに名前で呼ぶのは早いから九頭竜が言ってたふさわしい時期になったら呼ぶことにしようか・・・・
そしてその後はいつものように中に戻り静かに勉強し夕方までやった。
帰り九頭竜は松村さんを呼んで俺の家まで送った後に、別れの挨拶をして帰った。
家に帰ると、姉ちゃんが許してくれたかドアが開けてくれた。まぁその代わりに夕飯中に『あのチンピラと何をした?』と連呼は激しかったが、そこは普通にスルーした。
こうして長かったようで短かっかった6月は終わり明日から7月を迎える
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