イチャイチャは許しませんと言わんばかりにこっちを見ています
「・・・・・・・・・・」バチバチ
「・・・・・・・・・・」バチバチ
九頭竜が突然俺の家に来て勉強をすることになったのだがブラコン姉が九頭竜と俺が壁の向こうでこっそりとイチャイチャしてるのではないかと疑念を抱いているので俺達三人はお互い見えやすいようにリビングのテーブルにて静かに勉強をしてるのだが、目だけはお互い睨みつきながら火花が散らしていた。
なにこのありがちな三角関係?修羅場過ぎて気が重いんだけど・・・
「おい・・・」
「なんだチンピラなんか用があるのか・・・・・」
「当然だろ?なんで彼女であるオレを差し置いて姉のアンタがこいつの隣に座って肩をすり合わしてんだよお前ら姉弟だろうが」
「ふん。なにを言っている。ここが私の定位置だ。例え恋人だからと言ってここだけは譲るつもりはない。そうだよな。弟!!!」
「ん・・・・・俺に振るなよ」
「てめぇらいい加減にしろよさっきからベタベタとくっつきやがって。見てるこっちがイライラするんだよ」
そのセリフ特大ブーメランになってるんですけど・・・・
「なんだ文句あるのかチンピラ。お前都と親しくなって一か月も経ってないのに、イチャイチャを求めるなんて早すぎるんだよ。こっちは我が弟と生まれた時から知り合いだから優先順位はどうみてもこっちが先だろ」
「そりゃ、姉弟だから当たり前だろうが」
「うるさい。私がいる前では弟には好き勝手させない。サッサと帰れ!!!」
さっきまで一人で黙々と勉強してたのに人前だとこんなに彼女面するんだ。
姉の自分勝手の持論を語ってるが為に九頭竜は呆れておりこっそり耳打ちする。
「お前、こいつと毎日いると疲れるだろ・・・・」ひそひそ
「もう慣れた・・・・」ひそひそ
「どうにか、黙らしてくれないか?」ひそひそ
「そう言われてな・・・・・姉ちゃんを止められるんなら熊の一頭でも用意しないと・・・・・・まぁ一応やってみるけど」
「こら!!!さっきから何をコソコソとしているんだ!!!私の前でイチャイチャするなと・・・・」
俺は立ち上がり興奮している姉を抑える為に囁く。
「姉ちゃん・・・・・・愛してるよ」
「・・・・・・・・・・・・・」キュン
その一言に姉は堕ちた・・・・・
うちの姉はこの一言を囁けば大抵のことはご機嫌になるからな。例えるのならエロゲに出てくるチョロイン並みに堕とし易いのだ。
「姉ちゃんも明日試験なんだから静かにしてくれたら、俺とても嬉しいからな(姉ちゃん、明日の試験合格したら俺のこと好きにしていいよ)」
と、姉の脳内イメージではそんなことを思ってるせいか、黙って集中し、顔をニヤニヤとしながら勉強をしている。
「お前意外とたらしなんだな・・・・」
「ほっとけ」
九頭竜から吹き込まれるが、俺ってこういう人をたらすって才能があるのかもしれないと、自分的に恐ろしく思えてしまう。
そして静かに勉強をして数時間が経ち、もうすぐ昼食の時間となっていた。
いけね。もうすぐ昼ご飯なので俺は立ち上がり準備をする。
「オレも手伝う」
「いいよ。せっかく来てくれたんだから一人でやるよ」
「遠慮するなって・・・二人でやったら早いだろ」
「じゃあ任せようかな・・・」
「まかせろ」
「・・・・・・・・・」イライラ
背後からなにやら怨念というものが漂ってるのがあの時知らないまま俺と九頭竜は台所に向かい冷蔵庫付近になにかないか調べると、賞味期限が近いそうめんのパックがあるからそれにするか・・・・
とっその前に
「九頭竜、このままでは髪が落ちるかもしれないから、ポニテにしていいか?」
「あ?これぐらい一人でやれるからいいって!!!」
「すまん。お前の髪、いつ見ても綺麗だから触りたくなってきた」
「たくっ・・・・・お前という奴は・・・・・後で触らしてやるよ・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」イライラ
照れを隠しながら髪留めをほどきツーサイドアップからポニテに変えた。
髪を両手でとめる時に髪留めを口に加える姿仕草がとても可愛く思えてしまった。
そして予想通り九頭竜のポニテ姿は予想通りに似合っていた。
俺ポニテ萌ではないけど、これは非常に萌えるな・・・
あまりにも似合っていらので九頭竜に注意されるまでに見惚れてしまい俺達は作業に入る。とりあえず俺はそうめんを作る役で九頭竜は具材を切る仕事に入った。
幸いにも、ハムやキュウリといったそうめんに合った材料が偶然あって追加で買い出ししなくて助かったな。
とりあえず俺は水にゆすいだそうめんを湯にぶち込んだ後に九頭竜の様子を見る。
見ると九頭竜は真剣な眼差しで慎重にかつスローモーションのようにゆっくりとしていて、それ以前に手が小刻みに震えていたのでいつ指が切れてもおかしくない状況だった。
「おい、九頭竜具材はもう切れたかって、お前全然進んでないな。っというかやけに太いな・・」
「すまん・・・・言い忘れたけど・・・オレ自分でご飯作ったことないんでいつもコンビニ飯ですましてるんだ」
「なるほど、それが原因であの時の調理実習で涼浦ともめたのか・・・」
「うるせぇな。こういう細かいのが苦手なんだよ」
「じゃあ手伝ってやるよ」
「えっおま・・・・鍋見なくていいのかよ」
「ちょっとくらい大丈夫だろ?とりあえず最初はゆっくりな・・・・」
「うん・・・・」
「・・・・・・・・・」イライラ
危なっかしい九頭竜に俺は背後から手を握り手伝うことにした。
九頭竜は最初は抵抗していたが、俺の指示の通りにすると、最終的に大人しくなっていた。
「ほら、全部切れただろ」
「ああすまんな・・・・」
「なぁ、今度暇な時にお前ん家行って定期的にご飯作ってもいいか?」
「え・・・・・・いいよ。んなもん」
「だから遠慮するなよ。俺達恋人なんだから、好き勝手に甘えろよ」
「大河・・・・・」
「だあああああああああ!!!!!お前らいい加減にしろーーーーーーー!!!!」
突如として姉ちゃんは爆発し、自身の参考書を投げ捨てて怒鳴っていった。
そしてご丁寧に机に置かれている教科書等を九頭竜のカバンに入れ、九頭竜に投げ入れ玄関に連れて行かれた。
「お前らさっきから、姉の私を差し置いてイチャイチャするな。聞いてて集中できないんだよ。そんなに二人の空間を堪能したいのならな・・・・晩御飯までに帰ってくるな!!!」バタン!!!
そして扉を大きく音を立てて閉められ追い出され鍵を閉めてしまった。
昼ご飯途中なのに・・・・
そう思った時姉からLINEが来る。
『夕食はさっきお前達が作ったそうめんとあと姉のお手製でなにかしてやる。だからお前は反省して姉のありがたみを知れ。そして私の胸に抱き着け』
最後の一文は余計だな・・・・
「すまん。九頭竜、うちの姉ちゃんのせいで・・・・」
「別にいいよ・・・・あいつの前でイチャイチャしてたこっちも悪いからな・・・」
「なぁせっかくだからオレの家で勉強しないか」
「そう言われても・・・・自転車のカギは家にあるし・・・それに財布に定期入れが・・・あっそうだ。この近くに図書館があるからそこで勉強しないか?道中にコンビニあるし・・・」
「おっいいな。そこ行くぞ・・・・」
「といっても・・・・その近くっていっても自転車を乗った距離なんで、2キロあるから徒歩はちょっと・・・・」
「2キロなんてあっという間にじゃねぇか・・・・」
「お前、どうやってここに来たんだよ。バイクとかないのかよ」
「うるせぇな。ここにはオッサンが連れて来て、夕方までは仕事で戻ってこないんだよ。それに・・・・・バイクはない」
バイクがない?ヤンキーと言ったらバイクいや原付は持ってそうなのにないのかよ。
「正確には原付はあるが買ってから三日で壊した・・・・」
うん・・・・・その壊した理由はその悔やんでいる顔で分かる。8割方チーマー関連だろう。不思議と俺の予感は当たる気がした。
「と・・・・・・とにかくさっそく行くから案内しろ」
結局俺は顔を赤くしている九頭竜に強引に引っ張られ図書館に案内することになった。
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