本屋で参考書を買いましょう
放課後になり俺は一人で校門から出る。宗介は普通に接してくれるが以前宗介は彼女が出来た妬みか勝手に嫉妬を抱いて不機嫌になっていた。恐らくあの三時間連続小テストで点数が悪かったから八つ当たりしてるだろう。俺にとっては普通に迷惑だが今はそっとしたら休み明けには普通に戻ってるだろう。その代わり遊び過ぎて俺に勉強を教えるのを土下座して頼む未来しかないけど・・・・
後九頭竜も放課後あのグループに加わってテスト勉強対策をしているしせっかくできた話仲間に水を差すことはしたくないので俺は駅に向かう前に寄り道として近くの本屋に寄り今回のテストについてのとついでに大学試験に向けての問題集、参考書を探すつもりだ。
将来の夢についてはまだ考えたことはないが、一応自分の今の成績でギリギリ合格できるくらいのランクの大学に行きそこで将来の夢を考えることにする。
そういえば九頭竜って高卒後どうするのだろうか?このまま声優業を続けるのか大学に進学するか聞いてないな・・・・・とりあえず今度九頭竜に聞いてみてから判断するか。
もしかしたらこの関係がこのさっきずっと続くかもしれないし、同じ大学に行くのならしっかり勉強しなければいけないし・・・・それに同棲・・・・って流石にこれは妄想が過ぎるか・・・・・でも本当にそれが現実になってくれたら嬉しいかな・・・・
でさっそく店に入った俺は、いつも寄ってる漫画、ラノベコーナーを横切り参考書のコーナーを探す。
とりあえず俺はそこにあるものを手当たり次第立ち読みすることにした。
その時隣から同じく参考書目的の学生が同じく参考書目的に取っているのを感じた・・・
「しょっと・・・あった・・・って大河・・・なにしてんの?」
「はっ・・・・・涼浦なんで・・・・」
聞きなれた声に目を向けると案の定涼浦がいた・・・・いや、本当に最近合うの多いな・・・・・
「いや・・・・・こっちのセリフだし・・・アンタの事だからてっきり漫画のコーナーに行ってる者だと」
「こっちだってJKらしくギャルもののファッション誌を漁りうちの姉貴を舐め回すように探してるのだと思ってたぞ・・・」
「・・・・・・・」
期待はしてなかったが、ノーリアクションだとスベってる風に思えるのだが・・・なんでこいつ如きにリアクションを期待してんだ?
その後会話はなくずっと無言が続く中涼浦が最初に口を開く。
「九頭竜さ・・・・・最近調子に乗ってない?」
「嫌味か・・・・流石に目の前に彼女の悪口言われると腹立つな・・・」
「そういう悪い意味じゃないから誤解すんなし・・・ただ前と雰囲気変わってあいつらしくないから違和感あんだけど・・・・これも彼氏であるアンタの影響?」
「なにが言いたい?もしかして気に食わないのか?」
「そういうんじゃない・・・・ただ前と比べると今の方がマシだと思っただけだし・・・・・・んんっと」
そう言いながら涼浦はなにやら棚の最上段の棚に欲しい参考書あるらしく小柄な体の為届かなかったので俺はとりあえずそれを背伸びして届ける範囲なのでそれを渡した。
「ほらよ・・・・これが欲しかったのか」
「サンキュー・・・・・」
「・・・・・」
九頭竜もそうなんだけど涼浦も・・・あの事件以降なにやらこいつも大人しいように感じるんだけど・・・普通なら俺を誘惑する為にパンチラサービスとか抱きつき勝手に身体を触ったりなどビッチがしそうなイベントがあると思ったのが・・・・・やっぱうちの姉と交友を持てたから興味を持てないとことだな・・・・・別に期待なんてしてないけど・・・・
「そういうお前も変わったな・・・」
「なにそれ・・・彼女がいんのにそんなめんどくさいことしないし・・・・・つーかその言い分だと前のうちの行動期待してんの?」
「いや、別に・・・」
「それでいいよ・・・・うちはアンタが思ってる以上全然変わってない。むしろこれが本当の姿だから・・・」
その後俺は適当に問題集を買うことにし駅に向かうことにしたが涼浦の家も駅側なので途中まで一緒に帰るのだが、ここでも会話がない・・・・・
いやこっち的にはいいんだけど、普段意識が高くカースト上位で仲がいいギャルとバカ騒ぎしてるイメージがあるからここまで無口でと想像できない。とりあえず話すか・・・
「涼浦さ・・・・これ言ったら怒るかも知れないけど、お前ゲームが好きって聞いたけど普段何すんの?」
「別に・・・ゲーセンにあるものならなんでも得意だから・・・・・てかそんなの誇る価値ないし・・・むしろ黒歴史って感じだし」
ああ・・・・やっぱり黒歴史って自負してんだな・・・
「後さ・・・お前なんでゲームはいいのにアニメとかは否定すんだよ?お前ら陽キャにとっては同じ部類だろ?現にお前この前ゲーセンで見かけた時普通にエ〇バやってただろ?完全に矛盾してるだろ?」
「アニメといっても・・・全般が嫌いなわけがないっていうかそれ自体が無関心なだけ・・・・この前のガンダムのあれもゲームの対戦システムが好きなだけでガンダムは全く知らない・・・・・うちが嫌いなのは・・・・萌えアニメとか乙女ゲームといった宗教染みたジャンルでそれを崇拝してるキモイ人間が嫌いなだけ・・・・ああいうやつって全て犯罪予備軍じゃん」
涼浦は・・・イラつき悪寒を感じながら訴えていた・・・相当オタクの差別が激しいがあながち間違ってないのが真理なんだろう。
「でも俺だってそういう奴等の一人だろ?なんで俺だけは今も普通に対等に話してるんだ。もしかして姉ちゃんに媚を売るのか?はたまた俺の顔がタイプなのか?」
「プッ・・・・・ははははははは。なわけないっしょ・・・・アンタ自分の顔を褒めるナルシストなわけ?チョー受けるんだけど」
含み笑いで笑われたんだけど・・・・自分だってこういうナルシスト的な発言するだけで恥ずかしいわ。
「うっせ!!!笑うな。じゃあなんなんだよ?」
「それは・・・・覚えてないかも知れないけど・・・」
「あっれーーーーーーーーーギンカじゃん。久しぶりじゃん!!!」
声をかけて来たのは見るからにチャラチャラして、見るからに遊んでそうな大学生の男達だった。その男はガムをくちゃくちゃと噛みいかついサングラスを輝かせながら涼浦の短いスカートをジロジロと見ている。
どうやら見る限り涼浦の知り合いらしい。
「ちっ・・・・アンタか?なにこっちは期末近いから遊ぶ気ないんだけど・・・」
「はぁ?何言っちゃってんの?今まで俺らと遊びまくってんのに優等生面か?調子に乗んなよ。処〇ビッチが!!!ねぇそこのボクもしかしてこいつの知り合い?ヤり目的でつるんでるのなら期待しない方がいいぜ。こいつさ散々遊んでおいてやらずに帰るKY女なんだよ。いい加減に抱かせろよ」
そういうとチャラい男の一人が馴れ馴れしく涼浦の腕を組もうとすると、思いっきりその手をはたいた。
「触んな!!!悪いけどアンタの用なジュースに睡眠薬入れようとするカスになんざ、うちの大切なものを上げる訳ないじゃん。調子乗んなバーーーーーカ!!偉い事言った癖にMicuniさんに泣かされたヘタレ共が!!!行くし大河!!!」
「お・・・・・・おう」
「てめえ!!!!今日は許してやるけど次あったらただじゃおかねぇからな!!!!」
突如涼浦に思いっきり手を引かれ駅とは別方向に連れられる。男達は追ってこないが思いっきり怒鳴り声が響き渡っていた。
そして追ってこないと確認する俺達は同時に深呼吸する。
九頭竜もそうだけどこいつもああいうチーマーに因縁あるのかよ。前から思ったけど妙にプライドがあって正直じゃないところが似てるんだよな。それ故に喧嘩するのか・・・・・納得だ。
「なんなんだよこいつらは・・・・・」
「Micuniさんから聞いてない?こいつら、無類の遊び好きでよく女の子に話しかけて、お気に入りの女ならどんなことでもする卑劣な奴等だ。それでこの前ヤバイとこでMicuniさんに助けたくれたとこがあったんだ・・・」
ああ・・・・そういえば前に姉ちゃんが酒を飲みながらそんなことを話してたな。
なんでも涼浦はそいつらの事は前から信用してなかったらしく危険だと思う直前に姉に連絡をし駆け付けてもらったらしい。
そして姉はあのチンピラ共の荷物を確認すると案の定睡眠薬が入ってたらしく、それを見た姉は激怒しそいつらを正座してはんば脅し程度で注意をした後へこへこして逃げてったって言ったけどさっきの様子じゃ反省の点が見られないようだ。
「お前危険なことすんなよな・・・・もし仕返しに襲われたりとかあったら・・・」
「大丈夫だって。あいつら束になると威張ってるだけで単体だとチキンだから・・・万が一夜中に襲われたりしないって・・・」
そう言うと涼浦は要らない口を叩きながら別れた。
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