人気がない倉庫は何も起こらないはずはないと思います
ざーさんに連れられた所は、先ほどざーさんのエロ本を片つける際に使っていた家の離れにある倉庫だ。そこではしばらく使われないものとかがしまっており中には神社関係の神聖なものや古いお宝などが眠ってるのをざーさんの生前の祖父から聞いたことがあるという事だ。てか・・・・そんな由緒あるものをどこで拾ったか分からないエロ本をこんな場所にしまうとか罰が当たりそうな気がするんだけど・・・本人が言いならそれは仕方ない。
もしこの世に神様がいるのなら是非とも罰を受けて無欲の姿で生まれ変わってくれと願いたいくらいだ。
で、そんな倉庫なのだが、再び連れてこられ窓を開け中央の温かい電球をつけてなにをやっているのかというとソシャゲ版『幕末クロニクル』のざーさんのパーティーの状況について診断されたのだ。理由は簡単ざーさんもこの元はエロゲのソシャゲに先月からの新規でハマっているのだ。
しかも今は昨年の水着イベントの復刻イベントなのでどうしても配布武将が欲しいのだ。
たくっテストまで一週間の大事な期間なのに何やってんだか・・・・・
とりあえず俺はその攻略法について教えることにする。
「とりあえず・・・・お前が持ってるSRの後藤象二郎と水着半平太ちゃんはイベント特攻だからとりあえず修練でレベルを上げろ。後Rの病欠沖田総司もだ・・・・この三体を先陣を出せばテスト期間中息抜き程度でやればイベ武将の水着武将を手に入れるはずだ。なぁにこのイベは来週の土曜日までだから終わった後に寝ずにやればイベ終了まで奥義スキルを最大まで上げれるはずだ・・・」
「うん・・・・でも本当に大丈夫?」
「あ?」
「象二郎と半平太ちゃんは分かるけど、なぜ病欠総司はイベ特攻じゃないのに上げるの?」
「それはこいつの連続攻撃がうりなんだよ・・・・まずな・・・」
俺はスマホで攻略まとめサイトを見れば分かることをとりあえず教えることにした・・・
まぁこの手のゲームはキャラゲーだからゲーム操作が壊滅的に下手や低クラスしかない無課金勢でも普通に楽しめるゲームだから積むことはないだろう。
ただ・・・・外の空気が通ってる状態なのにあまり風が通ってなくしかも倉庫の中はただでさえ蒸し暑いのに30分もここでいるのはつらいな・・・・
こんなんなら冷房がある部屋ですればいいのになぜここを選んだのか分からん・・・
「ふぅ~~~~~~これで大丈夫だな・・・・」
「ありがとう大河君。これならイベ武将の『水着高杉晋作ちゃん』を手に入れるよ。だってあれ通常のやつはURだから無課金はまず手に入れないから助かったよ・・・・」
「ほどほどにな・・・・前回赤点ばっかりだから死ぬ気でな・・・・てか一回死んで無欲な自分に生まれ変われ」
「最後本音まじってない?」
「気のせいだ。早くここから出ようぜ・・・・・熱い」
今にも滴り落ちそうな汗を夏服で拭い、一足先に出ようとすると強く腕を掴まれなにか企んでそうな顔をして夏服の第二ボタンをそっと外していた。
「なんだ・・・・」
「君・・・・・私に釣られてみる?」
「・・・・・・ウラタロスか」
「ちがーーーーーーーーう。君がこの前貸してくれたメガネっ子の巫女っ娘委員長のキメセリフだから・・・」
「答えは聞いてない!!」
「リュウタロスでもないから・・・」
この調子でモモタロス、キンタロスネタをぶっこみたかったがその状況では場違いすぎて逆に引きそうだから止めることにした。
「なんで急にそのセリフを言ったんだ。もしかして暑さで頭やられたか・・・顔赤いぞ・・・」
「ねぇ大河君クーラーが効いてるなぜ暑いここを選んだか分かる?ここ、普段あまり人が通らない倉庫だから・・・・叫んでも本堂や家には聞こえないよ・・・こういうのってエロゲのシチュでよくあるよね」
「なにを・・・・」
そういうとざーさんは徐々に詰め寄り顔付近に吐息がかかるほど接近していた。
「今から間違ったことしてみない・・・・・・」
ざーさんは完全に暑さで頭をやられてたか顔が火照っていて正気の沙汰と尾思えないくらい明らかにおかしかった。
「ざーさん」
「咲那と呼んで・・・・」
うっ・・・・力づくで無理に払いのけることができるが・・・
流石に見るからに病んでそうな人間を押しのけるなんてできないぞ。もし仮に押し払ってその拍子に例えばそこの柱の角に頭を打たせてみろ?それこそバッドエンドの道を辿ることになる。
人生なにが起きるか分からないから無理に力で解決できない。どうしたものか・・・・
「どうしたの・・・・今なら誰にも見られてないから平気だよ・・・・」
「俺には九頭竜がいるからそういう誘いには乗らない・・うっ」
「なら・・・・身体に聞いてもらおうかな?まだ九頭竜さんとヤったことないよね?私も未経験だけど・・・初めては気持ちいいと思うよ。
どうしたんだ・・・・俺はこの蠱惑魔的な声色のせいで押し倒されてしまったぞ・・・そしてズボンを脱がそうとベルトを外そうとしている感じがするぞ・・・なにしてんだ。
ダメだ・・・ダメだ・・・どうすればいい・・・考えろ・・・どうすればこの性欲モンスターから逃げられる・・・・
まだあいつのぬくもりをまだ完全に確かめてないのに・・・
「・・・・・・・ぷっ・・・・・ぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷなんてね・・・・・・面白かった」
「へ?」
なにやら吹き笑いが聞こえその後に立ち上がり離れたぞ・・・ズボンもベルトを外しただけで他に目立ったことはされてない。なにが起こった。
「まさか本気で私が乱心したと思った・・・・・あ~~~~~あ大河君って相変わらずからかうと面白いね~~~~~」
どうやら俺は一杯食わされており、今までのは俺をからかうための演技だったようだ。
「ざーさん・・・」
「普段ギンカが大河君を誘惑しないからさつまらないから・・・・私自身ぜひやってみようとしたら・・・・なるほど・・・以外とおもしろいね・・・・もしかして本当にムラっときたとか・・・」
「ふざけるな!!!」
「痛い!!!」
とりあえず、そのふざけた思考をぶち殺す為に右手を降ろした。
これがいわゆる男女平等チョップだ・・・
「いったーーーーーーーちょっとふざけただけなのに・・・」
「自業自得だ・・・」
倉庫から出てほぼ無風だがそれでも少ない風を感じる。ざーさんはダメージを負った頭を押さえながら倉庫のカギを閉める。
「まったく無駄なことを手任せやがって・・・・マジで帰るぞ・・・」
「待って・・・・・・・あの大河君」
「あ?なんだ。もしかしてまたエロい事するのか淫魔?」
「ついに悪魔にまで格下げられた・・・・でもそれも悪くないな・・・」
もうこいつの罪は止まらない・・・・加速するな・・・
「いやいや・・・・なにか変な妄想してるけどそうじゃないから・・・・来週の期末テスト後の土日ってバイト入ってたよね?」
「ああ・・・・土曜日は一日中でその日曜日は夜からだけど・・・それが?」
「私も日曜日午後開いてるからさ・・・・良かったら九頭竜さんや木野原君を誘って『幕クロ』のイベントに行かない?」
ああ・・・そういえばその二日間・・・都内某所にある会場で『幕末クロニクル』のイベントがあったな・・・
確かそこではグッズ販売は勿論声優トークや歌手の生歌にソシャゲの新イベントの情報が先行公開されるよな。俺もあのゲームハマってたけどこういう人混みが溢れそうなとこは基本苦手だから敬遠してたな・・・
でも・・・せっかく誘われたしなにより九頭竜と一緒だから怖くはないな・・・
「ああ・・・行くよ・・・それまでにバイト変更がなければな・・・」
「良かった・・・ありがとう」
そう言い残すとざーさんは嬉しそうに歩き家に戻り俺を送る為に親父さんに頼んで行ったようだ。
そして俺は見るからに欲がなさそうな堅物な親父さんの軽トラに乗せられ帰った。
車内は当然・・・・・無言で気まずくスマホを手を付けれない程の雰囲気が重く・・・・唯一言葉を発したのは『娘が迷惑かけたね』の一言だけだった。
本当だよまったく・・・ホンの数か月前のクラス替えで初合わせした時は見るからに大人しそうだったのにあの頃を返してくれと願いたいばかりだ・・・・
俺はやっと着いた自宅のマンションに降り、改めてスマホを見ると九頭竜からLINEが数分前に届いていた。
内容は、『おい!!!巫女服サイズ全然合ってねぇぞどうなってんだ』と、怒りのキャラ物のスランプが押されていた。
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