お揃のお守りです

いろいろハプニングはあったものの俺達三人は無言でざーさんのエロ本を倉庫に片付けることができ、なんとか協力して最低限に勉強できる空間を作ることができた。

そして作業が終わると常に日が沈んで俺と涼浦はカバンを持ち玄関前で帰る準備をする。

「ふぅ~~~~~ギンカ。なんとか終わったね~~~~~」

「まぁ・・・・うちはまだやりきれない部分はあるけどこれで普通に勉強できるからいいしょ?」

「うんありがとう。ギンカに大河君なんか迷惑かけちゃって・・・・」

「別に・・・・俺は頼まれたことをやっただけだ・・」

「シスコンがカッコつけても説得力がないんだけどーーーー」

「違うよギンカ。大河君はシスコンに加えてブラコンなんだから・・・・」

火に油を注ぐこと言うな。それに俺はシスコン(三次元)でもなくましてはブラコンじゃない普通のシスコン(二次元)なんだよ。



「うわっきつっ!!!」

「頼むから変な誤解をしないでくれ。あれはただ普通にエロ本の上をダイブしたかっただけで別にそのエロ本が欲しかったわけじゃないぞ・・・」

「ダイブしたかったことは否定しないんだ」

うっ余計に変態的な印象になってきたぞ・・・・

あのエセ腐れビッチに馬鹿にされるのは腹立たしいがざーさんの明日を護るためにそうするしかない・・・・




「当たり前だろ。男の夢が叶えて俺は満足だぞ。ははははははは」

「あーーーーーーその手があったかーーーーー。私もこんなことならダイブしたかったなーーーー」

「は?咲那今まで好き勝手に散らかしたってのにまだしてなかったわけ」

また余計なことを・・・・本当に涼浦と仲違いしたくなかったら少し黙ってくんない?






「うんエロ本に埋もれるのが本望だったからね。それ以上の事は考えなかったの」

「たくっ、ふざけたこと考えてないでマジで勉強しろよ・・・・・次は手伝ってあげないんだからさ・・・・」

「分かった分かった・・・・・ギンカ顔怖いよ・・・・・」

まったく騒がしくていいコンビだな。



ん?俺は改めて涼浦の全体像を改めて見ると何か場違いなものをつけてるのが分かる。それはJKらしく可愛く改造してる学生カバンに古臭くどこかで見たお守りをいくつかつけてるのが見れた。





「おい、涼浦・・・・そのお守りは・・・ざーさんの所か」

「ん?・・・・ああこれ?一年の時同じクラスだった咲那にもらったよ・・・・」

「あーーーーーー懐かしいねそれ。あの頃の咲那は素直だったのに・・・」

「うっさい!!!あの頃はうちでも学校生活慣れるか不安だったからつけてた訳だから・・・・なんならそのお守りどんなのか見るか・・・・・」

「おお・・・」

とりあえずそのお守りの種類を見る。なるほど、恋愛成就は勿論縁結びに学業に旅行に厄除けにいろいろあるぞ。





「本当にたくさんあるな・・・・これ全部買わされたんじゃないのか?」

「失礼な。そこまでうちの神社は金にがめつくないから・・・・むしろ無欲だから・・・」

「煩悩だらけの人間にはいわれたくないな」

「あーーーーーそれはうちもそう思う。まさに煩悩の神って感じーーーー」

一瞬だが一生合わないと思える涼浦にはこれだけは共感した。




「てかさ、これ改めて思ったけど効果あるのか?」

「え?当たり前でしょ。これ勝ってた人からお礼の言葉全国から貰ったんだから」

どうも信じれないな・・・これを貰ったから九頭竜と本格的に付き合うことが出来たけどその反面、よく腹の調子が悪くなるしチンピラに襲われたりいいムードで姉ちゃんから邪魔入るしソシャゲのお気に入りのキャラがなかなか手に入らな・・・・・あっこれは元々だった。

とにかくその幸福の分不幸になってる感じがするのだ。





「もし、不安なら今の引き取るから新しいの買ってよ。一つ500円だけど」

「金とるのかよ・・・」

「当たり前だよ。自分とこの神社のお守りを馬鹿にする人には友人とは思わないから・・・」

「咲那も大河も落ち着けって・・・・お守りってのは手に入れてすぐに効力があるわけじゃないから・・・・徐々に馴染ませることで効果があるから・・・・だよな?咲那」

「うん。そうだよ。しっかり大切に持つことでいいこと怒るから」ちっ

今舌打ちしてなかった?鈴浦が何も言ってなかったらお守り買わせるつもりだよこいつ・・・・





「おっとおしゃべりもここまでにしてうち帰って勉強すっから。おっつー」

「またねーーーーー」

涼浦そう言いながら帰って行った。さてと俺はどうするかな・・・

ここから駅は遠いから歩いて向かわなければいけないのか・・・・とりあえず姉ちゃんに電話するか・・・





「大河君、帰りがあれならお父さんに頼んで家まで送ってあげようか?」

「いいのか?姉ちゃんに電話しようと思ったのに」

「Micuniさんだって用事があるから迷惑かけられないよ・・・」

「すまんな。じゃあ親父さんに頼んでくれ・・・」

「おっとその前にちょっと逢引しようよ。げへへへへへへへ」

なにか良からぬ顔をして俺は強引に肩を組ませどこかに連れて行かれた・・・


我ながら断われない己の心の弱さを恨んでいた。



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