ケーキを買ってきてくれました
「大河君、こっち手が離せないから8番テーブルお願い出来るかな?」
「了解」
「あっ!!!いらっしゃいませー。何名様ですかーーーーーーー」
先ほどの落ち込み具合とうって変わりざーさんはいつもの明るさを取り戻し笑顔で接客していた。
まぁあれがざーさんの長所なんだけどな・・・・・・
それにしても・・・・・・ざーさんはいつものように元気になってるがそれでもあいつが隠れてエロ・・・・・・美少女ゲーにハマってるのは変りない。しかもそのグループでありざーさんの親友の涼浦は大のアニメ嫌い・・・・
バレるとハブられ・・・・・最悪九頭竜を堕とし入れたようにイジメが発生する可能性がある・・・・
さすがにいつまでもその趣味を隠し通すのは本人は勿論が一番苦しいと思うからな・・・・
九頭竜の件と言い・・・・この件と言い・・・・改めて涼浦はトラブルメーカーだな。まぁ見た目的にビッチJKでしかも恐らくその交友関係の大半がDQNヤローなのだから問題を起こすのは日常茶飯事と思っていいよな・・・・
ふと店内の時計を見上げると9時か・・・・・
今まではこの時間帯で切り上げるのだが明日からテスト期間なので1時間延長することにする。勿論それは姉ちゃんから事前に連絡したから最後まで頑張ることにする。
カラン
「いらっしゃいませーってうお!!!」
そんな中、いつものように新たに来店する客に笑顔で対応するといきなり抱き着かれる感触が走った!!!!・・・・・なんだ・・・
「みーやーこ!!!愛しの三国姉ちゃんが来てやったぜ!!!」
「ちょ!!!!ね・・・・・姉ちゃん・・・・く・・・・くるし・・・」
「なんだ・・・・・お前・・・・・バイト中に姉に甘えるなんて悪い子だ。よーーーしこの姉がお仕置きしてやるぞーーーーーーうりゃーーーーーーー」
この時間帯店内は落ち着いてる時間帯になってるがそれでも疲労があるってのにこの姉は周囲の目なんてものを気にせず胸に顔を押し付けやがった・・・・・
昼の九頭竜のパイタッチといい今回といい、今日は強気な女にエッチなサービスをされるというのが朝の星座占いであったってくらい胸に縁がありすぎる・・・・
「おいおい、大河・・・・アンタ毎日Micuniさんからこんなことされてんの?マジウケるんだけど・・・・」
「その声は・・・・・涼浦・・・・」
「オッス!!!」
「あれーーーーーーーーギンカなんでここにーーーーー!!!」
「ギンカちゃんどしたの?」
「珍しいね・・・・・・・アンタがここに来るなんて・・・・」
「うちの事を気にしないでいいよ。どうせ忙しいんでしょ」
『あ、あの人ってあのMicuniさんじゃない?』
『え・・・・・あの人気モデルの?』
『声かけてみようか・・・・・?』
姉ちゃんが余計に騒いだお陰で店内は姉ちゃんの事を知ってしまい姉ちゃんの周りには若者達があっという間に姉ちゃんの周りに来てスマホやらでとられる始末で大騒ぎだった。
ガヤガヤ
「大河君~~~~~~どうしよう。これ収集つかないよーーーーーー」
「優子店長呼んできて~~~~~」
「知るか!!!」
うん忙しいよ・・・・・アンタらが来たせいでな・・・・・
っていうかうちの姉、騒ぎになるくらい人気なのかよ?今度から目立たないように姉ちゃんと外歩くときはマスクとグラサンを進めるしかないな・・・・
その後、店長が必死こいて仲裁に入ったおかげでなんとか落ち着きを取り戻すことが出来た・・・・・本当にあの人がいると何とかなるもんだな・・・・・
そしてバイト終了の時間、那智田と立野は姉ちゃんからなにやら包みのようなものを渡された後、先に帰り、残った四人は店内のテーブルにてこの状況に説明を聞くことにしたのだが、それでも姉のイチャイチャは止まらずに隣に座り無理に身体を寄せてるからマジでウザく流石にこの過度の積極性もあってか向かい側のざーさんと涼浦は若干引いていた。
「で、この状況を説明してくれないか?」
「それはこっちが聞きたいし。アンタブラコン?」
「うん。ギンカちゃんそれはあってるぜ!!!」ビシッ!!!
全然あってないだけど・・・・なにドヤってんのこの人?この笑顔マジで殴りたいわ・・・・・でも二倍にして返されそうだから妄想だけで殴るわ・・・
「って・・・・・ギンカちゃん・・・・いつから親しくなってんの?」
「大河聞いてない系?あれからMicuniさんからから定期的にご飯を着いてきてくれるし・・・・・もしかしておおか・・・・・いや弟さんからなにも聞かされてないんですか?」
涼浦は珍しく敬語で姉ちゃんに聞いた。こいつ姉のご機嫌を取らす為に似合わない敬語を言うのか・・・・・普段教師相手にもタメ語なのにどんだけ姉と仲良く仲良くなりたいんだ。意外とこれは礼儀正しい人間相手だと点数高いからな・・・・
「さあな・・・・・・家では、よくギンカちゃんとの事を話してるはずなんだけどな・・・・恐らくわたしの事で頭がいっぱいなんだろ」
「なぁ訳あるか!!!!誰がブラコンキチの事でいっぱいになるんだよ」
「うわっショックぅ!!!!!」
「あーーーーーー泣いちゃったよ。大河君、姉相手でも容赦ないね・・・・」
「う・・・・・・とにかくなんで二人がいるのか説明してくれーーーー」
姉ちゃんのガチ泣きのせいで後ろめたさがあったかとりあえず話を切り替えるように涼浦に振ることにした。
「いや、さっき言ったっしょ?Micuniさんとその友達さんとご飯食べに連れて行ってくれるって・・・で、ちなみに、さっき優子達に渡したのはその帰りにMicuni
さん行きつけのとこで買ったケーキって訳。ホラアンタの分」
「ああ・・・・・あそこのか・・・・」
「喜べ都、お前が好きなイチゴショートはちゃんと選んだぞ!!」
「あっ復活した・・・・」
「だから・・・・・もっと・・・・甘えてくれ・・・・」
「やっぱり復活すんな・・・・」
「まぁまぁお姉さんがせっかく買ってきてくれたんだからお礼くれい言ってよ」
「悪いけどそれは言わん。この姉は褒めると付け上がって状況がさらに悪化するから断る」
「不愛想だね・・」
「そうだぞ!!!こんな美人の姉そうそういないゾ」ブーブー
姉は、顔を膨らませながら、先ほど注文したビール一杯を飲み干した。
「おい、姉ちゃん、バイクで来たのにそんなに飲むなよ」
「心配すんな。バイクは前の店で置いてきた。これ以上飲むのに役に立たないからな・・・・」
「そんなチャオズみたいな・・・・」
「冗談!!!今日はタクシーで来たから問題ないよ」
「まぁよく考えれば飲みに行くときはタクシー使うよな」
「そゆこと」
「はははは、仲がいい姉弟だよねギンカ・・・・」
「・・・・・・ああ、確かにね・・・」
まぁブラコンと部屋の汚さが無ければ基本人格者の姉なんだけどな・・・・
「そういや、二人は兄弟っていたのか?」
「いや、私は、一人っ子だけどね・・・・・」
「そういや涼浦って兄貴がいたよな?どんなの人か教えてくれ?」
「あっ・・・・・・それは・・・・」
「すみません・・・・・Micuniさん帰ります・・・・」
「おっ・・・・・おう・・・・また今度な・・・・・・」
兄の事を聞いたとたん、涼浦は突如として・・・・顔を暗くして姉ちゃんにお礼をした後そそくさと帰って行った。どうしたんだあいつ?
「あちゃーーーーーー。大河君、ギンカの前で兄の事をしちゃ駄目だよ。そのワード禁句なんだから・・・・」
「アニメ以外にも禁句があんのか?まったくリア充の付き合いは難しいな・・・」
「まぁそんなこと言わないでよ。私も聞いた話だけど、ギンカが高校入る前から結構仲が悪かったらしいからね。なにがあったか教えてくれなかったけど」
「ほぅ・・・・そうなのか・・・・・それに対しこっちは仲がいいのになーーーーー。なぁ我が弟よーーーーーー」
「だから、抱きつくな。ブラコン!!!」
なるほど兄とはうまくいってないのか・・・・・
まぁ何があったか知れないけど他人の家庭なんぞには関わることではないな・・・・・
「ねぇ・・・・・・Micuniさん、一ついいですか?」
「どうしたんだ?もしかして高そうなメニューを注文したかったとか?」
「いえ、そうではなくギンカと普段どんな話をしたとのかなーーーーーーって」
「あっそれ気になるぞ」
「あっ・・・・・それか?言ってもいいけど、お前、あまり怒るなよ」
姉ちゃんは後ろめたさな感じで目を逸らしていた・・・・
「なんだよ。怒らないから言えよ・・・・・」
「実は、ギンカちゃんを呼んだのはわたしのファンだとか・・・トーク力やわたしが目に入るくらいの可愛さじゃなくて・・・・・・単純に・・・・・あの腐れチンピラの九頭竜の悪口を言える同士が欲しかったんだ・・・・」
「は?」
「ほら、ギンカちゃんもあのチンピラを良く思ってないから・・・・話してるうちに自然と意気投合しちゃってさ・・・・・・もしかしてコレ言うの不味かったか?」
あまりのもくだらない理由で俺は怒る気になれなかった・・・・
そんなテスト期間中の前日である。
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