幼馴染が勝手にヒロインに追加されるのは都合が良すぎるのではないか?4

ジロ・・・・・

ジロ・・・・・

「視線が痛い・・・・・」

「大河君、ざーさんと九頭竜さんがずっと君の事を見てるけどなにか会ったわけ・・・」

「・・・・・ちょっとな」


俺はその後一時間遅れのバイトに入るのだが、魁里の件が気になってかざーさんと九頭竜がさっきから俺の事をずっと凝視過ぎて物凄く息苦しく感じて仕事がやり辛いんだけど・・・・・

本当に俺のバイト時間が終わるまでずっと俺を睨み続けるのか・・・・

彼女の九頭竜ならまだしもなんでざーさんに睨まれなければならないんだ?

とにかく俺はその痛い視線が気になりながらも俺は仕事に集中する。




「大河君・・・・私手が回らないからオーダー任せてもいいかな?」

「ああ・・・・」

「ほら見て九頭竜さん、さっきから仕事中にも関わらず妙に蓮と接近してるけど、あれ絶対口説いてるよね?」ヒソヒソ

「ああ、そう見えるな・・・」ヒソヒソ

「蓮、彼氏いるのによくもまぁそんなことが出来るよね。第二の伊藤〇だよ」ヒソヒソ

「だな、後で絞めなくてはな・・・・・」ヒソヒソ

本人が聞こえるくらいの陰口はマジで止めて欲しい。後、伊藤〇と同じってどういうことだ?あんな腐りきった性格と珍妙な家系図をした奴と一緒にするな。

頼むから仕事が終わったら説明するから静かにしてくれ・・・・・





~~~~~~~~~~





そして数時間後の午後十時・・・・・・遅れて勤務したため普段より一時間より遅い時間帯に終わり勤務後さっそく長居したざーさん達の席に向かい。そして俺のこれからいう事が真実の為宗介にも連絡してそこに呼び出し俺達四人は魁里達の関係を説明する。






「え~~~~~その魁里って大河君の従妹いとこなの!!!」

「沖、それ本当なのかよ」

「うんそうだよ」

「なんでお前は彼氏の俺より宗介の方を信用するんだ」

「うるせぇな!!!お前がそのことを早く言わないんのが悪いんだろうが!!!」

「なんで逆ギレなんだ?」

九頭竜が俺を信用してないのは傷ついたが、とにかく俺と魁里は父方の方の従妹でなおかつ家も近いので親しみが多いのだ。


幼少期の時は同年代の魁里の姉と幼稚園は勿論道場の敷地で遊んでいたからよく周りに俺達の事夫婦だとからかわれたな。

ちなみに俺の親父もあの道場道場の出身だったのでその息子である俺は親父の兄である魁里の父に教えるようになったのだ。まぁ俺は魁里との絡み以前に剣の才能が元々ないからやめるのは時間の問題だったけどな。





「ええ~~~~そうなんだ。良かった~~~~~」

「なんでざーさんが喜んでんだよ」

「そりゃ大河君は絵を描いたような常識人だからさすがにゲスイ事はしないと思って信用したからその人が浮気をするなんて誰でも幻滅はするよ」

「俺もお前に幻滅したわ。見た感じ明るくみんなに信用されてるクラス委員様がまさか毒舌下ネタ好きのエロゲオタクとは思わなかったわ」

「うん、それは僕も思ったよ・・・・・」

「オレもだ」

「ちょっとみんなからしてなんなの~~~あのね、私が、エロゲにハマったのは木野原君がエロゲを学校に持って来たからして」

「でもそれだけでエロゲにハマるわけないよね。絶対それ以前にエッチなものに携わっていたよね?」

「だな。俺が見た感じこいつは樹以上の性獣だ。そうでなければあの時一般女子なら普通にヒくレベルなのにこいつは逆に好奇心を抱いていた。絶対長い年月エロについて身を熟知してるに違いない」

俺達はそう疑いを持ちながら一斉にざーさんを睨み続けると、一瞬にしてボロが出た。





「し、失礼な!!!私が初めてエロを経験したのは小1の時寺の敷地にエロ本が捨ててるとこを拾っただけだからそんなに長くないよ」

「いや、充分にエロを熟知してるだろ!!!!!このムッツリが!!!」

「なんでみんなエロを否定するの?エロは友達だよ」

「お前、それを涼浦の前で言えるのか。一瞬に友達が減るぞ」

「あーーーーーあそれは平気、私がエロが好きなのはギンカ達は認めてるから。あれは萌えアニメが苦手なだけから」

「マジかよ」

なんで、アニメが駄目なのにこういうエロがOKなんだよ。確か涼浦ってエロ系が苦手なんだろ。うーーーーん。今のカースト上位の思考は分かんねぇな・・・・・





「ともかく私の話はいいからその魁里ちゃんについてもっと話してよ」

「そんなこと言ってもな・・・・・俺にとっては魁里はただ面倒な存在しか思ってないけどな・・・・」

「それは本人が聞くと失礼だよ。魁里ちゃんにとっては本当のお兄ちゃんと思ってるはずだよ」

「確かに二次元ならこういうちょっかいを出す妹は普通に大好きで、俺がもってるエロゲにもそんな子は何人かいた。だがな・・・・・現実と二次元は主観が違うんだよ。例えば『俺妹』の桐〇はそれに当てはまる。こういう暴力ツンデレヒロインは妹萌えの俺なら間違いなく推しを選ぶ。もしそれがリアルにいてみろ?俺は間違いなくブチ切れて桐〇の顔面を奴のエロゲ宝庫ごと叩きつける自信はある。それくらい俺は魁里の事を嫌悪している。もし、魁里がさだかちゃんみたいにどこでも甘えてくれる妹ならリアルにいてもいい」

「それって要するに好き嫌いの問題じゃ・・・・・」

「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!とにかく俺は二次元ならどんな妹でもオールOKで、リアルだと暴力、生意気妹はNGという事だ。分かるかそれが」

しまった。ついクギュばりにうるさいを連打をするほど白熱しまった。俺の悪い癖だ・・・






「まぁ都落ち着きなよ。一回でもいいから魁里ちゃんとまっすぐ正直に話をしなよ。そうしたら昔みたいに魁里ちゃん素直になるよ」

お前も、魁里の気持ちを考えろよ。魁里が一番好きなのはお前だからね。


「・・・・・・・・」

「まったくさっきから、魁里、魁里ちゃんってまったく大河君は九頭竜さんの事を放っておいて、彼氏の自覚があるのですかねぇ」

「お前が魁里について振ってきたのが一番の原因だろうが!!!」

「お前が話題変えたのが原因だろうが!!!」

「ほとんどざーさんのせいじゃん!!!」

団結して一斉にざーさんに向かって叫んだ。







そしてあの密談の後俺は九頭竜と途中まで帰るのだが依然として九頭竜は機嫌が悪いようで、会話が全くない。頼むから機嫌を直してくれよ。





「九頭竜・・・・・」

「あ!!!」

「まだ、怒ってんのか!!!」

「怒ってねぇよ・・・・・ただ、お前が嘘をついてバイトサボったのを許さないだけだ。サボるのならオレと一緒に遊んでほし・・・・・ってなんでもねぇよ。今の忘れろ!!!」

「努力するよ・・・・」

九頭竜はムスッとしながらも口は正直なのでつい本音が漏れてそれを隠そうと顔を赤くしていた。

ヤバい。あまりにも可愛すぎて笑顔が洩れそう・・・・我慢しよう・・・






「ところで、話逸らすけどざーさんと出かけて楽しかったか?」

「別に・・・・・一人でいる時とあんま変わんねぇよ・・・・・ただ、こういう経験が浅いからもっと会話を続けたいと思っただけだ・・・」

そういや、ここに分かれる前にざーさんが九頭竜の様子はどうだったと聞いたら、『緊張してるせいか、あんま声が出せなくて周囲に流されるだけだったから今度は九頭竜さんが好きな場所とかを積極的に言った方がいいかな?でもその反面周りは九頭竜さんの意外な一面見れたから少し可愛いといい感想があるよ』と言ってたな。やっぱり初めてのクラスメイトとのお出かけだから声が出ないんだな・・・







「九頭竜・・・・・今度も行きたいか?」

「ああ・・・・・自分の中でこのままで終わらねぇ・・・・リベンジしたいと思った。この次は、普段の自分を見せないとな・・・・」

「いやそれだと前みたいに怖がれるからなるべく軟らかくにな・・・・」

「ああ・・・・・・・・あのさ、大河・・・・・」

その時九頭竜は、立ち止まって、自分の顔を照れながら掻きながら目を逸らしながら呟いた。その声はいつも以上に甘い声をしていた。





「オレ・・・・・・・きょ・・・・・今日頑張ったから・・・・・さ。今度その・・・・あのデパートでデートするなら、お前が、従妹と言ってた店で、カップル限定のパフェ頼んでいいか?」

「え?」

「もし嫌ならいい・・・・でも今度、花沢達と仲良くなれたら・・・・その褒美が欲しい・・・・・・ダメか?」

「そんなの断る理由はねぇよ・・・・」

そう答えると言葉は無かったが・・・・うれしく右手を振っていた。



確かにこれから暑くなるからな・・・・・・今のうちに甘い思い出をしなくちゃな・・・・





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