幼馴染が勝手にヒロインに追加されるのは都合が良すぎるのではないか?3
なんてこった・・・・よりにもよって最悪なタイミングでざーさんに出会ってしまうんだ?しまった。今いる店は外観の壁がなく外から店内の風景がオープンになってるから偶然店内にいる俺らの事を見つけてしまったのか・・・・・
なんで散々探しても見つからないのにこういう状況に限って遭遇してしまうんだよ・・・・
「大河君なんでこんな所に・・・・さっき蓮からLINEが来たけど・・・・確かバイトに向かうとき先生から用事を頼まれて一時間ほど遅れるって言ってたけど・・・・・それに隣にいる大人っぽい女の人って誰なの?」
「あの、よく言われるのですけど私こう見えても中学三年生なんですよ。もしかして都クンのお友達ですか?」
いや、そこじゃないだろ。お前はさっさと本筋言え。
「はぁ・・・・・」
「あっすみません。私は都クンの幼馴染の神代魁里と言います」
「わたしは花沢咲那。一応大河君のクラスメイトで委員長をやってます」
「あの年下ですから敬語はいいですよ」
「そ・・・・そうよね。はははは、慣れないね・・・・」
「でも正直言ってこの見た目より私の姉のような体系の方がいいですよ。なんせ姉は私より美人で胸がバインバインだから胸だけは入れ替えて欲しいですね・・・」
そう言って自分の胸にコンプレックスを抱いていた。そういえばあいつの姉正月で一回家に帰る時会ったけど確かにいろんなとこが成長してたな。
まぁ自慢の彼女がいる俺にとってはどうでもいいけどな・・・・
「ところで二人はこんな所に何してる訳?もしかして愛人とか?」ニヤニヤ
「なに良からぬ事を企んでそうな顔をしてんだ?いいかこいつは・・・・」
「お待たせしました。ご注文のカップル限定の『ラブリーチョコパフェ』をお持ちしました」
なんで最悪なタイミングでそれが来るんだよ!!!余計雰囲気を悪くするご都合主義なんていらないんだよ・・・・
「え・・・・・・本当に・・・・・・・愛人だったなんて・・・・」
「ざーさん・・・・・・?」
「大河君・・・・・・・このドクズチン〇ス野郎が!!!」
ざーさんは一度動揺を見せるも最後に俺に毒を吐きどこかに行ってしまった。
違う誤解なんだ・・・・・
「あらら、私以外にも罵倒されるなんて・・・・都クンは相変わらず女性にいじめられるのが好きですね?」
「うるせぇよ!!!後追うぞ!!」
「今私、パフェ食べてるのに・・・・・」
「いいからこい!!!」
俺はせっかく来たパフェを一口も魁里に食べさず、お金を払いさっさと店に出てざーさんを追いかける。
まだ遠くに行ってないからなんとしても九頭竜に合流する前に誤解を解かないと・・・・
俺は今までの運動不足を発散する如く必死に走りざーさんに追いつくことに成功した。悪いけど俺は速さだけはそこらの奴には負けないんだよ。
そして・・・・・・手を伸ばしざーさんの手を掴む。
「よし掴んだ。ざーさん!!!話を聞けって!!!」
「あ?大河!!!」
「ざーさん探したよもう。トイレにどこまでトイレに行ってたの?あれ?なんで大河君がここに確かバイトに言ったはずじゃ・・・」
「みんなちょっと聞いて!!!今大河君、他の子と浮気をしてたよ」
だがタイミングが悪くざーさんを捕まえたもののこれまた偶然九頭竜達と最悪な場面に再開され誤解を告白されてしまった!!!
なんで事あるごとに連続して不幸が続くんだよ!!!俺の右手は幻想殺し(イマジンブレイカー)かよ。
「おい、大河・・・・てめぇそりゃ本当か!!!オレという彼女がいながら!!!」
「あの・・・・・九頭竜さん・・・・・誤解だ。頼むから話を聞け!!!まず根本的にズレているんだ。まずあいつは俺の!!!」
「都クン!!!!ちょっと待ってくださいよ・・・・・はぁ・・・・・・・はぁ・・・・相変わらず足が速いですね。これだけは魁里ちゃんには負けますよ・・・・もしかして目の前にいる金髪の子が都クンの彼女なんですか?」
俺が口を開こうとしたが魁里が後ろから着いてきて俺に抱き着くように持たれていた・・・・・
しまった判断ミスだ。こいつはさっきの店で待機させるべきだった。
「なるほど・・・・・彼女が美国の言ってた九頭竜さんというチンピラさんですか?お噂は聞いてましたけど思ったより怖くありませんね・・・・・」
「あ?なんだてめぇ・・・・オレに用か?」
「その子だよ。その浮気相手。今店でカップル限定のパフェを美味しく食べようとしてたよ」
「美味しく食べてねぇよ!!!注文が来たばかりだろうが・・・・・・」
「ほう・・・・・そうか・・・・つまりお前はこれから楽しくその彼女と美味しくパフェを食べようとしてたのだな・・・・・彼女のオレを差し置いて・・・」パキポキ
「嘘、本当に大河君が浮気?」
「そうはしないと思ったんだけどな・・・」
ヤバい・・・・・九頭竜がなんか禍々しいオーラが漂ってるのだけど・・・・・俺死ぬの?
「九頭竜さん?もしかして怒ってらっしゃる?」
「お前・・・・オレが怒ってないように見えるか・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴ
「うん。完全に怒ってるね・・・・でもここで問題を起こしたら退学になるぞ!!!」
「関係ねぇよ!!!退学になっても半殺しにしたてめぇをか・・・・・・・・かい・・・・・・介護できるのならそれも本望だ」
悪いけどその思考はヤンデレのそれと同じだ。愛してるのは嬉しいけど生憎俺は歪んだ愛はいらないんだよ。
俺は九頭竜に殴られるのを覚悟で目を瞑ろうとしたがその前に魁里が俺の前に立ち九頭竜の前に立ちはだかっていた。
「あ?邪魔すんじゃねぇよ!!!俺はこいつに用があるんだよ」
「用って何の用ですか?申し訳ないですけど都クンをいじめてくれませんか?なぜなら彼をいじめるのは私だけで充分ですから・・・・・」
魁里はそう囁くと九頭竜は悪寒を感じたか後ずさりする・・・・
「ちっ!!!なんだこの殺気・・・・・てめぇ・・・・なんか持ってんな!!!」
「いいえ何も持ってませんよ。ほらかかってきなさい」
「ワリィな。てめぇみたいな奴の挑発には乗らないんだよ」
「そうですか。ならこっちは遠慮なく・・・・・」
「ちっ」
魁里はショッピングモール内部で周囲に客がいるのも関わらず向かって戦闘態勢をとり九頭竜に向かった。
対する九頭竜は冷静に判断し向かってくる相手を軽く払おうとしたが・・・・・魁里はそれを軽く躱し踏み込み瞬時に九頭竜の横隣に着き竹刀を持ったポーズをとっていた。九頭竜を含む俺達はその芸当に驚きを見せ皆息を飲んでいた。
「こいついつの間に・・・・・」
「もし、私が獲物を持ってたらその小さい頭を勝ち割ってましたよ・・・」
「あの子・・・・なんて動きなの?」
「今のカッコイイ。動画取ればよかった。ねぇ大河君あの子何者?」
「何者って?失礼ですね。私はただの剣道経験者ですよ?それにしてもこれが巷で噂の『上谷ヶ丘の赤龍』という通りなのチンピラさんですか?思ったより鈍足ですね・・・・」
「てめぇ・・・」
「おや・・・・もしかしてヤル気になったんですか?」
「だから言ったろ。俺はあいつの為に喧嘩はしねぇ・・・・」
「そうですか?なら今からうちの道場に来て勝負をしませんか?」
「は?」
おい魁里お前はなにを言ってんだよ。本来の目的は俺の彼女を見るのが目的じゃなかったのかよ。もしかしてあいつのいたずら・・・・・いやサド心が九頭竜と戦って打ち負かしたいと思ってるのか?
いやそもそもそんな理由でオジサンが道場を貸すわけないだろ何考えてんだこいつは・・・・
「だって喧嘩はしたら駄目ですよね?ならうちの道場で好きに暴れてください。正直私、素手相手でやりあうのは初めてなんでいい経験になると思うんですよ」
「お前何を言って・・・・・」
「そうか・・・・・・お前がオレと戦いたい気持ちは分かった。だけどそれでも俺は大好きな人に戦うなと言われた。だからオレは今後なんであろうと拳を振るわない・・・・」
九頭竜もしかしてあの時の約束を今もなお守ろうとしてるのか・・・・・
だけど魁里そんなんじゃ引き下がらないと思う。恐らく煽ったりして戦闘を駆り立てるつもりだ・・・・
「あれぇもしかして戦う気がないんですかぁ?情けないですねぇ!!!」
「好きに言えよ」
「なら好きに言いますよ」
「ちょっと魁里ちゃんなにやってるの?」
「え?」
その予想外の声で俺達は振り返る。そこにいたのは樹とそれに部活をしてたはずの宗介が制服を着替えさらに汗だくで元々美少年のせいか非常にエロく見えてしまった。・・・・・・そう思ってしまった俺は異常なのかな・・・・・
ともかくその光景を見てた魁里は動揺を見せていた・・・しかもその時の目は憧れを抱くような目だった。
「あ・・・・・・宗介先輩・・・・・」
「樹から聞いたけど随分と好き勝手にやってくれたね・・・・」
「あ・・・・・・それは、ほらみんなに謝って帰るよ・・・・」
「は・・・・・はい・・・・・みなさんすみませんでした」ペコリ
「お・・・・・・おう」
魁里はさっきの生意気の態度とうって変わり素直に謝っていた。そういえば剣術の才能があるこいつが同年代にボロカスに負けたのは二人いたな。一人目は魁里の姉でもう一人はその宗介だ。特に宗介は俺とは違い妙に弱々しい態度を取ってたな。
まぁ簡単に言えば宗介の事が好きというわけだ・・・・・
「ほら、さっさと帰るんだよ」
「はい失礼しました・・・・・」
魁里はもう一度礼をしそそくさと帰って行った。なんともあっけない幕引きだ。
「宗介すまんな」
「相変わらず魁里ちゃんはあの態度なんだね・・・」
「ああ、その性格治して欲しいもんだ」
「そうだね」
「おう、俺のお陰だな」
「お前何もやってないだろ」
「なにおう、気が付いたらお前達がいなくなってその状況を宗介にすぐに連絡したのは俺のお陰だろ」
「はいはいお前のお陰だな・・・・」
「もっと褒めろよ!!!」
「ははははは」
俺達はいつもの乗りで楽しく笑っていた。やっぱり俺達野郎三人組の結束は固いと改めて思った。
「で、ところでみゃこさっきの子の連絡を寄越せ」
「いいけど、魁里は絶対断られるぞ」
「それでもいい。あの子見た感じドSっぽいから好きに言葉責めされたいぞ!!!」
「お前、本音でてるぞ・・・・」
「あの木野原君そんなに女の子に飢えてるのなら今から買い物に一緒に来ない?」
「まじでか。那智田」
「うん。みんなで行動したら楽しいと思ってね。いいよねざーさん」
「わたしはいいけど沖君は?」
「ごめん僕部活があるから終わり次第合流するよ」
「ってことはみゃこはバイトだから実質俺一人のハーレムじゃん」
「なら帰るか。だって木野原ってうっとおしいそうだし~~~~ざーさんは行く」
「いや、私はちょっと用事思い出したから今日は帰るね」
「オレもだ」
「ちょっと待て。おまえらオレに対して非常に厳しくないか?」
「まあまあ私一人だけでいいなら付き合ってあげるから・・・・・この近くにお好み焼きがあるから食べにいこうか」
「おう、女の子と一緒ならどこでも行ってやるぜ」
樹は満面な笑みを浮かべ那智田と一緒にお好み焼きの店に向かっていた。
良かったな樹。やっとこさ女子と遊べて・・・・お前は恐らく今後女子と遊ぶ機会がないかもしれないから十分に楽しめ・・・・
さて、トラブルは去ったからさっそくバイトに行くか。必死に入って近くのバス停に向かえば行けるか。
「それじゃ俺もバイトに戻るわ・・・・じゃあな宗介・・・・・」
「ちょっと待って!!!!大河君まだ話すことあるよね」
「お前なにか忘れてねぇか!!!」
バイトに向かおうとしたが九頭竜とざーさんに両肩を強く掴まれ、強く睨んでいた。
もしかしてあの件で怒ってるのか。
「お前、バイトが終わったらあの女について・・・・」
「ちゃんと話してくれるよね!!!!」
「はい・・・・・・・・」
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