幼馴染が勝手にヒロインに追加されるのは都合が良すぎるのではないか? 2

「メン!!!」

「ぐはっ!!!」

「都大丈夫!?ちょっと魁里ちゃんやりすぎだよ・・・」

「ふふん。年下にやられるなんて都クンって大したことないですね・・・・・」

「樹・・・・心配すんな。まだ行ける・・・・・」

「あれれれれれ!!!!まだやるんですか~~~~~~~」

「なにをしてるのですか。また魁里はちょっかいを・・・・・」

「う・・・・姉さん・・・・じゃ都クン。次はもっと強くなってくださいね」





くそっ!!!あいつの顔を見たとたんに昔、あいつに剣道の練習試合でボロカスにやられたことを思い出してしまう。

神代魁里、あいつは俺が一時期親の薦めで小学四年から幼馴染の宗介と共に入った剣道道場の師範の娘だ。


その道場は神代無振流という剣道界ではそこそこ名前が知れており、小学校のクラブ活動だけではなく青年の門下も全国で数多くその流派を教えて貰っており俺は僅か数か月だがその本部に教えて貰っておる。

当時からブラコンの姉からそんな物騒なものはやめとけと止められたが親父が強情なんで一週間は続けろと言われてやり始めると、いろいろ不安があったけど、同級生で道場に入る前に何度か遊んで貰った魁里の姉に的確に教えて貰ったのでそういう不安点は次第となくなり、入って一週間が経ち剣道にもようやく好きになってた頃、俺はあいつのせいで大嫌いになってしまった。





それが今ここにいる神代魁里だ。あいつは言うなればガチ勢で相手が初心者だろうがなんであろうと本気で戦おうとするやつだ。

初めてあいつと出会った時は可愛らしい女の子でガチで妹にしたいと思ったけど、こいつは日々あいつの姉に剣道を教えて貰ってるのを気に食わないかしょっちゅうからかったり喧嘩を吹っ掛けるというクソガキでしかも剣術も、師範であるあいつの親父が認める程の才能の持ち主だ。

なので剣道の試合を挑むと一方的に返り討ちにあうから自然にあいつと同時に剣道の事を嫌いになってしまった。





しかもそれだけでもとどまらず剣道を止めてもあいつは執拗に俺にからかい、一週間に最低でも一回は遊びに来てゲームなどを負かしたり、部屋を勝手に漁ったりするのが嫌で、中学の時はそれで隠してたゲーセンでとった美少女フィギュアをそいつにばらされ親父に怒られそれを燃やされたのは嫌な思いでだ。




そのうえ姉にその事を言って注意をするとウソ泣きという姑息な手を出してその愛くるしい泣き顔で悪気はないんだと思ってるから嫌だ。

あいつは姉ちゃんを含む大人にすぐ猫を被るからその小悪魔的なやつに付きまとわれる反動で俺は、二次元に逃げエロゲで妹キャラにハマったといっても過言ではない。




そして現在姉の方は剣道を極める為に別の学校で寮生活を送って顔は最近見ないがこいつは中学に上がってから胸以外は大人に成長してるがその真意は子供のままの生意気そうな感じで孕んでいるから未だに油断ができない。

なぜなら現にそのあいつがここにいる理由が分からないからな・・・・





「こんにちは・・・・・・っといっても最後にあったのが新年ですから六か月振りですね・・・相変わらず女の子みたいな名前をしてますね」

「女の名前で悪いかよ。そういうお前こそイケメン主人公みたいな名前をしてるな・・・正直今の俺の名前と取り替えたいくらいだ・・・・」

「いいセリフありがとうございます。魁里チャン感動的です。けどそのセリフは無意味ですよ」

お前片目閉じて可愛く舌出してるけどどこぞのニーさんみたいなセリフ言ってるから余計に腹立つ・・・・・


「みゃこ!!!なんだこのかわいい子は。年下の幼馴染って言ってけど本当に中学生かよ!!!」

「かわいい子?お前の目は節穴か?俺にとってこいつはどんなブスよりも汚く見えてしまう。」

「フフフフフ・・・・・貴方こそ私から逃げている腰抜けさんじゃないですか・・・・・・」


くそ相変わらず心がねじ曲がってて可愛くないな・・・・・


「ところでなんでお前ここにいるんだよ」

「そうでしたね。実は私この時期期末テスト期間だから部活は中止なんですよ。そういう都クンは期末テスト期間中ですか?と言っても都クンは帰宅部ですからこれまた無意味ですね・・・・」

こいつ・・・・・相変わらず頭にくる煽り方をしやがって・・・・・同じ毒舌のざーさんでも毒は吐かない。いうなれば・・・・俺を煽って反応を楽しむタイプのやつだ。

まあ・・・・あいつは口で煽るだけでこちらが何もしない限り手を出さないし、周囲を巻き込む行動をしないのは救いか・・・・・・・・とは言ってもなぜか俺限定だけどな・・・・





「都クン。美国さんから聞いたのですけど、彼女が出来たって本当なんですか?」

「・・・・・・それを聞く為にわざわざ俺に会いに来たのか・・・・」

「当たり前ですよ。なんせ私から何度も連絡を送ってくれたのに返してくれませんもの・・・・・・」

当たり前だ。お前それを報告すると良からぬ事を企んでると思ってるからわざと放置したんだ。





「で、突然ですけど、今からその彼女さんの顔を見さして下さい」

「断る!!なんでお前みたいな生意気な奴に見せなければいけないんだ。それに俺はこの後バイトで忙しいんだ。帰ってくれ」

「そうだぞ。みゃこは忙しいんだ。代わりにこの俺、木野原樹が空いてる・・・・・・」

「あ・・・・・・・。すみません先輩みたいな暑苦しい顔はタイプじゃありませんので・・・・・」

「ぐはっ!!!!ありがとうございます!!!」

樹の必死のアピールをするものの魁里の冷めた発言で樹のプライドは瞬時に崩壊しそれに興奮を覚えたかテクノブレイクして地面に頭を強く打ち付けたぞ・・・・・

もうお願いだから樹に運命の人を出会わせてください。





「あれれれれこの人倒れましたよ?まいっか私の本来の用事は都クンだからいいか。都クンこれからバイトって言いましたよね?ならバイトは一時間遅れて行ってください。私が欲しいものはすぐ手に入れたいせっかちな性格は知ってるのですよね?」

「んなわけ出来るわけないだろ!!!大体お前は昔からわがまますぎるんだよ!!!このことは姉ちゃんに報告して今度こそ強くしぼらせてやるから・・・・・・」

「ふ~~~~~~ん。なら都クンがエロゲがやりたい為に美国さんの家に泊ってるのをおじさんに報告しましょうかね?ほらこれ証拠です♡」

魁里はスマホを開き、ある画像を見せる。それは俺の部屋に封印している妹もののエロゲパッケージの山が映っている画像だ。




「それに加えてこれもです」

「あっ!!!それは、『妹カルテット』初回限定版に付属している実妹みさみさたんの限定キーホルダー!!!」

しかも次の画像はいつのまに無くなってた妹ものエロゲの限定キーホルダーだった。あいつあの正月の日こっそりパクりやがったな・・・・・





「お前・・・・・俺の妹のみさみさたんをどうするつもりですか?」

「人質に決まってるいじゃないですか?私の条件飲んでくれたら後日その画像を消すのと同時にそのキーホルダーを返しますよ」

「断ると言ったら」

「勿論そのキーホルダーとその画像はおじさんに見せます。そうなったら強制的に実家に戻され貴方のエロゲライフはしばらく見納めてって思っていいですね」





ふん!!!俺がそんな状況に乗るわけ・・・・・・・・







って気が付いてら俺はすでにバイトに一時間遅れるという連絡を入れて九頭竜が買い物しているイ〇ンのショッピングモールに来てしまった。

すまない・・・・・・俺にはどうしても九頭竜と同時にエロゲという代物はかけがえないもので失いたくないんだ。

心が弱い俺をゆるしてくれみさみさたん・・・・・・




「都クンありがとうございます。ではバイトの時間が遅れないようにサッサと見つけましょう」

「はは・・・・・」

もう俺にはこいつを止めることができない・・・・仕方なく連れてくことにした。

だが、行くとしてもこのショッピングモールはとても広くそう簡単に見つけることが出来ない。九頭竜に連絡を取るという手もあるが、生憎俺はバイトを遅れる身なので九頭竜にそれを見つかると思いっきし怒られるのは間違いない。

こっそりと九頭竜達に気づかれないようにこっそりと魁里に見させて納得させるのが理想的だな・・・・・・・・・





「ところで魁里。本当にただ見るだけだよな・・・・・」

「当たり前ですよ。魁里ちゃんに二言はありませんよ」

こんな説得感皆無の『二言はありません』は今まで聞いたことはあるだろうか?

いつきみたいな性欲むき出しのドM野郎や欲求丸出しのヤリ〇〇ヤローは信用しても俺はこいつを信用しない・・・・・





「それにしても都クンとこの制服を着た人は今のところ見かけませんねーーーーー」キョロキョロ

「そうだな。もう時間だから俺はバイトに行くぞ」

「そんなの納得いきません!!!見つからないのは貴方が彼女さんの顔写真をスマホ内に入れないのが悪いでしょうが」

「そんなの・・・・・・恥ずかしくて出来るわけないだろ・・・・・・」

「なんですか!!!その変なにやけ方止めてください。童〇がうつりますよ」

「そんなのうつるか!!!てか俺が未だに未経験なのはなんで知ってんだ」

「そんなの気で分かりますよ。神代無振流は、相手の気配を察知し行動を読み取り裏の手を突く流派です。それを極めた私は気配で大体は予想がつきます」

マジかよ。いつからこの作品は能力もののラブコメになってたんだ?

ただでさえ暗いシリアスぶっこんでるのにその上異能力の作品になったら迷走どころじゃないぞ・・・・・

これがジャンプ作品なら打ち切り待ったなしだ。






「じゃあ都クン。罰としてパフェ奢ってください」

「ちっ・・・・・・分かったよ・・・・・」

魁里は目の前に偶然通りかかった喫茶店に通りかかってパフェを要求する。

仕方ないパフェ代奢ってサッサとバイトに行こうか。






「お待たせしましたご注文をどうぞ」

「それじゃ、カップル限定の『ラブリーチョコパフェ』をお願いします」

「かしこまりました」






「いつから俺達はカップルになったんだ?」

「その理由はこれですよ」

その質問の問いは渡されたメニュー表で分かった。なるほど・・・・・カップル指定だと割引されるのか・・・・・

しかもおまけにアイスを二つ乗せをおまけつきで・・・・





「そうですよ・・・・カップル指定されるとこんなにお得なんですよ。良かったですね少しはお金が節約できて・・・・」

「いらないお世話だ」

「ところで都クンは注文しないのですか?」

「だから言ったろ。もう帰るって。ただでさえ一時間遅れで店に迷惑かけてんだ。ここに金置いとくぞ。後日お前に俺の彼女見せてやるからそれでいいだろ・・・・」

「そうですか・・・・・」

「あれ?大河君?」






店を出ようとした時聞きなれた声で俺は振り返る。それは店の外で偶然ざーさんにこの光景を見られてしまったのだ。

そのせいで俺は変な汗が滴り落ちそうになった・・・・・



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