Let's piay GAME?

とある休日の土曜日、俺達は先日の九頭竜のデートでチーマー達の妨害のせいで台無しになったのでリベンジでデートすることになった。

今回が二回目なので俺は前回より気合を入れ服装だけではなく、あらゆる面で気合を入れることにした。なんせ今回は、二日前九頭竜と約束したカップル限定のパフェを食べることを目的にしてるからな・・・・

よし・・・・・・頑張るぞーーーーーーっといいたいところだが・・・・




「は~~~~なんでこうなっちまったんだ~~~~~」

「そりゃこっちのセリフだ!!!!ゴラァ!!!なんでお前の姉貴がオレらのデートに割って入るんだよ」

「すまん・・・・・」

俺達は汗だくの中、逃げ回り急遽入ったゲーセンに隠れる。ああ~~~~~外すっごく暑かったから中涼しい・・・・・

もう少しで七月だもんな。そりゃ蒸し暑くもなるわ。




なぜ俺達はこんなクソ暑い中逃げ回るかというと話は数時間前に遡る。

あれは以前と同じ場所で待ち合わせをするところだった。

~~~~~~~




約束の時間まで後五分か・・・・・・・おっ・・・・・・九頭竜。やっぱり早く来てたのか。しかも前とは違いジャージじゃなくていきなり私服・・・・・・今日は前より気合入れないとな・・・・

よし声かけるか・・・・・





「おいく・・・・・・・」

「大河・・・・・・・やっと・・・・・ってお前後ろ見ろ?」

「後ろ?」

あれ?なんで俺の顔を見ると青ざめているんだ。俺はとりあえず後ろを向くとなぜかうちの姉ちゃんがマスクと帽子で顔を隠しもろ不審者丸出しの恰好で俺の背後についてきたのだ。




「うおっ!!!!姉ちゃん・・・・・なんで?」

「なんでって心外だな。我が可愛い弟よ。以前言ったことを忘れてないか?」

「は?」

「今度のデートはわたし同伴だ。なんせ、この前みたいに我が弟を危険にさらすことは行かないからな・・・・勿論九頭竜、お前に拒否権はないぜ」

「ちっ分かったよ」

九頭竜は舌打ちをし半場認めない感じで、本来こいつの正確ならは強く断ろうとしたが以前自分のせいで俺を巻き込んだせいで断ることが出来なかった。



まぁ、姉貴は邪魔だけど一応空気は読む方だからなんとかなるだろうと思ったが・・・・

うちの姉貴はブラコンなのでそう都合が行かなかった。



「おい、姉ちゃんくっつきすぎだって」

「遠慮するな!!!!せっかくのデートだろう」

「アンタとのデートじゃないって・・・」

「・・・・・・・」

なぜなら・・・・一緒に歩くときは周りを気にせず俺とくっつき程歩きイチャイチャしそれを後ろで睨む九頭竜のせいで後ろまでダメージのダブルパンチが来るのだ。勿論これだけではなく、飲食店に来るときも、彼女がいる前に食べさして貰ったり、買い物するときも姉の下着を買うときも俺に決めさして貰ったりとどっちが彼女か分からないくらいの嫌なデートだった。

そしてそれを痺れを切らしたか九頭竜は突然姉ちゃんの隙を見て俺を連れだし逃げ出し今に至るのだ。


・・・・・









「ちっせっかくのデートが台無しだ!!!」

「なんで俺を睨むんだ?」

「当たり前だろ。お前なんであいつに今日のデート言ったんだよ!!!」

「勿論黙ってたさ・・・・・・しかも今朝なんて出かける前はもろ寝てた・・・・・ってまさかあれは寝てるふりだったのか?」

しかもまだ心当たりがあるぞ・・・・なぜデートの時間、場所が分かることも自ずと想像がつく・・・・恐らく俺のスマホを勝手にのぞき込んで予定表を知りやがったな・・・・・こりゃ本格的にロックをかけないとな・・・・

俺はふと九頭竜の方に目を向ける。どうやらこいつも戦犯は俺だと思ってるようだ・・・・たしかにそれは事実だけど



「俺のせいだ・・・・・・」

「くそが!!!!やっぱりてめぇか!!!!」

うわぁ。マジで怒ってる!!!!殺される~~~~~~




「まぁ過ぎたことはしょうがねぇ。大事なのはこれから・・・・・だろ。この後好きに楽しめばいいだろ」

「ああ・・・・・・なんせ運よく転がり込んだのはゲーセンだ。好きに遊ぶか!!!」

「調子に乗りやがって・・・・・それじゃオレ飲み物買ってくるから好きなのでいいんだろ?」

「ああ・・・・すまんな・・・」

九頭竜はなんとか冷静になり機嫌を戻しジュースを買っていた。

そして俺はとりあえず適当に歩き回ることにした。


それにしてもゲーセンか・・・最近美少女フィギュアとおかしのクレーンゲームしか行ってなかったな・・・・ゲームとは言うとエロゲとソシャゲばかりだからそれ以外はしてなかったな。

とりあえずなにをしようかな~~~~~





おお~~~~~~~


ん?なにやらあちらの方で歓声が聞こえ、人がそれなりにたかっているぞ・・・・

確かあそこはガンダムエ〇バ・・・・・・・通称ゲーセンの動物園か。あそこは民度が低いんだよな・・・・・・大方どこかのサルが対戦相手を煽りながらやってんだろ。どれ、そのキモオタの姿を拝むとするか。

ん?目の前でやってるのはキャップ帽をかぶった小柄な女の子で、どうやら対戦形式で画面裏で対戦相手が戦っているようだ。まぁその相手は文字通り廃人そうなキモオタっぽい見た目で、その機体はガ〇ザクか・・・・・

見るからにパイロットのルナマリアが好きそうなタイプだな・・・・

俺はどっちかというとメイリンの方が好きだけど、




で、この女の子の機体はエクシアか・・・・・・

確かに女の子はダブルオーが好きそうだけど相手は射撃特化の機体だから少々部が悪いか・・・・・

それは予感的中し、相手は射撃特化の為に嵐のような射撃の雨に撃たれあっという間にライフゲージは赤いゲージの二桁になっていた。さすがゲーム廃人例え女の子でもガチでやる大人気なさ・・・・・幻滅するよ。

そして勝利を確信したか、対戦相手のキモオタは豚のように吠えまくっていた。




「ぐへへへへへへへへへへこれで終わりでござるよ・・・・・」

「はっ?意味わかんないし・・・・・トランザム・・・・」

そう呟くとトランザムが発動し、速度が一気に上がったけど・・・・相手のゲージは半分も減ってないから巻き返しは・・・・・・





ピピピピピピピピピピピピ

「え・・・・・・・なにそれ・・・」

次の瞬間俺はとてつもない光景を目にした。それはトランザムと同時に女の子は突然ボタンとバーの動きが今までのの三倍・・・・・・いやそれ以上のとまらぬ速さで、動かしその機体は、画面越しながらも縦横無尽に動き相手が射撃の遠距離特化にも関わらず瞬時に接近戦に攻め鬼のようにラッシュを決めており・・・・・そして戦況は一気に逆転し、それと同時に周囲のやじ馬は盛り上がっていた。




ゲームオーバー

「くそ~~~~~~~~悔しいでござるwwwwww」

「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」

「すげーーーなあの子何者だ?」

「馬鹿知らねぇのかよ。たまにしか来ないんだけど・・・・・エ〇バ・・・・・いやそれどころかここらにあるゲームではほぼ負けたことない神だぞあの子は・・・・」

神か・・・・・世の中にはすごいゲーマーがいるもんだな。お、あの子、あまりにも熱心にやってたか汗だくで帽子を脱いでハンカチで拭いたぞ。

うん、この派手そうな銀髪でギャルっぽい見た目・・・・・うちのクラスの涼浦そっくりじゃないか・・・・・・・・・・・っというかこれ本人じゃね?





「ん?お・・・・・・大河なんでここにいるし?」

「いやいやなんでお前こそなんでここにいるんだよ!!!!」

涼浦は俺を見ると驚き、顔を赤くし画面を小柄な体系で必死に隠していた。っというか無理せず隠さない方がいいぞ。さっきの一部始終はモロバレなんだから・・・・





「お・・・・大河これはその・・・・・」

「お前・・・・・ここでは神って呼ばれてるぞ?もしかしてゲームは得意なのか?」

「ま・・・・・ゲームは小さい頃うちの兄貴がよく連れてきてくれたけどそれなりに・・・・」

「お前あの騒動の後ざーさんの誘いを断っていたけどまさか隠れてゲーセンに入り浸っていたのか・・・・」

「はっ関係ないし・・・・・そういうアンタは?」

「俺は九頭竜とデートの途中だよ」

「デート・・・・つまり九頭竜もここにいるわけか・・・・」

う会話が続かないしなんか空気が重たいぞ・・・・俺ここ立ち去った方がいいかな・・・・・

そう思いながら後ろを振り向くと口を静かに開いた・・・・





「悪かったよ・・・・・」

「え?」

「あの時のことだよ・・・・・うちは、私欲の為にアンタの彼女を落とし入れた・・・・・許さなくてもいい。ただ謝らしてくれ・・・・ごめんなさい」

普段プライドが人一倍高く自分より下の人間を見下すあの涼浦が頭を下げて謝った?これは夢なのか?





「いや、俺は気にしてないぞ・・・・・・俺より九頭竜に謝った方がいいぞ」

「九頭竜・・・・・・・」

「いやか?」

「いや、謝ってみるよ・・・・」

あれ?予想以上に素直だからなんか逆に嫌な感じがするぞ・・・・

あ・・・・・噂をしたらタイミングよく九頭竜がこっちに来てくれたぞ・・・





「おい、大河!!!お前どこいってたんだ?こっちはなんども連絡してんのになんで返してくれな・・・・・・・って・・・・てめぇ涼浦!!!!」

「よっ!」

「おい、大河!!!これどういうことだよ!!!なんでこいつがいるんだよ?」

「それはだな・・・・お前に言いたいことがあるんだよな?涼浦?」

ほら言いたいことを言えよ。

俺はとりあえず鈴浦が勇気出せるように背中を押すことにした。





「九頭竜・・・・・・あの時は・・・・」

「お前、最近姿見てないと思ったら、ずっとここで寂しくゲームやってたのかよ?これはおもしれぇなwwwwwww」

おい、なんで笑うんだよ。涼浦はせっかく謝ろうとしてんの雰囲気ぶち壊しじゃねぇか!!!




「ははははははははははは!!!もしかしてあの時の騒動でボッチになったんじゃないのか!!!くそダサいな・・・・・そういやあの時遊びに行くときお前いなかったな。道理で居心地が良かったよ」

「は?どういうことそれ?」

「実はよ・・・・・この前、花沢達と遊びに言ったんだよ・・・・・・いや~~~~~~あの時は楽しかったなぁ!!!!お前がいないから!!!ははははははは」

お前こそあの時、緊張して相手に流されるだけだったのになんで威張ってるの?

もしかしてこいつ、涼浦の落ちっぷりを見て、スカッとしてるのか?

確かにあの時は十中八九鈴浦が悪いけど・・・・そこまで言うか?

ここは彼氏らしく後で怒らないと・・・・





「はっ今なんて言った?」

「おい・・・・・涼浦?」

おい、素直に謝るんじゃなかったのか?頼むから落ち着いてくだ・・・・






「はぁ?さっきからなに言ってんのアンタ。うちがどこに居ようが勝手だし!!!」

「なんで挑発に乗るんだよ。謝るんじゃなかったのか?」

「謝る?誰が・・・・こっちは前からアンタの事が気に食わなかったんだよ」

「それはこっちのセリフだ!!!ゴラァ!!!なんならテメェの好きなゲームで肩をつけてやろうか?」

「望むところだし・・・・・・そっちこそダサくなくなよ・・・・」

話は最悪な結果になりいつの間にか格闘ゲームの前にいた。





「おい、九頭竜お前格ゲは大丈夫か?」

「問題ねぇよ。格ゲなんて中三の時学校サボってゲーセンで飽きる程慣れてるからな・・・・」

「はっ良く言うよなーーーー弱い犬程良く吠えるって・・・それってアンタの事じゃね?」

「んだと!!!!」

「気にするな挑発だ」




涼浦の挑発を乗るも、なんとか冷静に戻ったところでゲームが始まる。

ゲームは序盤九頭竜の優勢だと思われたが、涼浦の目にもとまらぬ速さのテクニックを見せアッという間に逆転され二連勝され負けてしまった。





「嘘だろ・・・・・・このオレが・・・・・・」

「あ~~~~~少し本気を出しちゃったかな?今度は手加減しようか?」

「舐めるなもう一回だ!!!」

「ああ・・・・・受けて立つよ・・・・」

そして二回目のプレイが始まり先ほどと同じ鈴浦の神テクを見せるが、九頭竜は前回の反省をいかし、なんとか、二勝一敗で逆転勝ちすることが出来た。





「負けた・・・・・」

「どうだ!!!!」

「くっ・・・・・・ならもう一回・・・・」



その後はお互い勝ったり負けたりの繰り返しが続いており、九頭竜は本来俺とデートすることを忘れゲームに没頭していった。




そしてお互い引き分けになり切り上げる時にはとっくに夜の10時は過ぎ俺のスマホは姉ちゃんの履歴でいっぱいだった。

しかもそれ以上に九頭竜と涼浦の中はさらに険悪になり仲直りどころじゃなかった・・・・

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