新たな一歩になるんですね
俺はとある歓迎の為に九頭竜の家に上がる。背後からついてきたざーさんはキタコレと訳の分からない程テンションをしてたのでそれをほっといて扉を閉める。
恐らく家に連れてきて、即ベットインだとゲスな考えをしていると思っているがそんなことはしない。・・・・・・いや本能的にそういうエロゲの彼女告白からのそくH展開は少し脳裏に浮かぶが俺にとっては九頭竜の問題を解決することが最優先だ。
ピロリン
ん?ざーさんからLINE・・・・・いやそれ以外にも樹や部活で精を出している宗介からもだ。
『それじゃ私達はバイト行ってくれね~~~~初体験の感想たっぷりと聞かせてもらうね~~~~~』(ゲス顔のLINEスタンプ)
『みゃこオレァクサムヲムッコロス!!!』(汚い顔芸)
『都おめでとう。なんとか復縁できて良かったね。今度は喧嘩しないように仲良くできるよう今までと変わらず応援するよ』
宗介だけだよまともに応援してくれるのは・・・・・欲を言えば今汗だくの練習姿の顔写真を送れば100点満点だけどな・・・・・って何を考えてるんだ。俺は今彼女が出来たところだ。無意識にホモに目覚める時ではない。そういう属性は樹にでもつけておけ・・・・・
「おい大河何してんだよ」
「すまん。今行く」
ついLINEに夢中になりすぎてしまったな。俺は呼ばれるままにこの前と同じように一階の九頭竜の部屋にお邪魔する。うん相変わらずギャップと違って女の子らしい部屋だ。
「で、提案って何をやるんだ?もしかしてお前それを口実に変なことを考えてないだろうな?」
「は?」
「ほら・・・・・・せっかく恋人になったとはいえいきなりそういう行為はやめろよな!!!!ここは段階を踏んで・・・・・・握手とか・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
何を勘違いしてんだ?それに握手っていうかさっき手をつないだばっかりじゃん。
でも恋人つなぎはやってないな・・・・
とにかく九頭竜の今の状態は初めて恋人が出来たせいかやや身体が固まってぎこちなかった。
「ちげぇよ!!!俺がやりたいのは・・・・・そうじゃない」
「オレとそういうことしたくないのか?」
やめて・・・・・そんな潤んだ目で俺をみるな。ますますヤンキーとしての印象が薄くなってしまうぞ。
「そうじゃなくて・・・・・・印象を変えるんだよ」
「印象?」
「ほら、お前の顔を鏡で見てみろよ。金髪でピアスジャラジャラで装飾品がすごく目つきが悪い・・・・・・そんな雰囲気をしてるから悪い奴が寄ってくるんだよ」
「うるせぇな!!!ピアスはまだとして金髪は生まれつきだ!!!」
さっきの乙女顔から反転していつものような狂犬モードになった。それでこそ九頭竜だ。
だけどその言葉使いも寄ってくるかな?
「後言葉使いも」
「そんなのできるわけないだろ!!!いままでこの口調で生きて来たのに急に変われるか!!!」
「でもそういうキャラになったのは中二からだよな・・・・」
「そうだけど・・・・・まぁ出来るだけ努力するよ」
「いや・・・・・俺が悪かったそこまでは変えなくていい。俺が言いたかったのは初対面の人間に対してでいい」
確かにここで口調を急にかえるとクラスメイトからにも余計なこと言われそうだからそういう面倒なのはいいか・・・・・
「とりあえずまずピアスすべて取ろうか・・・・」
「あ・・・・・・・ああちょと痛えから外すの手伝ってくれ・・・・・」
「分かった」
とりあえず俺は九頭竜の言われた通りに一緒にピアスを外すことを手伝うことになったが正直ピアスなんてしたことない、というかうちの家族はそろってピアスなんてしたことないからどうやって外すのか分からなかったが九頭竜の指摘した通りに外すがその拍子に苦痛を漏らしてるのが肌身に突き刺さるので、なるべく優しくすることになった。
その格闘で予想以上に時間はかかったがなんとか全部外すことが出来、とても新鮮感があった。
「終わったぞ・・・・・次はなんだ?」
「最後はとりあえず・・・・髪型とメイクだな・・・・」
「メイクだと!?なんでお前がそんなの覚えてんだ・・・・・・あっ」
なんだその何かを察した感じの顔つきは、絶対お前が想像してるのとは違うからな。
「お前なんか変な想像してないか・・・・・姉ちゃんモデルやってるからそれでクラスメイトにメイクとかファッションについて聞かれるんだよ。だから俺が間に入って教えてるから覚えてるんだよ」
「なるほど・・・・・・・」
「で、最後に髪型とかどうするんだ?」
「好きにしろよ」
「いや・・・・・そんな急に言われても・・・・・」
「お前オタクなんだから好きなアニメ・・・・・エロゲキャラでもいいからそれに似させてくれ」
「そんな適当なことはできない。俺は生まれて初めて彼女が出来たんだ。愛する人の為に俺のアレンジで可愛くしてやるよ・・・・・」
くそ・・・・・・・・・自分で言うのもなんだけどものすごく恥ずかしい発言言ってしまった。さっきから黒歴史発言の連続だから家に引きこもりたいくらい恥ずかしいぞ。
「本当に・・・・・可愛くできるのか・・・・・このオレが・・・・・」
「なんとかしてみせるよ」
「分かった。もし納得できなかったら、今日恥かいた分すべてを込めて殴ってやるからな」
「お前・・・・・暴力ヒロインを定着しようとしてると思ってるけど、それ時代遅れだからあんま受けないぞ」
「うるせぇな・・・・・お前に暴力振ったの一回だけだろうが!!!」
失敗したら二回目になるのだが・・・・・
「とりあえず目を瞑れ」
「ん・・・・・・」
その後九頭竜からこの前のデートで買った髪留めとかのアクセサリーとあまり使ってない化粧道具をもってきたところで作業を始め、九頭竜は目を瞑り大人しくなったので作業に取り掛かる。
とりあえずしばらく時間をかけてメイクは一通り終わったのだが、これでいいのか?
まあ素は美人だからとくに苦労する点はないが後は髪型だな。さてどこから取り掛かろうか・・・・・・
そう思いながら長い金髪に手を添える。
「ん・・・・・・・」
なんで髪を触っただけで感じてるみたいな声出してるんだ?いくらなんでも敏感すぎるだろ?触ってるこっちも変な気分になるわ。
それにしてもこいつの髪・・・・・きめ細かくて髪質が柔らかいな・・・・・
まるで毛布に包まれてる感覚だ。
どうしようか・・・・・・頭が想像できない。こればかりは姉ちゃんの教えでも無理だ・・・・・
だけど・・・・・・俺は今日からこいつの彼女になったんだ。もう二度と不良の道には行かさない・・・・・俺が幸せにし・・・・・楽しい学校生活を送るんだ。
そう決意し、深呼吸すると自然と体が動き作業が進んだ。
うん・・・・・・完成だ。声かけようか・・・
「できた。ほら鏡だ」
「う・・・・・嘘。これオレなのか?」
鏡を見たとたん九頭竜は嬉しく笑みをこぼして自分の雰囲気が違った顔立ちに驚きを見せていた。
「ああ、これがお前だ・・・・・気に入ったか?」
俺が彼女にした髪型は金髪にただ似合うシンプルなツーサイドアップにした。
とくにそれにした理由はないが、金髪とツーサイドアップという組み合わせは主にお嬢様キャラにありがちな髪型でそれに似せようとはしてないが、ただ純粋に不良という前のイメージを払いのけて可愛いというイメージを追求した髪型にしたかっただけだ。
今の九頭竜は不良というイメージはない。ただの普通の照れ屋で可愛い声をした女子高生の隠れ声優だ。
そでありたいためのゼロからスタートするための心機一転だ。
「ああ・・・・・気に入ったよ。ありがとう・・・・」
「お・・・・・おう。良かった」
今の自分が気に入ったか、涙を流しそうな感じを出そうとしている。うん。好きに泣け!!!
「これからそのメイクについて教えるが、うちの学校メイク禁止だからそれ使うなよ」
「ちょっと待て。涼浦とかは思いっきり化粧してるじゃねぇか?」
「あれは先生に気づかれないくらい軽く目元に加えてるだけで、元が綺麗だからそう見えるだけだ」
「んだよ!!!てめぇ彼女が目の前にいんのに。他の女を褒めるんじゃねぇよ」
「違・・・・・うわぁ・・・・」
嫉妬した感じで俺の襟を掴んで睨んでいたが、これも偶然かその拍子に態勢が崩れ倒れてしまい気づけば俺は九頭竜に押し倒されてる状態になっていた。
「いて・・・・・・大丈夫か・・・・・」
「ああ・・・・・なんとかな・・・・・って近い・・・」
つい言葉が漏れてしまった。俺はお互いに見つめ顔が近い状態だ。それに加え胸の高鳴りも激しく・・・・・・ものすごく息苦しい。
いいのかここで一線を越えても・・・・・流石に付き合ってからいきなりそんな行為をするとかエロゲ展開じゃあるまいし・・・・でも・・・でも目の前に大好きな女の子がいるんだ。理性が収まらない・・・・
「九頭竜・・・・・」
「大河・・・・・・」
こいつも同じ考えか俺と同じように自然な感じで目を瞑り顔を近づいている・・・・・
これやっていいのか・・・・
ピピピピピピピピピピ
「おい、大河スマホが揺れてんぞ」
「え・・・・・本当だ」
ちょうどいい・・・・・・嫌なタイミングでポケットのスマホが振動しそれを九頭竜が気づいたところで中断し離れる。
スマホを見るとどうやら姉ちゃんからだ。
「もしもし・・・・・・」
『都。お前何かされてないか!!!!』
「うるさ!!!!電話越しから大声出すな」
『それどころじゃねぇ!!!!お前あのチンピラともう一度付き合ったの聞いたぞ」
「どこでそんな情報を・・・・」
『そんなのいつ・・・・・・知るか!!!いまあいつの家にいるんだろ』
樹だな。余計な事いって・・・・・・俺もあいつの事をいつかムッコロス!!!
『とにかく私は今からあのチンピラの家に行くからな』
「なんで姉ちゃんがそんなとこ知ってるんだよ」
『松村さんから聞いたんだよ。待ってろ今バイクで飛ばしてるから後三分で着くからな。それじゃ』
「もうすぐじゃん」
ピッと電話が切れたどうしよう後三分でここにくるよ。
そう思うと寒気がして俺は立ち上がった。
「大河。今の姉貴からか・・・・・」
「スマン。今すぐここに向かうようだから俺はそれをごまかす為に逃げるから。もし姉ちゃんが来たら家に上がらずにすぐに帰って駅前をブラブラしてるとごまかしてくれ」
「ああ・・・・・」
「ゴメン。後日髪型やメイクについて教えるから」
「いや、なるべく自分でやるよ・・・・」
九頭竜は俺との打ち合わせに乗ったか姉ちゃんをごまかす為に髪型を戻しいつものぼさぼさヘアーに戻し洗面台で顔を洗おうと行こうとしているがその前に玄関から出ようとしてる俺に向かい声を漏らした・・・・・
「行ってらっしゃい・・・・・・おにいちゃん」
急いで聞こえなかったがかすかにさだかちゃんの声が聞こえたが確認する暇がなく全速力から逃げた。
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