みんながいる前で大胆です・・・・・・・

「ちょっと待てよ・・・・・さっきから聞いてみたら自分の思い込みで俺の彼女を攻めるんじゃねぇよ」

「大河・・・・・てめぇ!!!口を出すなって・・・・」

「お前こそ口を出すな!!!これは俺の問題だ!!!」

「・・・・・・・」ビクッ

俺は九頭竜が物を申す前に大声で怒鳴りビクついて黙っていた。すまんな・・・・

後で謝るからちょと待ってくれ。それよりも涼浦を止めるのが先決だ。




「涼浦・・・・・悪いな・・・・お前の言ってることはでたらめ・・・・・いや勘違いしてるんだよ」

「はぁ!!!勘違い?これどう見ても確実でしょ。元カノだからかばってるだけでしょ」

「元カノ?何を言ってるんだ?俺と九頭竜はまだ付き合ってるんだよ」

「ええ・・・・・・アレお前、別れたって言って?」

「樹しーーーーーー!!!黙って」

「九頭竜と別れてない?それどういうわけ」

涼浦が睨んでいるのが怖いが負けじと論破する。






「そもそも九頭竜は声優なんかやってないんだよ」

「声優をやってない?」

ざわざわ





「じゃあなんであんなとこに行ってたわけ。どう考えてもそれしかないでしょ」

「甘いんだよ。九頭竜がそこに言ってんのはバイト・・・・・しかも清掃員のな・・・・」

勿論これは半分正解だ。九頭竜の回想で声優以外にも雑用・・・・・・つまり清掃をやってたのを聞いた。まぁそれ以外にも事務系などをやってたらしいけど、そこは話がややこしくなるから省くか・・・・・





「考えてみろよ。こいつは名が知れてるヤンキーだ。そんなのバイトに雇ったら、他のチーマーが喧嘩を吹っかけて問題を起こす・・・・・かもしれないだろ」

「・・・・・・・おい」

だから怒んなって、これでも最低限な物言いをしてるんだぞ。






「だから叔父である松村さんに、裏方の仕事で顔を隠して仕事をしてるんだよ。これなら問題は起こさないだろ?」

「確かに・・・・・」

「嘘だ・・・・・これは全部アンタの言いがかりだろ?」

「じゃあ一回社内見学でもしたらどうだ。こいつのバイト日に直接行くとこいつの清掃姿が見れるから貴重だぞ」

「(大河お前覚えとけよ)」ボソッ

涼浦からぐぬぬと声を漏らして快感だと思ったのだが耳元から九頭竜の殺意的な声が囁いて寒気がするが気にせず論破しようと思う。





「じゃあこの台本は、なんでこいつのカバンから入ってる訳?」

「ああ・・・・あれね。じつは辰巳ノアさんから俺にプレゼントをしてくれるらしく。九頭竜経由でそれを渡してくれるんだよ。なんせ辰巳ノアさんって公式も顔を知らないからな。俺がファンだと知ったノアさんは九頭竜経由で感謝としてプレゼントをしてくれたんだよ。だけどな・・・・・知っての通り九頭竜と喧嘩をして、別れる一歩手前な感じになって渡せなかったんだよな。九頭竜?」

「は!!!んなわ・・・・」

そうはさせるか!!!九頭竜が否定する前に俺はこっそりと耳打ちをする。






「(お前最高に可愛いなぁ)」ボソッ

その魔法の言葉のような一言で九頭竜の脳内ネットワークがオーバーヒートして顔全体が赤く迸っていた。





「おい・・・・・お・・・・・お前なに・・・・・いって・・・・・・・ん・・・・・だ」

「ほら見てみ本人慌てふためいてるだろ・・・・・・・・これが正解のようだぞ」

「うん・・・・・確かに本人は珍しく照れているから正解なのかな?」

「あの九頭竜さんが照れてる・・・・・可愛い」

「違・・・・・・・違う・・・・・」あたふた

顔を真っ赤にして沸騰寸前の九頭竜はわたわたと口を震わせていた。

少し刺激を強くしすぎたかな・・・・





「じゃあ・・・・・・・じゃあ。なんでアンタはその台本が必要なわけ?」

「決まってるだろ?俺は・・・・声豚でしかもエロゲ声優のな・・・・」

「あ~~~~~~言っちゃたよ・・・・」

「ええ~~~~大河君が声優オタク~~~~~~」

「確かに前から木野原と絡んでたけどまさかそれが原因?」

「マジ~~~~~木野原最悪~~~~~」

「なんで俺なんだと!!!どうせ俺なんて・・・・宗介やみゃこと比べて不細工だから女子との対応が違うんだよな・・・・・・」

いや、なんで樹が罵られなけらば行けないんだよ。俺はみんなから軽蔑されるのを覚悟したのにこれじゃ樹が不憫すぎるだろ。





「俺はれっきとしたノアさんのファンだ・・・・・あのノアさんから発するエロボイスとのお陰で俺は毎日おかずにしてきたんだ。その対象がロリだろうが、年上だろうとなんでもな・・・・彼女の出ている作品ならすべて買いそろえる程の熱狂的に買いそろえる程好きなんだ」

「やっぱノアが九頭竜だと確定してるじゃん」

「だけど・・・・・俺は九頭竜があの会社で働いてる聞いて俺はこいつに頼んで特別にノアさんと会ったのだが・・・・・・・その素顔はおばちゃんだったんだよ~~~~~~~~」

俺はあえて嘘をつき泣きながら自分の机に伏っして涙を流す。勿論リアルと思わせる為にその涙は本物だ。なんせ姉から涙の流し方をという無駄知識も教えて貰ったからな。まさかこんな時に役に立つとは思わなかった。






「なんだよ~~~~~ノアさんの顔・・・・・見た目が紫の髪をしたおばちゃんじゃねぇか~~~~~あんな顔でさだかちゃんの声を流したら抜けないじゃないか~~~~~くそを頼むんじゃなかったーーーーーー」

「分かるぞ。みゃこ。声優の素顔を見る時は相当覚悟が必要だもんな・・・」

「はははは・・・・・そうなのかな?オタクって難しいね」

よしここでフィニッシュだ。俺は握りしめた台本を捨て九頭竜に寄り掛かる。







「みんなそれが原因で俺達は喧嘩したんだ・・・・・九頭竜は俺を励ます為にノアさんの台本を渡そうとしたんだ・・・・・だけどこれは必要ない。なんせ俺には九頭竜という自慢のヒロインがいるんだ」

「はぁ?意味が分かんないし」

「意味が分からなくて結構。少なくともお前のような尻が軽くイケメンにアプローチしまくるビッチには分かって欲しくない。いいかよく聞け!!!!もし今度今みたいにのけ者にしたりいじめたりしてみろ。俺が許さないぞ」

「誰も・・・・九頭竜なんていじめねぇよ・・・・そんな恐ろしい事出来るか」

「馬鹿だな樹。例えだよ」

「くっ・・・・・」

興奮してしまって俺は自制が聞かないらしいけど、最後に言わしてくれ!!!

俺は九頭竜の手をつなぎながら大声で叫ぶ。






「俺は本当に九頭竜乃希亜の事が大好きだーーーーーーーーーーーー!!!!!もう一度付き合ってくれーーーーーーーー!!!!!!!!」

~~~~~~~~~~~












「最悪だ!!!!なんで俺はみんなの前でエロゲをにハマってるのを告白して九頭竜に愛を叫んだんだ!!!!完全に黒歴史だ・・・・・・これ一生ネタにされるな」

「誰のせいだよ!!!ゴラァ」

その後俺達はお互いに顔を赤くして下校する。

あの後のことだが涼浦はすっかり折れてしまいいつものビッチ仲間とそそくさと帰ってしまった。で、残ったざーさん達は祝うように祝福して強引に手をつないで一緒に帰ることを勧められた。しかも今も背後からざーさんが後ろから着いてきてるからくそウザい。

お前ら今日はバイトだから帰れよ・・・・






「なぁ・・・・・どうするよ・・・・」

「一発殴らせろ!!!!」

「嫌だ!!!俺はお前を助けたのに殴られる筋合いはない」

「一言も助けろなんて言ってねえよ・・・・」

「それに今殴ってみろ。後ろにざーさん達がニヤニヤと監視してるから退学になるぞ」

「お前、最近オレの事を舐めてるんだよな?・・・・・でも、お前の意見には賛成だ。オレも退学になりたくない。・・・・・・大好きなお前と付き合いたいと思ってる・・・・・」

突然の告白の返事で俺は、二度振り返え夕日で赤く照れている九頭竜を見つめる。

とてつもなく嬉しくて本物の涙がこぼれ奇声を発しそうだ。

けどここで出したらせっかくのムードが台無しだから一回呑み込んでこらえるようにする。





「・・・・・・・・・・・ゴクン・・・・・・・・いいのか・・・・・俺で」

「何言ってんだ?お前から告白してきたんだろ」

「そうだけど・・・・・」

「・・・・・・・勝手にしろ。こんなオレと付き合ってまたチンピラに襲われてもいいのならな・・・・でも仮にチンピラが来てもオレは喧嘩はし・・・・・・・ないただ逃げるだけだ。お前はオレと同じ足に自信があるから、次襲われても前回みたいに必死こいて走れば大丈夫だろ」

必死に逃げるか・・・・・・初めて九頭竜がチーマーをボコボコにして警察から一緒に逃げることを思い出してきたな。あの頃から二週間も経ってるのに凄く懐かしく感じる。





「それは、心配なく・・・・・・俺に提案がある・・・・」

「提案?」

「まぁ・・・・・成功するかどうか分からないけどな・・・・良かったら今お前の家に行ってもいいか?」










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