ここで動かなきゃ、男じゃありません
ザーさんとの話が長くその影響で授業に遅れそうになったので急ぎ着替えなんとか体育館ギリギリに間に合うことができ授業を受けるにした。
「涼浦さん、どうしたの?遅れて」
「すいませーーーーーん遅れました」
俺が体育館に着いたしばらくした後涼浦が後から体育館から入るのが見える、おかしいなてっきりあいつはざーさんより先に行ったのになんで来るのが遅いんだ。
まぁビッチ系女子で交友が多いから友達と夢中でLINEをやってたんだろ?
別に気にすることじゃないな・・・・
そしてその授業があっという間に終わり俺はこの日最後の授業を受けることになったが、俺は違和感を覚えた。それは体育が終わり席に座った九頭竜はカバンをまさぐった時なにやら焦りを見せていた。
「九頭竜?」
「なんでもねぇよ話しかけるな・・・・」
「すまん」
「・・・・・・」クス
その光景を前の席からチラッと涼浦がニヤけるのが疑問になりながらも俺は気にせず受け、気が付くとHRが終わり下校になった。
先生が教室から出ると当然九頭竜も続き教室から出ようとするが、その扉の前に涼浦はニヤニヤと笑みをこぼしながらが立ちはだかり九頭竜の行き場を塞いでいた。
「はい。ストップーーーーーちょっと待ちなよ。これから大切な話があるからさ・・・・話はすぐ終わるからさ最後まで聞いてよ」
「ギンカ・・・・・どしたの?」
「あ?てめぇどけよ・・・・邪魔なんだよ」
「あのさ九頭竜さっきからそわそわして落ち着きがないけどなんかあった?もしかして大河と別れたって噂本当だった?」
「だからてめぇには関係って言ってんだよ・・・・だからどけよ」ドン
「そっ・・・・・ならこれならどう?」
『袖織比奈・・・・・・あんまわたしに近づかない方がいい』
「!!!!!」
九頭竜が強引に涼浦を押しのけようとすると涼浦のスマホから『そらかな』の袖織比奈のPVボイスが流れそれを教室中に響かせていた。
なんで涼浦があの音声を・・・・
「・・・・・・・」
九頭竜はふと俺の方に顔を向ける。知らない。俺はあいつに秘密を漏らしてない。涼浦に気づかれないように俺は横に首を振った。
「なぁ・・・・・アンタこの声の事知ってんだろ・・・・・・」
「知らねぇよ・・・・・・なんだその声は」
「とぼけんなよ。アンタが辰巳ノアっていうエロゲ声優ってのは知ってんだよ」
なんてこった・・・・・恐れたことがあいつは九頭竜の秘密をクラス内に漏らしやがった。当然それにより周囲はざわついていた。
「辰巳ノア?」
「エロゲ声優?あの九頭竜さんが?」
「でも今の声まったくエロくないよね?」
「勿論これだけじゃないし・・・・・」
『あ・・・・おにいちゃん・・・・・・あんまり近づかないでください・・・・』
それを聞いた涼浦は今度はさだかちゃんの声のボイスを流している。一体何を考えているんだこいつは?
「確かに九頭竜さんの声ところどころアニメ声をしてたよね?とくに最初の不良ポイ女のキャラの声なんて本人かと思った」
「あの九頭竜さんがエロゲボイスを出すのか~~~~~~ぞくぞくする」
「うわぁマジそれギャップありすぎ~~~~~」
「てかなんでギンカがそれを知ってるの?」
ざわざわ
「おいおいマジかよ?」
「都、それ知ってたの?」
「いや・・・」
みんな辰巳ノアというフレーズについて誰だか分からずざわざわとしていた。そりゃそうだよな。その名前を知ってるのは、俺ら隠れエロゲグループと九頭竜しか知らないもんな。
「くっだらねぇ・・・・」
「おっと帰さないって言ったっしょ?今の声明らかにアンタの声に似てるじゃん。それを納得するまで通せないな・・・・それとも強引に通る?それなら先生に無理やり突き飛ばされたと報告するから。後ろに証人がいるからそうはできないよね・・・・」
「・・・・・・・・」
その軽い脅しにより九頭竜は仕方なく強引に押しのけるのを止め自分の席に戻った。
「ちょっとギンカなに言い出すの?いくら九頭竜さんの事が嫌いだからってそんなでたらめな事を言わないでよ。そうよね?九頭竜さん?」
「・・・・・・・・」
「九頭竜さん?」
「・・・・・・・ああ?すまんボーとしてた・・・」
「見てみ。咲那。この九頭龍の滅多に見せない動揺した面、明らかに図星って顔でしょ」
「ギンカは黙ってて。ねぇ・・・・大河君も黙ってないでなにか答えたら?」
「ああ・・・・・おい」
「大河!!!!!」
俺が九頭竜をフォローしようとしたら九頭竜は大声で怒鳴り俺が入るのを拒もうとしてた・・・・・
なんで・・・・・・なんでお前はいつも一人で抱え込むんだよ・・・・
「へぇなんか訳アリってわけだね。じゃあうちがそのことについて知った理由を教えようか?・・・・最初知ったのは、先週の休日で、その日はいつも通り他校のダチと遊びふけてた時、偶然こいつが、中年と男と高級車から出てるとこを見たんだよね・・・・・最初は〇交かと思って、気になって一度仲間と別れて張り込んでたのよ。で、そのビルを調べたら松村プロダクションという事務所だった」
「松村プロダクションってあの有名な声優事務所のことじゃないか」
「さすがキモオタ代表の木野原、分かってるじゃないの。アンタの言う通りうちはそこを調べたら声優事務所と知ってたわけ。普通おかしいと思わない?なんの理由もないのにそこにいくなんて、そこで声優の仕事する以外理由ないよね?」
「確かに・・・・・普通そんな場所用がない限り行かないよな・・・・」
「まさか・・・・・九頭竜さんが声優だったなんて意外・・・・」
ざわざわ
みんな鈴浦の説明により徐々に納得をしていたが、ざーさんは積極的に反論しようとする。
「ちょっと待って、ギンカ。たったそれだけで九頭竜さんが声優って疑うのおかしくない?」
「は?なに咲那。うちが嘘をついてるってわけ」
「明らかにそうでしょ。さっきから明らかにギンカが嘘をついてるとしか思えないよ」
「じゃあ他に理由とかあるわけ」
「あるよ。例えば身内に声優やそこの従業員で、弁当とか忘れ物を持って来たって線があるよ」
「そういえば、九頭竜とこって親戚に松村って人がいてどこかの社長をしてたって聞いてたような・・・・・・」
「え?マジか立野?」
「あたし実は九頭竜さんと家が近所で親からそう聞いてたから・・・・・」
「マジか?明らかに後付けだろ」
「失礼な。言う機会がなかっただけよ」
「それに、ギンカは辰巳ノアってフレーズはどこから知ってたの?」
「・・・・・・・」
しめた今度は涼浦をアニメファン疑惑が発生したぞ。悔しいけど辰巳ノアの知名度は一般人的には知名度は皆無に近いからな。まさかそれが優位に立つとは思わなかった。
「はっ・・・・・何言ってんの?うちがそんなキショいものやるわけないでしょ。その声優についてはそれに書いてあったからさっき調べたってんだよ」
「調べた?」
「九頭竜これがなんだか分かる?」
そういうと涼浦は机からあるものを取り出し、それを見た九頭竜は口を開けたまま塞がらなかった。それは九頭竜が昼休みの時に空き教室で役の練習をしているとある深夜アニメの台本だった。
これが決め手となり状況は一気に逆転してしまった・・・・
「これアンタのカバンのとこに入ってたよね。なんでそこに辰巳ノアの台本が入ってる訳?」
「てめぇ・・・・・」
九頭竜は震えあがり涼浦の胸倉を掴んでいった。対するこいつはそれを想定通りと思い笑みが止まらなく煽るように口を動かす。
「あれ~~~~~~~なんで怒ってるのか~~~~~今怒る要素はないよね~~~~少なくとも同一人物じゃなければね~~~~」
「くっ」
「どうもおかしかったんだよね。さっきの授業落ち着きがなかったが・・・・・まさか今まであった台本がなぜか消えてたらそうなるよね~~~~~」
「っ・・・・・・・」
「なんで急に消えたって顔をしてんな。なんせ前の体育の授業うちが遅れたのは、これを拝借するためだよ・・・・」
そっか・・・・・だからあの時授業をわざと遅れたのか・・・・
前から諸悪だと思ったけどここまで腐ってたのか?
「なんてことを・・・・・ギンカアンタなんで・・・・」
「あのさぁ!!!!!咲那さっきから親友のうちを差し置いて随分とこいつの肩を持つじゃない?正直ウザいんだけど?」
「それは、ギンカが勝手に人のカバンの中の物を勝手に取るから」
「そういうのは止めなよ。うちはアンタ実は知ってたんじゃない?こいつが声優ってこと?」
「そんなの知るわけじゃない。私はただ九頭竜さんが常に一人だから声をかけてるだけだから」
「そういう偽善はやめなよ。こいつは一人でいるのは己が強くそう思ってたからだし。こいつは正直アンタの事ウザいと思ってるよ」
「そんな事・・・・・・ないよね」
ざーさんは九頭竜に視線を向けようとするが避けようとしていた。
「これが証拠他に反論ある?」
「・・・・・・・・・」
「返事は!!!!!!」
「あ・・・・・・・ああないな・・・・・」
涼浦は半場脅し口調でクラス内に無理やり納得させていた。普段はビッチ風のギャルかと思ったのにあっという間にクラス内を掌握するなんて正真正銘の裏の女王だ。
「はは・・・・・・それにしてもアンタが・・・・・エロゲの声優なんてな・・・・・これが一番な驚きだわ。普段態度悪そうなくせに裏では性的欲求をさらして男どものおかずを与えようとするなんて・・・・・・キモイ・・・・・・・キモイキモイ!!!!キモイんだよ!!!!こういうアニメとか見ている根暗な人間がな・・・・・そういう話をするだけで虫唾が走る!!!!アニメとかそういう声の仕事やってるとさ正直クラスメイトのこっちの価値が下がるんだよね・・・・・・頼むから学校からいなくなれよ・・・・・・その方が平和になるよ」
俺は・・・・・・何を見て見ぬふりをしてるんだ。ここまで九頭竜がぼろくそにやられてるのに助けることをしないのか?
九頭竜が関わるなって言ったからか?
それがどうしたんだよ。そんなのただのいいわけだ。俺はこいつの事が好きなんだ。
ヒロインを救うのは主人公の務めだ。
今のルートがバッドエンドで救いがないってんなら俺はそのルートを無理やりねじ曲がってからハッピーエンドにする。それが初めて人を好きになった俺の宿命だ。
俺は自然と立ち上がり反論する・・・・・・
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