ダーツをやるのは初めてだから教えて貰いましょう
俺は九頭竜にあの私服の他に適当にアクセサリーやファッション雑誌を買いあの店を後にする。その帰り際の人が少ないバスで適当に話をする。
「ふーーーー結構買ったな。けどいいのか?アクセも俺が払おうっと思ったのに・・・」
「なんでもかんでもお前に買ってもらうのは抵抗があるからな。オレにも金を払わせろよ。それに金欠でオレが出てるエロゲが買えないのは困るだろうが・・・・」
「まぁ。そうだけどさ・・・・・」
確かに今回のデートで予想以上に出費が激しいな・・・・・
推しに貢いで喜ばれるのはいいが、ここしばらくはバイトの時間帯を増やした方がいいかもな・・・・
そう思うなか九頭竜はとあるファッション雑誌をパラパラと見ている。
「それにしてもなんでこんなものまで買うんだよ」
「おかしいか?お前は見た感じファッションに無知だからな。こういうのを見て服装について勉強した方がいいぞ。正直言うがお前が来ているそのジャージは予想外過ぎてガッカリしたわ」
「うっせ。ほっとけよ!!!オレにオシャレなんて似合うかよ」
そう言ってる割にはあの服を喜んでたくせに・・・・・
「後な・・・・・買った雑誌ほとんどがお前の姉貴が出てるんだよ?」
「そりゃ姉ちゃんは俺にとっては師匠な感じだから・・・・それを移入して買ったんだよ」
「・・・・・・・お前よく周囲にシスコンって言われないか?」ジ・・・・
「シスコ・・・・・誰がだよ」
ジト目でそう言われてた。確かに樹とかによく言われるけど・・・・俺はあんな弟萌えの狂戦士のように狂ってないぞ。どっちかというとあんな姉でも社会的には立派な大人だからそれをあやかってるだけだ。
「・・・・・・・」ムスッ
「おい、何怒ってんだよ。もしかしてシスコンって言われんの気になってんのか?」
「ほっとけよ」
「そんなに怒んなよ!!お前のお陰で少しは楽しめられ・・・・・いや、全然っ!!!つまんねぇから見本としてオレがいいとこ連れて行ってやるよ」
本当は嬉しい癖に九頭竜は分かりやすい嘘をついてる中俺達はバスを降りしばらく歩きしばらくしてとあるカフェに連れている。
そこは普通のカフェとは少し薄暗い雰囲気で奥にはダーツマシンらしいのが置かれていた。
「いらっしゃいませ・・・・・」
「ここは・・・・」
「オレ行きつけのにダーツカフェだよ。ほら奥開いてるからいこうぜ」
そう案内されダーツマシンの近くにある席に座り適当に飲み物を注文する。
オレはとりあえず周囲を見渡す。見た感じ少し薄気味悪そうな感じであるが、中には高校生や俺より下の中学生を連れている家族連れなのがいるな。
そう思う中九頭竜は目の前に三つのダーツを置く。
「店員から借りてきた。本当はマイダーツを用意したかったんだけど、ここに来るのは予想外だったからな・・・」
「マイダーツって・・・・お前結構好きなんだな・・・・」
「あ?暇な時や思い詰めてる時はたまにここにいんだよ。悪いかよ」
「悪くないけど・・・・」
確かにヤンキーだからここに来るのは似合ってるけどさ・・・
九頭竜はそのダーツの矢を片手に空いてるダーツマシンに立ち上がる。
「ほらっ来いよ。お前の実力見さしてもらおうじゃねぇか・・・」
「俺は見てるだけでいいよ」
「いいから、一緒にやれや。オレが教えてやるからよ」
「ちょっおい!!!」
結局無理やり立たされてダーツをやらされることになった。正直ダーツは生まれてから一度もやったことないから自信ないんだよなぁ・・・・・
「まず手本だ。ほら・・・・」ひゅ・・・・・・ポス
「うまいな・・・・」パチパチパチパチ
九頭竜は軽く投げると水平に投げ吸い込まれるように真ん中に当たった。
「こんくらい出来て当たり前だ。ほらお前の番だ。BULLを狙え」
「ブルー?スーパサイヤ人ゴッドスーパサイヤ人の事か?」
「ちげぇよ。真ん中の的を狙えってことだよ」
それなら最初から言えよ。初心者にそんな専門用語言ってもチンプンカンプンだ。
「・・・・・・」
「おい、なんだそのへっぴり腰は?もっと自信持てよ」
「そんなこと言われても初めてなんだよ・・・・・・はっ」ひゅ・・・・ポロ
今度は俺もあいつのやったことを見よう見まねで投げることにしたが、矢の投げ方が雑だったかの現わしたように不細工な方向に向かい的に矢が当たったもののそれは矢の先端を刺すことなく地面に落ちてしまった。
「おい、下手くそ、もっと背筋を真っすぐにしろよ。後、握りもなってねぇ!!!」
「そんな事言われても。ほら・・・・・」ひゅ・・・・・カス
クスクスクスクス
九頭竜に怒鳴られてもめげずに投げるが今度は的よりはるか上に投げてしまう。
しかもよっぽど下手なのか俺の珍プレーを見た他の客がおかしく笑っている。
これは黒歴史になるくらいの公開処刑だ・・・・
「くそ・・・・・もう一度・・・・」プルプル
心配するな今度はいけるはずだ。けど・・・・・緊張しすぎて手が震えてしまう。
「クソが!!!ちょっと待て。こうやんだよ」ずい
「おいちょっと九頭竜・・・・・」
俺の下手くその投げ方でしびれを切らした九頭竜は俺の背後に入り、投げ方を教えてきていきなり太ももを触られる。
「まずだな・・・・下半身はこうだ!!!」
「こうか?」
「そうだ。次は握り方はこうで・・・・・次は投げ方だ・・・・・」ムニュ
「お・・・・・・おい。くずりゅ・・・・・」
「どこ見てんだ。ちゃんと真っすぐ見ろ」
いや真っすぐ見たいけど。ジャージ越しのお前のデカい乳の一つがカスってるんだけど・・・・・これ本人気づいてないのか?
「そう・・・・その体勢だ。この状態を維持して投げろ」
「・・・・・・・ううう」
投げたいけど背中の柔らかいもののせいで力が抜けるんだよな。こうなったらやけだ・・・・
「おら・・・・」ひゅ・・・・・・・ポス
「ほらっ・・・・ちゃんと当てれただろ?」
「ああ・・・・・・」
「あ?どうしたんだ急に倒れてて、たかが一回当てたくらいで緊張が解けたのか情けねぇな」
なんとか九頭竜の言う通りダーツの的は、真ん中より少し右下に離れた2ポイントに当たったようだ。けど予想以上の興奮で腰が抜けてしまう。
「あの・・・・・・お取込み申し訳ないですけど・・・・使わないのなら譲ってくれませんか・・・・」
「あ・・・・・・すまん。ほら、好きに使えよ」
「ありがとうございます」
「ほら、戻んぞ」
俺と九頭竜のやりとりの最中後が使えてる、女子大生ぽい二人が順番を待っていたので迷惑にならないように俺らは一度彼女に順番を譲り席に戻る。
「たく・・・・・しっかりしてくれよ。お前のせいでとんだ笑いものだ・・・」
「すまん。そのおかげでとりあえずやり方が分かった。今度はうまく投げるよ・・・」
「そうか・・・・とりあえず何か頼むか・・・・」
その後俺らは注文を見てデザートを頼むことにし、本日デート内の食事にすることにした。
「ところで、九頭竜。お前ここいつも一人で来てんのか?」
「あ?オレは一匹狼だって前にも言ったろ。一人で適当にゲームをして時間を潰してるんだよ」
「確か聞いた話だとダーツのゲームって01とかの対戦式のがあるんだよな」
「そうだが」
「それを今まで一人でやってんのか?・・・・・・寂しい」
「んだよ!!!その憐みの眼は?喧嘩売ってんのか?」
売ってるわけないだろ。なんでいちいち喧嘩腰なの?
「そんなんじゃなくてさ・・・・・ほら今度は俺を誘って一緒にやろうぜ。俺ら一応付き合ってるんだからさ・・・」
「仮だけどな。いいか、そんな事を言っても俺はお前の事を対等とは思ってないからな。あくまでファンとしての対応を・・・・」
「おい、九頭竜、ダーツボード空いてるぞ」
「ちっ話逸らすんじゃねぇよ・・・・・それがどうしたよ!!」
「もう一度お前のやり方が見たいんだ。今度真面目に勉強するからさ」
「くそ・・・・・今度はちゃんと覚えろよ・・・」
九頭竜はしぶしぶ話を中断し、再びダーツボードをし、その中でも01というゲームをする。さっき注文する中スマホでダーツのルールについて調べたのだがこのゲームはまず501、701といった最初の持ち点をボード内で獲得した点数で減らしてそのポイントがちょうど0になったら勝ちのゲームらしい。
今九頭竜がやってるのは対戦式だがあいつは一人で適当に楽しむつもりだ・・・・
「・・・・・・・」ひゅ・・・・・・・ポス
「・・・・・・・」ひゅ・・・・・・・ポス
「・・・・・・・」ひゅ・・・・・・・ポスパンパカパーン
凄い集中力だ・・・・・・また、ちょうど0で終わらしやがった。集中してるこいつは周りの音が聞こえないのかさっきから声をかけても微動だにしない。
それにしても、あの薄暗い雰囲気で金髪ヤンキーが一人でカッコよくダーツを決めてる絵・・・・・・なんか見て惚れ惚れするな・・・・
前までは妹萌えで・・・・・いや今も変わらないが以前の自分がこれを見てもなんとも思わないが今これを見ると・・・・・全く印象が違う。凄く・・・・・カッコいい。俺はあいつの声や声優の名だけじゃなく以前からそのクールさに惚れてたんじゃないだろうかとしみじみ思えてしまう・・・・
う・・・・・・さっきから冷たいものを飲んだせいでトイレに行きたくなってしまった。
「九頭竜、ちょっとトイレにいくわ」
「・・・・・・・」ひゅ・・・・・・・ポス
だめだ・・・・・・・さっきからこの調子だ。しばらくいなくても平気だろ。俺は九頭竜の姿を背にトイレに向かう。
「ふぅ~~~~~~~」
よし用を済ませた。とりあえずあいつの方に戻るか・・・・
ガチャ
「・・・・・・」ギロリ
ん?手を洗うときなにやら、ガラが悪い二人組が入ってきたぞ・・・・これは関わらない方がいいかもな・・・・・
ってあれ確かあの二人の中の一人どこかで・・・・・・
はっ
そう思いながら俺は扉を開け出ようとしたがなにやら背後からその男が回り込みハンカチのようなもので口を塞いでしまった。
「ががががが・・・・」
突然の出来事で頭が回ることなく光がじょじょに消えてしまう・・・・・・・
九頭竜・・・・・・・
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